• がん化学療法学

    [Cancer Chemotherapy]

    開講情報
    • 4年次前期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 准教授中田 晋

      講師中村 暢彦

      助教飯居 宏美

    備考  

    概要

     わが国において、悪性新生物は死亡原因の第1位を占めており、国民病ともいうべきがんに対する対策が急務である。近年の医学の進歩により、がん治療薬はさらに高度化・多様化しており、また特有かつ重篤な副作用を引き起こす場合があることから、がん化学療法学の基本的な知識を身につけることは、薬剤師として薬物治療にかかわる場合に必須である。本科目では、悪性腫瘍の病態生理とその薬物治療法について理解するために必要な基本的な知識を学ぶ。さらに、近年次々に開発されている新しいタイプの治療薬剤である分子標的治療薬についても、代表的な薬剤の作用機序や副作用などを概説する。
    この授業は対面授業と同時配信型授業で構成する。学生の皆さんには隔週で対面授業を7回、同時配信型授業を7回受講してもらう。

    授業の一般目標

     がん治療に携わるために必要ながんの病態・がん治療薬学・疼痛ケアに関する基本的知識を修得する。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2・DP4

    準備学習(予習・復習)

     事前に悪性腫瘍の病態生理、症状、治療薬について復習しておくこと。受講後は講義プリント、教科書や参考書の他、がん化学療法に関わる書籍を読み返し知識を深めること。予習復習を合わせて1週あたり150分程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 序論 中田晋 組織型分類および病期分類、悪性腫瘍のリスクおよび予防要因について概説できる。 E1-(3)-1
    E1-(3)-2
    E2-(7)-⑦-2
    2 がんの分子生物学 飯居 悪性腫瘍の病態生理、症状、治療について概説できる。
    E2-(7)-⑦-1
    E2-(7)-⑦-3
    3 腫瘍マーカー 飯居 悪性腫瘍の検査(細胞診、組織診、画像診断、腫瘍マーカー(腫瘍関連の変異遺伝子、遺伝子産物を含む))について概説できる。
    E2-(7)-⑦-2 
    4 抗がん薬の薬理学1 中田晋 代表的なアルキル化薬を列挙し、作用機序を説明できる。
    代表的な代謝拮抗薬を列挙し、作用機序を説明できる。
    代表的な抗悪性腫瘍薬の基本構造を示すことができる。
    主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    E2-(7)-⑧-1
    E2-(7)-⑧-4
    E2-(7)-⑧-5
    E2-(7)-⑧-6
    E1-(4)-1
    5 抗がん薬の薬理学2 中田晋 代表的な抗腫瘍抗生物質を列挙し、作用機序を説明できる。
    抗腫瘍薬として用いられる代表的な植物アルカロイドを列挙し、作用機序を説明できる。
    代表的な白金錯体を挙げ、作用機序を説明できる。
    主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    E2-(7)-⑧-1
    E2-(7)-⑧-7
    E2-(7)-⑧-10
    E1-(4)-1
    6 分子標的治療薬の薬理学 中田晋 代表的な分子標的治療薬を列挙できる。
    主要な分子標的治療薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    E2-(7)-⑧-1
    E3-(3)-①-3
    E3-(3)-⑤-1
    E3-(3)-⑤-2
    7 分子標的治療薬及びがん免疫療法の薬理学 中田晋 代表的な分子標的治療薬及び免疫治療薬を列挙できる。
    主要な分子標的治療薬及び免疫治療薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    E2-(7)-⑧-1
    E3-(3)-①-3
    E3-(3)-⑤-1
    E3-(3)-⑤-2
    8 分子標的治療薬及び化学療法が著効する悪性腫瘍 中田晋 分子標的治療薬を含む化学療法薬が有効な悪性腫瘍を、治療例を挙げて説明できる。
    E2-(7)-⑧-12

    9 ホルモン療法 中田晋 抗腫瘍薬として用いられる代表的なホルモン関連薬を列挙し、作用機序を説明できる。 E2-(7)-⑧-11
    E2-(7)-⑧-12
    E2-(7)-⑧-13
    10 副作用対策と支持療法 中村暢 副作用軽減のための対処法を説明できる。 E1-(4)-2
    E1-(4)-3
    E2-(7)-⑧-3
    E3-(3)-②-2
    11 緩和医療 中村暢 癌性疼痛に対して使用される薬物を列挙し、使用上の注意について説明できる。
    E2-(7)-⑨-1
    E2-(7)-⑨-2
    12 薬剤耐性 中田晋 主要な抗悪性腫瘍薬に対する耐性獲得機構を説明できる。 E2-(7)-⑧-2
    13 転移がんの治療 中田晋 悪性腫瘍の病態生理、症状、治療について概説できる。
    転移がんの治療に用いられる主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    E2-(7)-⑧-8
    E2-(7)-⑧-9
    14 総括・症例から考える 中田晋 薬物治療の効果について、患者の症状や検査所見などから評価できる。 F-(1)-③-12
    F-(3)-③-8
    F-(3)-④-8
    F-(3)-④-9
    F-(3)-④-10
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 序論
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 組織型分類および病期分類、悪性腫瘍のリスクおよび予防要因について概説できる。
    SBOコード E1-(3)-1
    E1-(3)-2
    E2-(7)-⑦-2

    No.2

    学習項目 がんの分子生物学
    担当教員 飯居
    学生の到達目標 悪性腫瘍の病態生理、症状、治療について概説できる。
    SBOコード E2-(7)-⑦-1
    E2-(7)-⑦-3

    No.3

    学習項目 腫瘍マーカー
    担当教員 飯居
    学生の到達目標 悪性腫瘍の検査(細胞診、組織診、画像診断、腫瘍マーカー(腫瘍関連の変異遺伝子、遺伝子産物を含む))について概説できる。
    SBOコード E2-(7)-⑦-2 

    No.4

    学習項目 抗がん薬の薬理学1
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 代表的なアルキル化薬を列挙し、作用機序を説明できる。
    代表的な代謝拮抗薬を列挙し、作用機序を説明できる。
    代表的な抗悪性腫瘍薬の基本構造を示すことができる。
    主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-1
    E2-(7)-⑧-4
    E2-(7)-⑧-5
    E2-(7)-⑧-6
    E1-(4)-1

    No.5

    学習項目 抗がん薬の薬理学2
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 代表的な抗腫瘍抗生物質を列挙し、作用機序を説明できる。
    抗腫瘍薬として用いられる代表的な植物アルカロイドを列挙し、作用機序を説明できる。
    代表的な白金錯体を挙げ、作用機序を説明できる。
    主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-1
    E2-(7)-⑧-7
    E2-(7)-⑧-10
    E1-(4)-1

    No.6

    学習項目 分子標的治療薬の薬理学
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 代表的な分子標的治療薬を列挙できる。
    主要な分子標的治療薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-1
    E3-(3)-①-3
    E3-(3)-⑤-1
    E3-(3)-⑤-2

    No.7

    学習項目 分子標的治療薬及びがん免疫療法の薬理学
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 代表的な分子標的治療薬及び免疫治療薬を列挙できる。
    主要な分子標的治療薬及び免疫治療薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-1
    E3-(3)-①-3
    E3-(3)-⑤-1
    E3-(3)-⑤-2

    No.8

    学習項目 分子標的治療薬及び化学療法が著効する悪性腫瘍
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 分子標的治療薬を含む化学療法薬が有効な悪性腫瘍を、治療例を挙げて説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-12

    No.9

    学習項目 ホルモン療法
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 抗腫瘍薬として用いられる代表的なホルモン関連薬を列挙し、作用機序を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-11
    E2-(7)-⑧-12
    E2-(7)-⑧-13

    No.10

    学習項目 副作用対策と支持療法
    担当教員 中村暢
    学生の到達目標 副作用軽減のための対処法を説明できる。
    SBOコード E1-(4)-2
    E1-(4)-3
    E2-(7)-⑧-3
    E3-(3)-②-2

    No.11

    学習項目 緩和医療
    担当教員 中村暢
    学生の到達目標 癌性疼痛に対して使用される薬物を列挙し、使用上の注意について説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑨-1
    E2-(7)-⑨-2

    No.12

    学習項目 薬剤耐性
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 主要な抗悪性腫瘍薬に対する耐性獲得機構を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-2

    No.13

    学習項目 転移がんの治療
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 悪性腫瘍の病態生理、症状、治療について概説できる。
    転移がんの治療に用いられる主要な抗悪性腫瘍薬の主な副作用を列挙し、その症状を説明できる。
    SBOコード E2-(7)-⑧-8
    E2-(7)-⑧-9

    No.14

    学習項目 総括・症例から考える
    担当教員 中田晋
    学生の到達目標 薬物治療の効果について、患者の症状や検査所見などから評価できる。
    SBOコード F-(1)-③-12
    F-(3)-③-8
    F-(3)-④-8
    F-(3)-④-9
    F-(3)-④-10

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    実務経験

    中田 晋
    業種:病院

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    1,4,5,6,7,8,9,12,13, 14 医師としての病院勤務臨床経験を生かし、臨床実地において薬学的に重要な解剖学的事項ならびに悪性腫瘍薬物療法学の発展に貢献する薬剤師を育成する教育を行う。

    中村 暢彦
    業種:病院

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    10,11 がん指導薬剤師。病院薬剤師の経験を生かして、がん薬物療法に関する必要な基礎的知識及び基本的な考えについて教育を行う。また、がん薬物療法に関する国内外の動向についても触れる。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    がん薬物治療学 悪性腫瘍,薬物治療の理論と実践 山田 安彦 編著 京都廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    新臨床腫瘍学 日本臨床腫瘍学会(編集) 南江堂

    成績評価方法・基準

     定期試験(100%)の成績により評価する。

    評価のフィードバック

     講評は合格発表時に掲示する。