• DDS概論

    [Introduction of Drug Delivery System]

    開講情報
    • 6年次前期

      講義

      1単位選択

    担当教員
    • 教授山本 昌

      教授斎藤 博幸

      准教授勝見 英正

      助教扇田 隆司

    備考  

    概要

     最近、drug delivery system (DDS) の手法を用いて、様々な薬物の投与の最適化が行われている。本講義の前半では、生体膜を介した薬物の輸送機構を理解するために、生体膜の構造形成と動的性質、受動輸送や能動輸送など、生物物理化学的な基本原理について解説する。とともに、生体膜を介した薬物輸送機構の例として、高分子薬物の細胞内動態についても紹介する。一方、本講義の後半では、DDS研究の中心課題である薬物の消化管・経粘膜吸収性の改善、薬物の放出制御ならびに薬物の標的指向化に関する最新の知見について解説する。なお、この講義は全て対面授業で構成する。

    授業の一般目標

     本講義の前半では、薬物の生体内動態の基礎となる生体膜を介した薬物の輸送機構について解説し、これらについて理解することを目標とする。また、こうした基礎的な講義を踏まえて、本講義の後半では、最近、生物薬剤学分野で注目されているDDSについて最新の知見を含めて紹介し、これらDDS研究について理解することを目標とする。

    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2・DP4

    準備学習(予習・復習)

     本講義は、物理化学A、物理化学B、薬剤学A(生物薬剤学、DDS)、薬剤学B(物理薬剤学、製剤学)の発展的な内容であるため、これらの授業内容をあらかじめ予習してから受講すること。また、受講後は、用いたスライドデータ及びプリントなどの内容について復習すること。予習復習を合わせて1週あたり3.5時間程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標
    1 生体膜の構造形成と動的性質 斎藤 ☆生体膜の構造形成や動的性質について理解する。
    2 膜透過(1)物質の拡散と膜透過 斎藤 ☆薬物の生体膜輸送の基本原理としての物質の拡散と膜透過について理解する。
    3 膜透過(2)受動輸送と能動輸送 扇田 ☆生体膜を介した薬物の受動輸送と能動輸送について理解する。
    4 リポタンパク質代謝系による輸送機構 斎藤 ☆リポタンパク質代謝系による薬物輸送機構について理解する。
    5 各種添加物を用いた難吸収性薬物の消化管吸収性の改善 山本 ☆各種吸収促進剤を用いた難吸収性薬物の消化管吸収改善方法について理解する。
    6 化学修飾を用いた難吸収性薬物の消化管吸収性の改善 山本 ☆脂肪酸・オリゴアルギニン修飾を用いた難吸収性薬物の消化管吸収改善方法について理解する。
    7 剤形修飾を用いた難吸収性薬物の消化管・経粘膜吸収性の改善 山本 ☆キトサンカプセル及びマイクロニードルを用いた難吸収性薬物の消化管・経粘膜吸収改善方法について理解する。
    8 各種薬物キャリアを用いた薬物の標的指向化 勝見 ☆化学修飾及び微粒子性キャリアを用いた薬物の標的指向化について理解する。

    No.1

    学習項目 生体膜の構造形成と動的性質
    担当教員 斎藤
    学生の到達目標 ☆生体膜の構造形成や動的性質について理解する。

    No.2

    学習項目 膜透過(1)物質の拡散と膜透過
    担当教員 斎藤
    学生の到達目標 ☆薬物の生体膜輸送の基本原理としての物質の拡散と膜透過について理解する。

    No.3

    学習項目 膜透過(2)受動輸送と能動輸送
    担当教員 扇田
    学生の到達目標 ☆生体膜を介した薬物の受動輸送と能動輸送について理解する。

    No.4

    学習項目 リポタンパク質代謝系による輸送機構
    担当教員 斎藤
    学生の到達目標 ☆リポタンパク質代謝系による薬物輸送機構について理解する。

    No.5

    学習項目 各種添加物を用いた難吸収性薬物の消化管吸収性の改善
    担当教員 山本
    学生の到達目標 ☆各種吸収促進剤を用いた難吸収性薬物の消化管吸収改善方法について理解する。

    No.6

    学習項目 化学修飾を用いた難吸収性薬物の消化管吸収性の改善
    担当教員 山本
    学生の到達目標 ☆脂肪酸・オリゴアルギニン修飾を用いた難吸収性薬物の消化管吸収改善方法について理解する。

    No.7

    学習項目 剤形修飾を用いた難吸収性薬物の消化管・経粘膜吸収性の改善
    担当教員 山本
    学生の到達目標 ☆キトサンカプセル及びマイクロニードルを用いた難吸収性薬物の消化管・経粘膜吸収改善方法について理解する。

    No.8

    学習項目 各種薬物キャリアを用いた薬物の標的指向化
    担当教員 勝見
    学生の到達目標 ☆化学修飾及び微粒子性キャリアを用いた薬物の標的指向化について理解する。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    スライドやプリント配布により講義を行う。

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    生体膜の分子機構 梅田真郷 化学同人
    モデル生物薬剤学 山本 昌 京都廣川書店

    成績評価方法・基準

     筆記試験の成績(100%)で評価する。

    評価のフィードバック

     成績評価の講評については、合格発表以降個別に対応する。