• 薬品合成化学A

    [Synthetic Organic Chemistry A]

    開講情報
    • 3年次前期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授山下 正行

      教授赤路 健一

      講師小島 直人

      助教岩﨑 宏樹

      助教服部 恭尚

    備考  

    概要

     有機化学A~Dで炭化水素や官能基の構造、性質、合成、反応について学習した。医薬品を始めとするターゲット分子(目的化合物)は、複雑な基本骨格と複数の官能基をもつものが多い。ターゲット分子を効率的に合成するためには、基本骨格の構築、官能基の導入、位置および立体選択的な官能基の変換が必要である。入手容易な化合物を出発原料として、ターゲット分子を合成するための有機合成法について学ぶ。

    授業の一般目標

     目的化合物を合成するための基本骨格の構築、位置および立体選択的な骨格構築、官能基の導入および変換反応、保護基の利用、光学活性化合物の合成法、複素環化合物の性質、反応性、合成法について学ぶ。入手容易な化合物を出発原料として、ターゲット分子を合成するためのルートを各自で考案できるようにする。

    準備学習(予習・復習)

     有機化学A~Dの知識が基本となるので、よく理解をしておくこと。常に「ソロモンの新有機化学」と対比しながら勉強すること。予習:授業でどのようなことをやるか知るために、その範囲に目を通してから授業に出席すること。復習:単に暗記するのではなく、反応機構や位置および立体選択性などを考えながら復習すること。立体的な構造を考えるために分子模型は役立つ。分子模型を組み立て、見ながら勉強する癖をつけること(面倒臭いは禁句)。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 ターゲット分子の合成:官能基の導入・変換(1) 山下 個々の官能基を導入、変換する方法を説明できる。 C5-(1)-1~10
    2 ターゲット分子の合成:官能基の導入・変換(2) 山下 個々の官能基を導入、変換する方法を説明できる。 C5-(1)-1~10
    3 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(1) 岩﨑 炭素酸のpKaと反応性の関係を理解し、説明できる。炭素-炭素結合生成反応について理解し、説明できる。 C5-(2)-①-3,4
    4 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(2) 岩﨑 Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。 C5-(2)-①-1
    5 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(3) 岩﨑 Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。 C5-(2)-①-1
    6 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(4) 岩﨑 転位反応を用いた炭素骨格の構築法を理解し、説明できる。 C5-(2)-①-2
    7 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(1) 小島 官能基選択性を理解し、説明できる。位置および立体選択性に関する用語を理解し、説明できる。 C5-(1)-11
    C5-(2)-②-1,2
    8 ターゲット分子の合成:位置および立体選択性(2) 小島 位置および立体選択的反応を理解し、説明できる。 C5-(2)-②-1,2
    9 ターゲット分子の合成:保護基(1) 小島 官能基ごとの保護基を理解し、説明できる。 C5-(2)-③-1
    10 ターゲット分子の合成:保護基(2) 小島 官能基ごとの保護基を理解し、説明できる。 C5-(2)-③-1
    11 ターゲット分子の合成:光学活性化合物 小島 光学活性化合物を得るための手法を理解し、説明できる。 C5-(2)-④-1, C5-(2)-⑤-1
    12 医薬品に含まれる複素環(1) 服部 複素環化合物を指摘し、分類できる。芳香族複素環の性質を芳香族性と関連付けて説明できる。 C6-(2)-②-1-3
    13 医薬品に含まれる複素環(2) 服部 代表的な芳香族複素環化合物の反応性、配向性について説明できる。 C6-(2)-②-4,5
    14 医薬品に含まれる複素環(3) 服部 代表的な芳香族複素環化合物の反応性、配向性について説明できる。 C6-(2)-②-4,5
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 ターゲット分子の合成:官能基の導入・変換(1)
    担当教員 山下
    学生の到達目標 個々の官能基を導入、変換する方法を説明できる。
    SBOコード C5-(1)-1~10

    No.2

    学習項目 ターゲット分子の合成:官能基の導入・変換(2)
    担当教員 山下
    学生の到達目標 個々の官能基を導入、変換する方法を説明できる。
    SBOコード C5-(1)-1~10

    No.3

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(1)
    担当教員 岩﨑
    学生の到達目標 炭素酸のpKaと反応性の関係を理解し、説明できる。炭素-炭素結合生成反応について理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-①-3,4

    No.4

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(2)
    担当教員 岩﨑
    学生の到達目標 Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-①-1

    No.5

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(3)
    担当教員 岩﨑
    学生の到達目標 Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-①-1

    No.6

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(4)
    担当教員 岩﨑
    学生の到達目標 転位反応を用いた炭素骨格の構築法を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-①-2

    No.7

    学習項目 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(1)
    担当教員 小島
    学生の到達目標 官能基選択性を理解し、説明できる。位置および立体選択性に関する用語を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(1)-11
    C5-(2)-②-1,2

    No.8

    学習項目 ターゲット分子の合成:位置および立体選択性(2)
    担当教員 小島
    学生の到達目標 位置および立体選択的反応を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-②-1,2

    No.9

    学習項目 ターゲット分子の合成:保護基(1)
    担当教員 小島
    学生の到達目標 官能基ごとの保護基を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-③-1

    No.10

    学習項目 ターゲット分子の合成:保護基(2)
    担当教員 小島
    学生の到達目標 官能基ごとの保護基を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-③-1

    No.11

    学習項目 ターゲット分子の合成:光学活性化合物
    担当教員 小島
    学生の到達目標 光学活性化合物を得るための手法を理解し、説明できる。
    SBOコード C5-(2)-④-1, C5-(2)-⑤-1

    No.12

    学習項目 医薬品に含まれる複素環(1)
    担当教員 服部
    学生の到達目標 複素環化合物を指摘し、分類できる。芳香族複素環の性質を芳香族性と関連付けて説明できる。
    SBOコード C6-(2)-②-1-3

    No.13

    学習項目 医薬品に含まれる複素環(2)
    担当教員 服部
    学生の到達目標 代表的な芳香族複素環化合物の反応性、配向性について説明できる。
    SBOコード C6-(2)-②-4,5

    No.14

    学習項目 医薬品に含まれる複素環(3)
    担当教員 服部
    学生の到達目標 代表的な芳香族複素環化合物の反応性、配向性について説明できる。
    SBOコード C6-(2)-②-4,5

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    有機医薬品合成化学-ターゲット分子の合成- 西出、前﨑 廣川書店
    プリントを配布

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    化学構造と薬理作用-医薬品を化学的に読む- 西出、佐々木、榮田 廣川書店
    ソロモンの新有機化学(上・下) 池田・上西・奥山・花房(監訳) 廣川書店
    スタンダード薬学シリーズ3 化学系薬学 II ターゲット分子の合成と生体分子・医薬品の化学 日本薬学会(編) 東京化学同人

    成績評価方法・基準

     定期試験の結果を主として評価する。授業中に課題を課す場合あり。

    備考(担当教員に対する質問等の連絡方法)

     オフィスアワー:火・木の17:00~19:00;授業内容に関する質問がある場合には薬品製造学分野(創薬科学フロンティア研究センター2階)に来て下さい。メールでの質問は受け付けません。なお、出張等でオフィスアワーを持てないときもありますので、メール[山下: yamasita@mb.kyoto-phu.ac.jp, 小島: kojima@mb.kyoto-phu.ac.jp, 岩﨑: iwasaki@mb.kyoto-phu.ac.jp, 服部: hattori@mb.kyoto-phu.ac.jp]で前もって尋ねて下さい。