• 有機化学C

    [Organic Chemistry C]

    開講情報
    • 2年次前期

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授上西 潤一

      准教授橋本 貴美子

    備考  

    概要

    有機化学A,Bに引き続いて、官能基別に有機化合物の反応と合成について講述します。また、教科書には充分に収録されていない複素環化合物についても講義します。具体的には、最初に窒素、硫黄、酸素を含む複素環状化合物について学習し、続いて有機化学で最も大切なカルボニル基およびカルボキシ基の化学についてその誘導体も含めて学習します。

    授業の一般目標

    有機化学では元素や官能基の性質をよく理解し、それを使いこなせるようになることが大切です。本講義では、典型的な複素環化合物の反応と合成が説明できるようになること、カルボニル基を中心とする炭素カチオンの化学と炭素アニオンの化学がいろいろな角度から理解できるようになることが目標です。時間の関係上、講義が教科書の全てをカバー出来るわけではありません。講義を聞いた上で教科書や参考書を読んで、自分で理解することが大切です。これまでの積み重ねが不十分な人は、自分で努力して自分を持ち上げてください。本講義は専門基礎演習Cと大いに関連しています。講義後に復習し、専門基礎演習Cでその内容を再確認することで深い理解に至ることを期待しています。楽をしていては理解できません。努力しましょう。

    成績評価法・基準

    中間試験および定期試験の成績に加えて、出席点を考慮する。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    ソロモンの新有機化学(第7版、下巻) 花房、池田、上西 廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    ソロモンの新有機化学・スタディガイド(第7版) 花房、池田、上西 廣川書店
    ジョーンズ有機化学 奈良坂、山本、中村 東京化学同人

    学習項目・学生の到達目標

    学習項目 担当教員 学生の到達目標
    1 複素環状化合物(I) 上西潤一 ピリジン、チオフェン、フランおよびその還元体の化学的性質を理解し、これを説明できる。また、ベンゼンや脂肪族環状化合物との反応性の違いを理解する。
    2 複素環状化合物(II) 上西潤一 重要な複素環化合物の代表的な合成法を修得し、それを用いて合成が出来る。
    3 カルボニル化合物(I) 上西潤一 アルデヒド・ケトン化合物の命名と合成法を習得する。
    4 カルボニル化合物(II) 上西潤一 カルボニル基への求核付加反応の原理を理解し、説明できる。
    5 カルボニル化合物(III) 上西潤一 カルボニル基への求核付加に基づいたいくつかの関連する反応を理解し、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。
    6 中間試験 上西潤一・橋本貴美子 複素環状化合物およびカルボニル基の性質と関連する化学反応の原理を理解し、それらの問いに解答できる。
    7 カルボニル化合物(IV) 上西潤一 カルボニル基のα位水素の酸性度とアニオンの発生、そしてその求電子試薬との反応を理解し、説明できる。
    8 カルボニル化合物(V) 上西潤一 炭素アニオンとカルボニル基との反応を理解し、それを用いて合成反応を組み立てることが出来る。
    9 カルボン酸(I) 上西潤一 各カルボン酸の酸性度の強弱を説明できる。カルボン酸と誘導体の関係を理解し、それぞれを命名出来る。カルボン酸およびその誘導体の加水分解機構や脱炭酸の機構を理解し、それを説明できる。
    10 カルボン酸(II) 上西潤一 幾つかのカルボン酸およびその誘導体の合成法を習得し、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。
    11 β-ジケトン 上西潤一 β-ジカルボニル化合物のα位アニオンの特性を理解し、その反応を説明できる。β-ジカルボニル化合物を用いた反応を習得し、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。
    12 フェノール 上西潤一 フェノールの酸性度について理解し、その反応を習得する。
    13 芳香族求核置換反応 上西潤一 ベンザインおよび芳香族求核置換反応の機構を理解し、その反応性を説明でき、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。

    1

    学習項目 複素環状化合物(I)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 ピリジン、チオフェン、フランおよびその還元体の化学的性質を理解し、これを説明できる。また、ベンゼンや脂肪族環状化合物との反応性の違いを理解する。

    2

    学習項目 複素環状化合物(II)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 重要な複素環化合物の代表的な合成法を修得し、それを用いて合成が出来る。

    3

    学習項目 カルボニル化合物(I)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 アルデヒド・ケトン化合物の命名と合成法を習得する。

    4

    学習項目 カルボニル化合物(II)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 カルボニル基への求核付加反応の原理を理解し、説明できる。

    5

    学習項目 カルボニル化合物(III)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 カルボニル基への求核付加に基づいたいくつかの関連する反応を理解し、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。

    6

    学習項目 中間試験
    担当教員 上西潤一・橋本貴美子
    学生の到達目標 複素環状化合物およびカルボニル基の性質と関連する化学反応の原理を理解し、それらの問いに解答できる。

    7

    学習項目 カルボニル化合物(IV)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 カルボニル基のα位水素の酸性度とアニオンの発生、そしてその求電子試薬との反応を理解し、説明できる。

    8

    学習項目 カルボニル化合物(V)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 炭素アニオンとカルボニル基との反応を理解し、それを用いて合成反応を組み立てることが出来る。

    9

    学習項目 カルボン酸(I)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 各カルボン酸の酸性度の強弱を説明できる。カルボン酸と誘導体の関係を理解し、それぞれを命名出来る。カルボン酸およびその誘導体の加水分解機構や脱炭酸の機構を理解し、それを説明できる。

    10

    学習項目 カルボン酸(II)
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 幾つかのカルボン酸およびその誘導体の合成法を習得し、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。

    11

    学習項目 β-ジケトン
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 β-ジカルボニル化合物のα位アニオンの特性を理解し、その反応を説明できる。β-ジカルボニル化合物を用いた反応を習得し、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。

    12

    学習項目 フェノール
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 フェノールの酸性度について理解し、その反応を習得する。

    13

    学習項目 芳香族求核置換反応
    担当教員 上西潤一
    学生の到達目標 ベンザインおよび芳香族求核置換反応の機構を理解し、その反応性を説明でき、これを用いて合成反応を組み立てることが出来る。

    備考(担当教員に対する質問等の連絡方法)

    質問は講義終了後にも可能であるが、主に専門基礎演習Cにおいて受ける。また。中間試験および定期試験の直前に、質問日をもうけ2-4時間程度教室で質問を受け付ける。また、全定期試験終了後に有機化学Cの定期試験について解説を行なう。再試験の可能性の高い者はこれに必ず出席すること。