• 文化論B

    [Culture B]

    開講情報
    • 2年次後期

      講義

      1.5単位選択

    担当教員
    • 准教授桑形 広司

    備考  

    概要

     水と同様、文化は高いところから低いところへ流れるというのが世間一般での通り相場である。欧州連合(EU)を牽引する両輪として多くの加盟国を率いるドイツとフランスを例にとると、昔から政治、経済、軍事面で超一流国家であったフランスの文化が、蛮族が支配する文化的後進国のドイツに流入するというのが一般的な見方だ。しかし双方には意外なほど文化的共通点が見られる。それは文化的後進国ドイツからも文化的先進国のフランスに、別の言い方をすれば蛮族の支配するゲルマニアからローマ文化が浸透したガリアに流入したものもあるということだ。当講義の目的はフランスに見られるゲルマンの痕跡をたどりながら、両国の関係を歴史や文化の観点から明らかにしていくことである。そして両国と深い縁で結ばれた英国の歴史や英語の歴史を交えて三つの国の関係についても論じてきたい。

    授業の一般目標

     ドイツとフランスの国の成り立ちから生活文化まで項目別に比較しながら論じる。明治以来、わが国の近代化のお手本としてきた欧州の二つの先進国を様々な観点から比較しながら、双方の国は文化的にみてどのような関係にあるのか明らかにしていきたい。受講生には言葉の学習だけでは見えてこない両国の歴史的、文化的背景を知るとともに、そこから見えてくる双方の歴史的、文化的共通点そして国民性などを知ることを目指したい。また今では国際共通語として不動の地位を確立した英語がドイツ語やフランス語とどのような関係にあるか、如何にして国際社会をリードする言葉に発展してきたかその概要について知識を深めることを目標としたい。

    準備学習(予習・復習)

     予習復習を合わせて1週あたり150分程度の学習が必要である。ドイツ・フランス両国の文化事情を論じた教科書の該当箇所をあらかじめ授業中に指示するのでその部分を必ず読んでおいてほしい。また英語の成立史についてはプリントを用意し、しかるべき参考書を紹介するので、英語が今日の地位を獲得するに至った過程に思いを巡らせながら読んできてほしい。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標
    1 文化とは 桑形 文化の定義について認識を深める。
    2 ドイツとフランスの成立以前の時代 桑形 ドイツ・フランスが成立する以前の欧州の情勢を知る。
    3 ドイツとフランスの成立後の時代 桑形 ドイツ・フランスが成立した後の欧州の情勢を知る。 
    4 ドイツとフランスの人名と
    地名
    桑形 ドイツとフランスの人名と地名の比較してその共通性を知る。
    5 ドイツ語と英語とフランス語の関係について 桑形 現代の英語が出来上がるまでの過程を歴史的に振り返る。ドイツ語やフランス語との関係を知る。
    6 ドイツとフランスの教育制度 桑形 エリートが組織を引っ張る国の教育制度を知る。
    7 世界を魅了する工業製品や
    ものづくり
    桑形 優れた工芸品や工業製品を生み出す両国のパワーの源を知る。
    8 余暇大国 桑形 世界に誇るドイツやフランスの余暇事情について認識する。
    9 環境意識 桑形 ドイツとフランスにおける環境問題のその今後について認識を深める。
    10 結婚と育児について 桑形 ドイツ人やフランス人の結婚観や育児事情について知る。
    11 ドイツとフランスのメディア 桑形 ドイツやフランスの新聞や雑誌など大衆メディア事情を知る。
    12 ドイツやフランスの食文化 桑形 ドイツ人の食生活、フランス人の食生活の独自性について知る。
    13 アルザス
    桑形 父なるドイツの体に、母なるフランスの心が宿るフランス東部のアルザスの地域事情について知る。
    14 ドイツ・フランス両国関係の今後の課題 桑形 両国が現在抱えるの諸問題とヨーロッパの未来に果たす両国の役割について認識を深める。
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 文化とは
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 文化の定義について認識を深める。

    No.2

    学習項目 ドイツとフランスの成立以前の時代
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツ・フランスが成立する以前の欧州の情勢を知る。

    No.3

    学習項目 ドイツとフランスの成立後の時代
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツ・フランスが成立した後の欧州の情勢を知る。 

    No.4

    学習項目 ドイツとフランスの人名と
    地名
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツとフランスの人名と地名の比較してその共通性を知る。

    No.5

    学習項目 ドイツ語と英語とフランス語の関係について
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 現代の英語が出来上がるまでの過程を歴史的に振り返る。ドイツ語やフランス語との関係を知る。

    No.6

    学習項目 ドイツとフランスの教育制度
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 エリートが組織を引っ張る国の教育制度を知る。

    No.7

    学習項目 世界を魅了する工業製品や
    ものづくり
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 優れた工芸品や工業製品を生み出す両国のパワーの源を知る。

    No.8

    学習項目 余暇大国
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 世界に誇るドイツやフランスの余暇事情について認識する。

    No.9

    学習項目 環境意識
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツとフランスにおける環境問題のその今後について認識を深める。

    No.10

    学習項目 結婚と育児について
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツ人やフランス人の結婚観や育児事情について知る。

    No.11

    学習項目 ドイツとフランスのメディア
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツやフランスの新聞や雑誌など大衆メディア事情を知る。

    No.12

    学習項目 ドイツやフランスの食文化
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 ドイツ人の食生活、フランス人の食生活の独自性について知る。

    No.13

    学習項目 アルザス
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 父なるドイツの体に、母なるフランスの心が宿るフランス東部のアルザスの地域事情について知る。

    No.14

    学習項目 ドイツ・フランス両国関係の今後の課題
    担当教員 桑形
    学生の到達目標 両国が現在抱えるの諸問題とヨーロッパの未来に果たす両国の役割について認識を深める。

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    最新版 ドイツの街角から 髙橋 憲 郁文堂
    もっと知りたいフランス 最新版 斎藤 広信 ベルナール・レウルス 駿河台出版

    成績評価方法・基準

     最終レポートを80%、授業中の課題を20%として評価する。

    評価のフィードバック

    成績評価の講評については、合格発表以後個別に対応する。