• 感染症治療学

    [Antimicrobial Chemotherapeutics]

    開講情報
    • 3年次前期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授村木 優一

      教授小田 真隆

      教授藤室 雅弘

    備考  

    概要

     感染症は各診療科に共通した重要な疾患であり、治療の適否は人命を左右する場合もある。感染症の予防と治療には、主としてワクチンや抗微生物薬が使用され、大きな臨床効果をもたらしてきた。しかし、抗微生物薬の乱用・繁用により、それらに対して耐性を示す微生物の出現が世界的な問題となっている。本講義では、感染症の治療や予防に必要な抗微生物薬やワクチンを中心に解説する。さらに、抗菌薬適正使用に向けた試みに関しても概説する。
    ・この授業は対面授業と同時配信型授業で構成する。学生の皆さんには隔週で対面授業を7回、同時配信型授業を7回受講してもらう。
    ・状況によりオンデマンド配信する可能性がある。

    授業の一般目標

     感染症の治療や予防に使用するワクチンや抗微生物薬の種類や作用メカニズム、使用法、さらには耐性微生物の耐性化機構を理解し、説明できることを目標とする。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2・DP3・DP4

    準備学習(予習・復習)

     講義では教科書やスライドを用いて重要ポイントを明示するので、復習中心の学習を心掛けること。予習復習を合わせて1週あたり150分程度の学修が必要である。内容については、その都度指示する。
     予習は教科書を読み、不明点を明らかにしておくこと。復習にはオンデマンド配信を活用し、不明点は担当教員にメールや講義後に質問すること。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 抗微生物薬概説 小田 抗微生物化学療法の歴史を知り、現代の治療はどうあるべきか、また感染症治療で重要な概念について説明できる E2-(7)-①-1
    E2-(7)-③-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10
    2 抗菌薬の基本構造と作用メカニズム 小田 抗菌薬のグループと基本構造、作用メカニズムを説明できる C5-(2)-②-2
    E2-(7)-①-1
    E2-(7)-⑩-1
    3 抗菌薬と感染症治療#1 村木 β-ラクタム系薬、グリコペプチド系薬、ホスホマイシン、ペプチド系薬の種類・特徴・適応を説明できる E2-(7)-①-1
    4 抗菌薬と感染症治療#2 村木 アミノグリコシド系薬、マクロライド系薬、リンコマイシン系薬、テトラサイクリン系薬、クロラムフェニコールなどの種類・特徴・適応を説明できる E2-(7)-①-1
    5 抗菌薬と感染症治療#3 村木 オキサノリジノン、ムピロシン、キノロン系薬の種類・特徴・適応を説明できる E2-(7)-①-1
    6 抗菌薬と感染症治療#4 村木 サルファ薬、トリメトプリム、抗結核薬、抗ハンセン病薬の種類・特徴・適応を説明できる E2-(7)-①-1
    7 抗菌薬耐性菌と抗菌薬適正使用#1 村木 抗菌薬耐性菌の出現と拡散を説明できる E2-(7)-②-1
    8 抗菌薬耐性菌と抗菌薬適正使用#2 村木 臨床上問題となる抗菌薬耐性菌を説明できる E2-(7)-②-1
    9 抗菌薬耐性菌と抗菌薬適正使用#3 村木 1) 抗菌薬の選択に必要なブレイクポイントMIC、殺菌性、静菌性、PAE効果、PK/PDを説明できる2) 抗微生物薬の副作用と相互作用を説明できる E4-(1)-②-4
    E4-(2)-①-6
    10 抗ウイルス薬と感染症治療#1 藤室 重要なウイルス薬(抗ヘルペスウイルス薬、抗インフルエンザウイルス薬)の種類・特徴・作用メカニズム・適応を説明できる E2-(7)-④-1,2,3
    11 抗ウイルス薬と感染症治療#2 藤室 重要なウイルス薬(抗HIV薬、抗肝炎ウイルス薬)の種類・特徴・作用メカニズム・適応ならびに抗ウイルス薬の併用療法を説明できる E2-(7)-④-4,5,6
    12 抗真菌薬と感染症治療 村木 抗真菌薬の種類・特徴・作用メカニズム・適応を説明できる E2-(7)-⑤-1,2
    E2-(6)-③-2
    13 抗寄生虫薬と感染症治療に使用される生物学的製剤 村木 1) 抗寄生虫薬、抗原虫薬の種類と適応を説明できる
    2) 抗体製剤や血液製剤などの種類を説明できる
    E2-(7)-⑥-1,2
    14 感染症治療症例 村木 ☆実際の感染症治療症例をもとに感染症治療における抗菌薬の選択・使用を説明できる
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 抗微生物薬概説
    担当教員 小田
    学生の到達目標 抗微生物化学療法の歴史を知り、現代の治療はどうあるべきか、また感染症治療で重要な概念について説明できる
    SBOコード E2-(7)-①-1
    E2-(7)-③-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10

    No.2

    学習項目 抗菌薬の基本構造と作用メカニズム
    担当教員 小田
    学生の到達目標 抗菌薬のグループと基本構造、作用メカニズムを説明できる
    SBOコード C5-(2)-②-2
    E2-(7)-①-1
    E2-(7)-⑩-1

    No.3

    学習項目 抗菌薬と感染症治療#1
    担当教員 村木
    学生の到達目標 β-ラクタム系薬、グリコペプチド系薬、ホスホマイシン、ペプチド系薬の種類・特徴・適応を説明できる
    SBOコード E2-(7)-①-1

    No.4

    学習項目 抗菌薬と感染症治療#2
    担当教員 村木
    学生の到達目標 アミノグリコシド系薬、マクロライド系薬、リンコマイシン系薬、テトラサイクリン系薬、クロラムフェニコールなどの種類・特徴・適応を説明できる
    SBOコード E2-(7)-①-1

    No.5

    学習項目 抗菌薬と感染症治療#3
    担当教員 村木
    学生の到達目標 オキサノリジノン、ムピロシン、キノロン系薬の種類・特徴・適応を説明できる
    SBOコード E2-(7)-①-1

    No.6

    学習項目 抗菌薬と感染症治療#4
    担当教員 村木
    学生の到達目標 サルファ薬、トリメトプリム、抗結核薬、抗ハンセン病薬の種類・特徴・適応を説明できる
    SBOコード E2-(7)-①-1

    No.7

    学習項目 抗菌薬耐性菌と抗菌薬適正使用#1
    担当教員 村木
    学生の到達目標 抗菌薬耐性菌の出現と拡散を説明できる
    SBOコード E2-(7)-②-1

    No.8

    学習項目 抗菌薬耐性菌と抗菌薬適正使用#2
    担当教員 村木
    学生の到達目標 臨床上問題となる抗菌薬耐性菌を説明できる
    SBOコード E2-(7)-②-1

    No.9

    学習項目 抗菌薬耐性菌と抗菌薬適正使用#3
    担当教員 村木
    学生の到達目標 1) 抗菌薬の選択に必要なブレイクポイントMIC、殺菌性、静菌性、PAE効果、PK/PDを説明できる2) 抗微生物薬の副作用と相互作用を説明できる
    SBOコード E4-(1)-②-4
    E4-(2)-①-6

    No.10

    学習項目 抗ウイルス薬と感染症治療#1
    担当教員 藤室
    学生の到達目標 重要なウイルス薬(抗ヘルペスウイルス薬、抗インフルエンザウイルス薬)の種類・特徴・作用メカニズム・適応を説明できる
    SBOコード E2-(7)-④-1,2,3

    No.11

    学習項目 抗ウイルス薬と感染症治療#2
    担当教員 藤室
    学生の到達目標 重要なウイルス薬(抗HIV薬、抗肝炎ウイルス薬)の種類・特徴・作用メカニズム・適応ならびに抗ウイルス薬の併用療法を説明できる
    SBOコード E2-(7)-④-4,5,6

    No.12

    学習項目 抗真菌薬と感染症治療
    担当教員 村木
    学生の到達目標 抗真菌薬の種類・特徴・作用メカニズム・適応を説明できる
    SBOコード E2-(7)-⑤-1,2
    E2-(6)-③-2

    No.13

    学習項目 抗寄生虫薬と感染症治療に使用される生物学的製剤
    担当教員 村木
    学生の到達目標 1) 抗寄生虫薬、抗原虫薬の種類と適応を説明できる
    2) 抗体製剤や血液製剤などの種類を説明できる
    SBOコード E2-(7)-⑥-1,2

    No.14

    学習項目 感染症治療症例
    担当教員 村木
    学生の到達目標 ☆実際の感染症治療症例をもとに感染症治療における抗菌薬の選択・使用を説明できる
    SBOコード

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    実務経験

    村木 優一
    業種:病院

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    1-14 国立大学病院で16年勤務し、薬剤部では各部署の主任、副薬剤部長を経験しました。担当病棟は肝胆膵移植外科を中心に様々な病棟を経験してきました。感染症の専門・認定薬剤師、医療薬学会の指導薬剤師も取得し、臨床研究を行ってきました。多種多様な経験を活かして、医療現場における薬剤師がどうあるべきか、今何を学ぶ必要があるのか考える機会を与えます。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    薬学領域の病原微生物学・感染症学・化学療法学(第4版) 増澤俊幸、河村好章 ほか 廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    戸田細菌学 第34版 吉田真一 ほか 南山堂
    薬がみえる vol.3 岡庭豊 ほか Medic Media

    成績評価方法・基準

     定期試験(100%)の成績を基準に評価する。

    評価のフィードバック

     講評は、合格発表日にmanaba等にて公開する。