• 法学B

    [Law B]

    開講情報
    • 2年次前期

      講義

      1.5単位選択

    担当教員
    • 准教授野崎 亜紀子

    備考  

    概要

    私たちは、多種多様な一人として同じ人ではない一人一人によって構成される社会の中で、私たちは暮らしています。それはなぜ可能なのでしょう?近代法原理は、人それぞれ、大事に思うものが異なる人たちが居ることを前提とし、その共存を可能にするために編み出されました。そして法は、このことを実現するべく<正義>を追究します。本講義では、法が追究する<正義>(そしてそれは他の考え方の元にある正義とは異なり得ます)とは何かについて、具体的な事例とともに法学上の議論について検討します。

    授業の一般目標

    法学は、○や×で即座に答えの出ない問題を多く取り扱います。理屈と実生活上の生活感覚との相互交通を行う中から、リーガルマインドを養成することを目的とします。この目的を遂行するに当たり、他者を説得し、相互に納得を得るという相互関係の獲得に必要となる理論上の道具立てを学びます。

    準備学習(予習・復習)

    (1)提示した資料を読むこと(事前・事後)。(2)課題に取り組むこと。(3)日常の社会問題に関する基本的知識を前提とするため、新聞を読み、幅広く社会に起きる事柄に目配りをすること。単位修得のためには十分な予習・復習が必要となります。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標
    1 「法学B」を学ぶために 野崎 本講義の概要を確認し、講義の基本方針、進め方、取り組み方を理解する。
    2 正しいことをする、とはどのようなことか? 野崎 具体的な事例を下に、様々な〈正しいこと〉のあり方(見え方)があることを理解し、自身の正義感覚を知る。
    3 正しさについての一指標;功利主義 野崎 正しさについての有力な一指標である功利主義について、その内容と利点、問題点を理解する。
    4 正しさと自由(1) 野崎 個人の自由を尊重する代表的な思想潮流である、リベラリズム、リバタリアニズムの内容と利点、問題点を理解する。
    5 正しさと自由(2) 野崎 (1)の内容を踏まえて、具体的な問題について、どのように考えることができるかを理解し、また自身がどのような立場に立つのかを知る。
    6 正義の捉え方 野崎 正義の捉え方として、両者相対立する考え方である、義務論と帰結主義の内容とその対立点を理解する。
    7 小括・まとめ 野崎 前半の小括を行い、具体的なテーマについて、受講生主体のワークショップを行うことで思考を言葉で表現できる。
    8 平等について考える(1) 野崎 当事者の同意さえあればよいのか、という問題をテーマとして、平等概念を理解し、自身の平等感覚を知る。
    9 平等について考える(2) 野崎 差別問題をテーマに、何が差別か、どうしたら差別をなくすことが出来るかについて幾つかの考え方を理解する。
    10 正義とは何か(1) 野崎 正義概念の中で、特に分配的正義概念について具体的な事例とともに理解する。
    11 正義とは何か(2) 野崎 正義概念の中で、特に匡正的(きょうせいてき)正義概念について具体的な事例とともに理解する。
    12 現代社会と法(1) 野崎 現代社会で機能する近代法体系を支える思想であるリベラリズムという考え方を理解する。
    13 現代社会と法(2) 野崎 (1)の内容を踏まえ、具体的な問題をテーマとして、リベラリズムを批判するいくつかの代表的な主張を理解し、自身の立場を知る。
    14 ワークショップ 野崎 後半の小括を行い、具体的なテーマについて、受講生主体のワークショップを行うことで思考を言葉で表現できる。
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 「法学B」を学ぶために
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 本講義の概要を確認し、講義の基本方針、進め方、取り組み方を理解する。

    No.2

    学習項目 正しいことをする、とはどのようなことか?
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 具体的な事例を下に、様々な〈正しいこと〉のあり方(見え方)があることを理解し、自身の正義感覚を知る。

    No.3

    学習項目 正しさについての一指標;功利主義
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 正しさについての有力な一指標である功利主義について、その内容と利点、問題点を理解する。

    No.4

    学習項目 正しさと自由(1)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 個人の自由を尊重する代表的な思想潮流である、リベラリズム、リバタリアニズムの内容と利点、問題点を理解する。

    No.5

    学習項目 正しさと自由(2)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 (1)の内容を踏まえて、具体的な問題について、どのように考えることができるかを理解し、また自身がどのような立場に立つのかを知る。

    No.6

    学習項目 正義の捉え方
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 正義の捉え方として、両者相対立する考え方である、義務論と帰結主義の内容とその対立点を理解する。

    No.7

    学習項目 小括・まとめ
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 前半の小括を行い、具体的なテーマについて、受講生主体のワークショップを行うことで思考を言葉で表現できる。

    No.8

    学習項目 平等について考える(1)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 当事者の同意さえあればよいのか、という問題をテーマとして、平等概念を理解し、自身の平等感覚を知る。

    No.9

    学習項目 平等について考える(2)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 差別問題をテーマに、何が差別か、どうしたら差別をなくすことが出来るかについて幾つかの考え方を理解する。

    No.10

    学習項目 正義とは何か(1)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 正義概念の中で、特に分配的正義概念について具体的な事例とともに理解する。

    No.11

    学習項目 正義とは何か(2)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 正義概念の中で、特に匡正的(きょうせいてき)正義概念について具体的な事例とともに理解する。

    No.12

    学習項目 現代社会と法(1)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 現代社会で機能する近代法体系を支える思想であるリベラリズムという考え方を理解する。

    No.13

    学習項目 現代社会と法(2)
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 (1)の内容を踏まえ、具体的な問題をテーマとして、リベラリズムを批判するいくつかの代表的な主張を理解し、自身の立場を知る。

    No.14

    学習項目 ワークショップ
    担当教員 野崎
    学生の到達目標 後半の小括を行い、具体的なテーマについて、受講生主体のワークショップを行うことで思考を言葉で表現できる。

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    必要に応じて、提示・配布を行う。

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    よくわかる法哲学・法思想 深田三徳・濱真一郎 ミネルヴァ書房、2007

    成績評価方法・基準

    成績評価は、講義内の課題(コメントペーパー、ワークショップの取り組み)、および期末試験によります。評価は絶対評価とし、(1)講義に積極的に取り組み、(2)十分な事前事後学習を踏まえた課題・試験解答となっているか、この2点を基準とします。

    備考(担当教員に対する質問等の連絡方法)

    オフィスアワー:月曜5限(17:00-18:30);授業内容に関する質問がある場合には研究室(育心館4F)に直接来るか、または、メール[a-nozaki@mb.kyoto-phu.ac.jp]でも受け付けます。出張等でオフィスアワーを持てないときもありますので、メール等で前もって尋ねて下さい。