環境学  [Environmental Studies]

開講情報
3年次 前期 講義 1.5単位 選択
担当教員
非常勤講師 紀平 知樹   
備考  

●概要
 環境問題は近代社会の様々なシステム(経済、科学、政治等)が不可避的に内包する問題であると考えられます。したがって環境問題を考える際に、そうしたシステムについて考察することが必要になるでしょう。また環境は研究や投資の対象であると同時に、自分自身が生きていく地盤でもあります。それゆえ環境について考える場合、自分自身の生活や行為を振り返ってみる必要もあります。そういう意味では非常にグローバルな問題とローカルな問題とが共存している問題だといえます。この講義では具体的な環境問題を通して、それがどのような背景をもって発生してきたのか、またそうした問題を解消するために何が必要かを明らかにしていきたいと思います。

●授業の一般目標
 この講義では、(1)環境問題が複合的な問題であること、そしてそれが(2)近代的なシステムと密接に関わっていることを理解した上で、(3)環境問題を回避するためにどのようなことに配慮すべきかを理解するということを目標としています。

●準備学習(予習・復習)
 予習復習をあわせて1週あたり150分程度の学修が必要である。内容についてはそのつど指示をするが、配付資料の語句の意味を調べることや、環境問題に関する自らの考えをまとめることなどが中心になる。

●学習項目・学生の到達目標
学習項目 担当教員 学生の到達目標
1 イントロダクション:環境問題とは 紀平 「環境」の多義性を理解する。また地球環境問題と公害問題の性格について理解する。
2 環境保護を巡る論争:動物裁判と近代の自然科学 紀平 ヨーロッパ中世で行われていた動物裁判の盛衰を考察し、キリスト教や近代自然科学が浸透していったことの意味を理解する。
3 人と動物の関係:イルカ漁はなぜよくないのか? 紀平 現代における動物の取り扱いについて理解し、動物実験や食肉生産の問題点を説明する。
4 人と自然の関係:人は自然の支配者か? 紀平 日は自然環境の中でどのような役割をになっているかを理解する。
5 環境保護の理由:環境はなぜ守られるべきか? 紀平 ヘッチヘッチ論争を考察しながら、なぜ環境は保護されるべきか/されなくてもよいか自分の意見を述べられる。
6 生物多様性(1):その意味と重要性 紀平 生物多様性の定義を理解し、それが人間の生活にどのように関係しているか、また人間がどのような影響を与えているかを説明することができる。
7 生物多様性(2):生態系サービスとその価値 紀平 生物多様性が人間に与えてくれる価値を可視化する手段について説明することができる。
8 生物多様性(3):市場による管理とのその問題 紀平 生物多様性を管理するための手法としての市場の有効性と限界について理解する。
9 環境問題と経済システム:市場経済の諸前提と環境問題 紀平 環境問題の主要な解決方法と目されている市場経済がどのような前提をもったシステムであるかを理解する。
10 持続可能な開発(1):その定義と実践 紀平 「持続可能な開発」の定義を説明することができ、その具体的な取り組みを列挙することができる。
11 持続可能な開発(2):2つの持続可能性 紀平 「持続可能な開発」の理念の曖昧さとそれにもとづく多様な解釈について説明することができる。
12 環境の管理:予防原則と順応的管理 紀平 環境保護を行う上で重要な役割を果たす予防原則と順応的管理のあり方について説明することができる。
13 環境問題における正義(1):水俣病 紀平 水俣病の発生の経緯、またその被害者のおかれた状況について理解し、どうすればこうした問題が起こらないようになるか自らの意見を述べることができる。
14 環境問題における正義(2):専門家と市民の役割 紀平 環境問題における専門家の役割と市民の役割について説明し、自らが何をすべきかを述べることができる。
15 総括・まとめ    

●教科書
書名 著者名 出版社名
使用しない(講義ごとに資料を配付)



●成績評価法方法・基準
 定期試験60%、小レポート30%、受講態度(発言など)10%

●評価のフィードバック
 講評は、合格発表日に掲示にて公開する。

●備考(担当教員に対する質問等の連絡方法)
 授業の前後の時間に教室で質問を受け付けます。

▲PAGE TOPへ