[Clinical Pharmacy B]
開講情報 |
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担当教員 |
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備考 |
薬剤管理指導業務は、薬歴管理や服薬指導などをおこなうことで患者の薬物療法への認識を向上させ、また医師や他の医療スタッフと協働することで適切な薬物療法に取り組む業務である。この薬剤管理指導業務において、薬剤師には「患者への包括的な薬学的ケア」、「薬物療法上の問題点の発見と対処法の立案」、「薬学的根拠に基づいた処方設計支援」などの専門的な役割が要求される。そのためには薬歴管理や服薬指導から個々の問題点を発見し、科学的・客観的な観点から問題を解決できる能力が必要である。本講では、代表的な疾患の症例を通して、臨床検査値などの客観的データや患者の訴えによる病態の変化の読み取り方、医師の処方意図を理解した上での問題発見・解決方法について講述する。また、この授業は対面授業と同時配信型授業で構成する。学生の皆さんには隔週で対面授業を7回、同時配信型授業を7回受講してもらう。
代表的な疾患の症例を通して医療チームの一員として薬剤師が果たすべき役割について学び、薬剤管理指導業務に必要な基本的知識、技能、態度を修得する。
[関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP4
次回の学習項目について教科書を読み、症例を検討するうえで必要な基本的知識を身につけておくこと。また講義で配付された資料や板書を中心に薬剤管理指導業務に必要な基本的知識の復習をするだけでなく、医療現場での薬剤師の役割について常に自ら考えていくこと。 予習と復習には一週あたり150分の学習が必要である。
No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 | SBOコード |
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1 | 薬剤管理指導業務~消化器疾患(肝炎) | 中村暢 | 肝炎の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
2 | 薬剤管理指導業務~がん(大腸がん、非小細胞肺がん) | 中村暢 | 大腸がん及び非小細胞肺がんの原因や症状について理解し、殺細胞性抗がん剤や分子標的治療薬の種類や用法・用量、投与計画を説明できる。薬剤管理指導に必要な患者背景や情報を把握できる。 | A-(2)-③-3 F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
3 | 薬剤管理指導業務~緩和医療(1)がん疼痛 | 松村 | がん疼痛の原因や症状について説明できる。 鎮痛薬の種類や用法・用量、投与計画、必要な患者背景や情報を理解し、服薬指導上の注意点が説明できる。緩和ケアチームにおける薬剤師の役割と重要性を説明できる。 |
F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
4 | 薬剤管理指導業務~緩和医療(2)終末期ケア、看取り | 松村 | 終末期ケアや看取りの意味について説明できる。 終末期患者に寄り添うために必要な患者背景や情報を把握できる。患者の基本的権利や自己決定権について説明できる。 |
F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
5 | 薬剤管理指導業務~呼吸器疾患(気管支喘息) | 松村 | 気管支喘息の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画および副作用への対応を討議する。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。吸入指導について説明できる。 |
F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
6 | 薬剤管理指導業務~循環器疾患(1)高血圧症 | 豕瀬 | 高血圧の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
7 | 薬剤管理指導業務~循環器疾患(2)心不全 | 豕瀬 | 心不全の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画を説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
8 | 薬剤管理指導業務~循環器疾患(3)心房細動、脳血管障害 | 今西 | 心房細動の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画を説明できる。さらに、心房細動から誘発する脳血管障害(脳梗塞)についても同様に説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
9 | 薬剤管理指導業務~救急医療 | 今西 | 医療の担い手として、生涯にわたって自ら学習する大切さを認識する。救急医療に必要な患者情報源を列挙し説明できる。病態に適した医薬品の用法・用量、治療計画について説明できる。救急医療における薬剤師の役割を説明できる。 |
A-(5)-③-1 F-(1)-③-9 F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
10 | 薬剤管理指導業務~認知症 | 今西 | 様々な認知症について理解し、その概要や薬物療法における用法・用量、治療計画を説明できる。また、薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。認知症患者への薬剤師の役割や関わり方について理解する。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
11 | 薬剤管理指導業務~内分泌疾患(糖尿病) | 河野修 | 糖尿病の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。糖尿病チームにおける薬剤師の役割と重要性を説明できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
12 | 薬剤管理指導業務~慢性腎不全 | 村木 | 慢性腎不全の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
13 | 薬剤管理指導業務~感染症 | 村木 | 感染症の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。感染制御チームにおける薬剤師の役割と重要性を説明できる。 | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
14 | 薬剤管理指導業務~SGD | 村木 中村暢 今西 松村 豕瀬 |
代表的な疾患の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画および副作用への対応を討議する。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
E2-(11)-①-1,2,3 F-(3)-④-1,3 F-(4)-①-1,2 |
15 | 総括・まとめ |
No.1
学習項目 | 薬剤管理指導業務~消化器疾患(肝炎) |
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担当教員 | 中村暢 |
学生の到達目標 | 肝炎の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.2
学習項目 | 薬剤管理指導業務~がん(大腸がん、非小細胞肺がん) |
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担当教員 | 中村暢 |
学生の到達目標 | 大腸がん及び非小細胞肺がんの原因や症状について理解し、殺細胞性抗がん剤や分子標的治療薬の種類や用法・用量、投与計画を説明できる。薬剤管理指導に必要な患者背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | A-(2)-③-3 F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.3
学習項目 | 薬剤管理指導業務~緩和医療(1)がん疼痛 |
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担当教員 | 松村 |
学生の到達目標 | がん疼痛の原因や症状について説明できる。 鎮痛薬の種類や用法・用量、投与計画、必要な患者背景や情報を理解し、服薬指導上の注意点が説明できる。緩和ケアチームにおける薬剤師の役割と重要性を説明できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.4
学習項目 | 薬剤管理指導業務~緩和医療(2)終末期ケア、看取り |
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担当教員 | 松村 |
学生の到達目標 | 終末期ケアや看取りの意味について説明できる。 終末期患者に寄り添うために必要な患者背景や情報を把握できる。患者の基本的権利や自己決定権について説明できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.5
学習項目 | 薬剤管理指導業務~呼吸器疾患(気管支喘息) |
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担当教員 | 松村 |
学生の到達目標 | 気管支喘息の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画および副作用への対応を討議する。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。吸入指導について説明できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.6
学習項目 | 薬剤管理指導業務~循環器疾患(1)高血圧症 |
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担当教員 | 豕瀬 |
学生の到達目標 | 高血圧の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.7
学習項目 | 薬剤管理指導業務~循環器疾患(2)心不全 |
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担当教員 | 豕瀬 |
学生の到達目標 | 心不全の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画を説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.8
学習項目 | 薬剤管理指導業務~循環器疾患(3)心房細動、脳血管障害 |
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担当教員 | 今西 |
学生の到達目標 | 心房細動の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画を説明できる。さらに、心房細動から誘発する脳血管障害(脳梗塞)についても同様に説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.9
学習項目 | 薬剤管理指導業務~救急医療 |
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担当教員 | 今西 |
学生の到達目標 | 医療の担い手として、生涯にわたって自ら学習する大切さを認識する。救急医療に必要な患者情報源を列挙し説明できる。病態に適した医薬品の用法・用量、治療計画について説明できる。救急医療における薬剤師の役割を説明できる。 |
SBOコード | A-(5)-③-1 F-(1)-③-9 F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.10
学習項目 | 薬剤管理指導業務~認知症 |
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担当教員 | 今西 |
学生の到達目標 | 様々な認知症について理解し、その概要や薬物療法における用法・用量、治療計画を説明できる。また、薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。認知症患者への薬剤師の役割や関わり方について理解する。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.11
学習項目 | 薬剤管理指導業務~内分泌疾患(糖尿病) |
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担当教員 | 河野修 |
学生の到達目標 | 糖尿病の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。糖尿病チームにおける薬剤師の役割と重要性を説明できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.12
学習項目 | 薬剤管理指導業務~慢性腎不全 |
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担当教員 | 村木 |
学生の到達目標 | 慢性腎不全の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画、生活習慣の改善について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.13
学習項目 | 薬剤管理指導業務~感染症 |
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担当教員 | 村木 |
学生の到達目標 | 感染症の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量・治療計画について説明できる。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。感染制御チームにおける薬剤師の役割と重要性を説明できる。 |
SBOコード | F-(3)-④-1 F-(4)-①-1,2 |
No.14
学習項目 | 薬剤管理指導業務~SGD |
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担当教員 | 村木 中村暢 今西 松村 豕瀬 |
学生の到達目標 | 代表的な疾患の原因や症状について理解し、薬物療法における用法・用量、治療計画および副作用への対応を討議する。薬剤管理指導に必要な患者の背景や情報を把握できる。 |
SBOコード | E2-(11)-①-1,2,3 F-(3)-④-1,3 F-(4)-①-1,2 |
No.15
学習項目 | 総括・まとめ |
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担当教員 | |
学生の到達目標 | |
SBOコード |
村木優一
業種:病院
学習項目No. | その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。 |
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12、13、14 | 国立大学病院で16年勤務し、薬剤部では各部署の主任、副薬剤部長を経験しました。担当病棟は肝胆膵移植外科を中心に様々な病棟を経験してきました。感染症の専門・認定薬剤師、医療薬学会の指導薬剤師も取得し、臨床研究を行ってきました。多種多様な経験を活かして、医療現場における薬剤師がどうあるべきか、今何を学ぶ必要があるのか考える機会を与えます。 |
今西孝至
業種:その他(病院・保険薬局)
学習項目No. | その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。 |
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8~10、14 | 病院薬剤師・薬局薬剤師(計10年間)として医療現場で従事していたので、この経験をもとに、これから必要とされる薬剤師(“ヒトを診る”ことができる薬剤師)の役割について症例を通して具体的に説明する。また、救急医療の項目では救急救命士としての視点も交えて講義を行う。 |
中村暢彦
業種:病院
学習項目No. | その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。 |
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1、2、14 | がん指導薬剤師。病院薬剤師の経験を生かして、医療薬学に関する必要な基礎的知識及び基本的な考えについて教育を行う。 |
松村千佳子
業種:病院
学習項目No. | その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。 |
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3~5、14 | 約20年間の病院薬剤師、現在は臨床研究員として週に1回病院に従事している。病院薬剤師の実務経験をもとに薬学的管理指導に関する知識を説明する。また、多職種連携や患者およびその家族への薬学的支援のあり方についても触れる。 |
豕瀬 諒
業種:病院
学習項目No. | その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。 |
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6、7、14 | 6年制薬学部を卒業し、公立大学病院で5年半勤務しました。呼吸器内科、消化器外科、血液内科などの病棟を担当し、主にがん診療に携わってきました。医療薬学会の指導薬剤師、がん専門薬剤師の資格を取得しています。また、有害事象自発報告データベースを用いた研究や臨床研究についても取り組んできました。これらの経験を生かして、臨床現場における医薬品の適正使用に対する薬剤師の関わりについて伝えます。 |
河野修治
業種:病院
学習項目No. | その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。 |
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11 | 現在、病院薬剤師として臨床の現場で薬剤師業務に従事している。 その経験をもとに、最新の情報や薬剤師としての考え方を交えながら各項目について説明する。 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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医療薬学(第6版) | 乾 賢一 編 | 廣川書店 |
シナリオ症例解析(第2版) | 髙山 明 編 | 京都廣川書店 |
定期試験による講義内容についての知識の理解度(90%)、およびSGDを通して考えた薬物治療計画の論述(10%)により総合的に評価する。
合格発表日以降、manaba上に公開する。