• 医薬開発論B

    [Pharmaceutical Medicine & Biostatistics B]

    開講情報
    • 4年次前期

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授木曽 良明

      准教授木村 徹

    備考  

    概要

     薬学は生命や生体機能に関与する物質を主な対象とする学問であり、副作用の少ない効力の優れた医薬品を開発、製造して人類の福祉に貢献することは重要な目的の一つである。
     近年の組換えDNA手法を中心とするバイオテクノロジーの発展は医薬品の世界に最も大きな影響を与え、現在の創薬科学は有機合成化学を中心として生物学から物理学までのあらゆる科学に支援された総合科学になっており、生体機能と物質との関連性を分子レベルで理解することが重要である。
     このような観点から、簡単な有機反応を使って医薬品、生理活性物質、生体分子などの有用な物質が実際に合成されていることを具体的な合成例をあげて示す。さらに医薬品開発における基本的な生化学・生物学のプロセスに基づく合理的アプローチを導入した分子設計についても言及する。

    授業の一般目標

     ドラッグデザインの科学的な考え方を理解するために、標的生体分子との相互作用および基盤となるサイエンスと技術に関する基本的知識を修得する。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 医薬品化学と有機合成 木村 古典的な医薬品開発から理論的な創薬への歴史について説明できる。 C17-(2)-①-1
    2 医薬品化学と生理活性物質:医薬品としての生理活性物質・その合成と活性 木曽 医薬品開発の標的となる代表的な生体分子を列挙できる。
    定量的構造活性相関のパラメーターを列挙し、その薬理活性に及ぼす効果について概説できる。
    C17-(2)-②-1
    C17-(2)-④-1
    3 創薬科学:受容体と医薬品化学 木曽 医薬品と標的生体分子の相互作用を、具体例を挙げて立体化学的観点から説明できる。医薬品の構造とアゴニスト活性、アンタゴニスト活性との関係について具体例を挙げて説明できる。生体高分子と非共有結合的に相互作用しうる官能基を列挙できる。生体高分子と共有結合で相互作用しうる官能基を列挙できる。 C17-(2)-②-2,4
    4 創薬科学:ドラッグデザインと生体内安定性、生体内酵素と医薬品化学 木曽 生物学的等価性(バイオアイソスター)の意義について概説できる。薬物動態を考慮したドラッグデザインについて概説できる。薬としての酵素基質について概説できる。 C17-(2)-④-2,3
    5 医薬品化学:酵素阻害剤と薬 木曽 核酸アナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。ペプチドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。 C6-(2)-④-4,5
    6 医薬品化学:気管支拡張剤(サルブタモール)、β遮断薬、高血圧薬 木曽 カテコールアミンアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。ペプチドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。 C6-(2)-④-1,5
    7 医薬品化学:消化器潰瘍薬(シメチジン)、筋肉弛緩剤 木曽 アセチルコリンアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。 C6-(2)-④-2
    8 医薬品化学:局所抗炎症薬(1) 木村 ステロイドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。立体異性体と生物活性の関係について具体例を挙げて説明できる。 C6-(2)-④-3
    C17-(2)-②-3
    9 医薬品化学:局所抗炎症薬(2) 木村 ステロイドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。定量的構造活性相関のパラメーターを列挙し、その薬理活性に及ぼす効果について概説できる。 C6-(2)-④-3
    C17-(2)-④-1
    10 医薬品化学:ステロイド避妊薬 木村 ステロイドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。薬物動態を考慮したドラッグデザインについて概説できる。 C6-(2)-④-3
    C17-(2)-④-3
    11 医薬品化学:βラクタム系抗生物質(1) 木村 β-ラクタムを持つ医薬品の作用機序を化学的に説明できる。医薬品と標的生体高分子の相互作用を具体例を挙げて、立体化学的観点から説明できる。 C6-(2)-⑤-3
    C17-(2)-②-2
    12 医薬品化学:βラクタム系抗生物質(2) 木村 β-ラクタムを持つ医薬品の作用機序を化学的に説明できる。医薬品と標的生体高分子の相互作用を具体例を挙げて、立体化学的観点から説明できる。 C6-(2)-⑤-3
    C17-(2)-②-2
    13 医薬品化学:鎮痛薬 木村 医薬品の構造とアゴニスト活性、アンタゴニスト活性との関係について具体例を挙げて説明できる。 C17-(2)-②-4

    No.1

    学習項目 医薬品化学と有機合成
    担当教員 木村
    学生の到達目標 古典的な医薬品開発から理論的な創薬への歴史について説明できる。
    SBOコード C17-(2)-①-1

    No.2

    学習項目 医薬品化学と生理活性物質:医薬品としての生理活性物質・その合成と活性
    担当教員 木曽
    学生の到達目標 医薬品開発の標的となる代表的な生体分子を列挙できる。
    定量的構造活性相関のパラメーターを列挙し、その薬理活性に及ぼす効果について概説できる。
    SBOコード C17-(2)-②-1
    C17-(2)-④-1

    No.3

    学習項目 創薬科学:受容体と医薬品化学
    担当教員 木曽
    学生の到達目標 医薬品と標的生体分子の相互作用を、具体例を挙げて立体化学的観点から説明できる。医薬品の構造とアゴニスト活性、アンタゴニスト活性との関係について具体例を挙げて説明できる。生体高分子と非共有結合的に相互作用しうる官能基を列挙できる。生体高分子と共有結合で相互作用しうる官能基を列挙できる。
    SBOコード C17-(2)-②-2,4

    No.4

    学習項目 創薬科学:ドラッグデザインと生体内安定性、生体内酵素と医薬品化学
    担当教員 木曽
    学生の到達目標 生物学的等価性(バイオアイソスター)の意義について概説できる。薬物動態を考慮したドラッグデザインについて概説できる。薬としての酵素基質について概説できる。
    SBOコード C17-(2)-④-2,3

    No.5

    学習項目 医薬品化学:酵素阻害剤と薬
    担当教員 木曽
    学生の到達目標 核酸アナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。ペプチドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。
    SBOコード C6-(2)-④-4,5

    No.6

    学習項目 医薬品化学:気管支拡張剤(サルブタモール)、β遮断薬、高血圧薬
    担当教員 木曽
    学生の到達目標 カテコールアミンアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。ペプチドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。
    SBOコード C6-(2)-④-1,5

    No.7

    学習項目 医薬品化学:消化器潰瘍薬(シメチジン)、筋肉弛緩剤
    担当教員 木曽
    学生の到達目標 アセチルコリンアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。
    SBOコード C6-(2)-④-2

    No.8

    学習項目 医薬品化学:局所抗炎症薬(1)
    担当教員 木村
    学生の到達目標 ステロイドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。立体異性体と生物活性の関係について具体例を挙げて説明できる。
    SBOコード C6-(2)-④-3
    C17-(2)-②-3

    No.9

    学習項目 医薬品化学:局所抗炎症薬(2)
    担当教員 木村
    学生の到達目標 ステロイドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。定量的構造活性相関のパラメーターを列挙し、その薬理活性に及ぼす効果について概説できる。
    SBOコード C6-(2)-④-3
    C17-(2)-④-1

    No.10

    学習項目 医薬品化学:ステロイド避妊薬
    担当教員 木村
    学生の到達目標 ステロイドアナログの医薬品を列挙し、それらの化学構造を比較できる。薬物動態を考慮したドラッグデザインについて概説できる。
    SBOコード C6-(2)-④-3
    C17-(2)-④-3

    No.11

    学習項目 医薬品化学:βラクタム系抗生物質(1)
    担当教員 木村
    学生の到達目標 β-ラクタムを持つ医薬品の作用機序を化学的に説明できる。医薬品と標的生体高分子の相互作用を具体例を挙げて、立体化学的観点から説明できる。
    SBOコード C6-(2)-⑤-3
    C17-(2)-②-2

    No.12

    学習項目 医薬品化学:βラクタム系抗生物質(2)
    担当教員 木村
    学生の到達目標 β-ラクタムを持つ医薬品の作用機序を化学的に説明できる。医薬品と標的生体高分子の相互作用を具体例を挙げて、立体化学的観点から説明できる。
    SBOコード C6-(2)-⑤-3
    C17-(2)-②-2

    No.13

    学習項目 医薬品化学:鎮痛薬
    担当教員 木村
    学生の到達目標 医薬品の構造とアゴニスト活性、アンタゴニスト活性との関係について具体例を挙げて説明できる。
    SBOコード C17-(2)-②-4

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    メディシナルケミストリー ロバート、プライス 廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    創薬化学 長野哲雄ほか 東京化学同人

    成績評価方法・基準

     定期試験で評価する。(出席、レポートを考慮する時がある)

    オフィスアワーなど担当教員に対する質問等の方法

     質問はなるべく授業の中で行うこと。E-mailアドレス:kiso@mb.kyoto-phu.ac.jp(木曽教授)、tkimura@mb.kyoto-phu.ac.jp(木村准教授)