[Foreign Literature B]
開講情報 |
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担当教員 |
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備考 |
100年以上前のイギリスで誕生したシャーロック・ホームズシリーズは、現在も世界中で読み継がれている。根強い人気の理由は、登場人物の巧みな造形やストーリーの面白さなど多々あるだろうが、舞台となった大英帝国爛熟期から衰退期(19世紀後半~20世紀初頭)という時代の特殊性が、作品に独特の魅力を与えていることも忘れてはならない。本講義では、シャーロック・ホームズの物語をいくつか取り上げながら、作品分析を行うとともに、物語にあらわれた当時の社会や文化の諸相について考察する。“A literary work is not a mere play of the imagination, an isolated caprice of an excited brain, but a transcript of contemporary manners and customs and the sign of a particular state of intellect.”というフランスの批評家・哲学者イポリット・テーヌの指摘にもあるように、文学作品とは、その作品を生み出した時代の生活、習慣、思考、価値観などを知るための格好なテキストであり、一方で、時代背景を把握することは、物語をより深く楽しむための一助ともなるだろう。
この講義は対面でする。
・ホームズの物語を読んでその内容や特徴を把握し、自分なりの作品解釈ができる。
・物語の背景にあるイギリスの社会・文化について説明できる。
・ヴィクトリア朝の特殊性について理解できる。
講義で扱う作品について、事前に(翻訳でもよいので)一読の上、指示に従って考察を行っておくこと。また、授業中に参考文献が紹介された場合は、それも読んでおくこと。これらの学修に要する時間は概ね一週当り150分程度を想定している。
No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 |
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1 | イントロダクション | 今井 | シャーロック・ホームズについての基礎的知識を得る。 |
2 | 探偵ホームズ誕生の背景① | 今井 | 19世紀に顕著であった一般大衆の犯罪(特に殺人事件)に対する嗜好の実態を理解できる。 |
3 | 探偵ホームズ誕生の背景② | 今井 | ジャーナリズムや警察組織の発達、推理小説というジャンルの誕生について理解できる。 |
4 | 探偵ホームズ誕生の背景③ | 今井 | ホームズとワトソンの人物像や関係性について説明できる。 |
5 | 『緋色の研究』『ボスコム谷の惨劇』『青いガーネット』他 | 今井 | 19世紀の視覚重視文化について理解できる。ホームズの科学的捜査手法の特徴について説明できる。 |
6 | 『瀕死の探偵』『悪魔の足』『緋色の研究』『四つの署名』『白面の兵士』他 | 今井 | ホームズ作品に登場する毒や病気について考察し、併せて19世紀の医療について理解できる。 |
7 | 『空き家の冒険』『踊る人形』『四つの署名』『ノーウッドの建築業者』他 | 今井 | ホームズ作品に登場する暗号やトリック、奇想天外なアイデア等について説明できる。 |
8 | 『まだらの紐』『ボスコム谷の惨劇』『グロリア・スコット号』』『緋色の研究』他 | 今井 | 作品におけるインド、アメリカ、オーストラリアの描かれ方に注目し、大英帝国の植民地支配の一端について知識を得る。 |
9 | 『黄色い顔』『4つの署名』『踊る人形』『まだらの紐』他 | 今井 | 作品に読み取れるゼノフォビアについて考察し、海外に対するイギリス人の意識について理解できる。 |
10 | 『バスカヴィル家の犬』『三人ガリデブ』『高名な依頼人』他 | 今井 | 19世紀社会に広く流行した博物(学)趣味について考察できる。ジャポニズムの影響についても併せて理解できる。 |
11 | 『ボスコム谷の惨劇』『花婿失踪事件』『ボール箱』他 | 今井 | 作者コナン・ドイルの伝記的側面について学び、それが作品にどのように反映されているか理解する。 |
12 | 『緋色の研究』『高名な依頼人』『青いガーネット』他 | 今井 | イギリスの階級制度の特殊性について理解できる。 |
13 | 『ライオンの鬣』『覆面の下宿人』『這う男』『最後の挨拶』他 | 今井 | 19世紀末~20世紀初頭の社会状況を知り、後期の作品に著しいホームズの変化との関連性がわかる。 |
14 | 試験 | 今井 | 13回講義までの学修内容について整理・復習し、設問に的確に解答することができる。 |
15 | 総括・まとめ |
No.1
学習項目 | イントロダクション |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | シャーロック・ホームズについての基礎的知識を得る。 |
No.2
学習項目 | 探偵ホームズ誕生の背景① |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 19世紀に顕著であった一般大衆の犯罪(特に殺人事件)に対する嗜好の実態を理解できる。 |
No.3
学習項目 | 探偵ホームズ誕生の背景② |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | ジャーナリズムや警察組織の発達、推理小説というジャンルの誕生について理解できる。 |
No.4
学習項目 | 探偵ホームズ誕生の背景③ |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | ホームズとワトソンの人物像や関係性について説明できる。 |
No.5
学習項目 | 『緋色の研究』『ボスコム谷の惨劇』『青いガーネット』他 |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 19世紀の視覚重視文化について理解できる。ホームズの科学的捜査手法の特徴について説明できる。 |
No.6
学習項目 | 『瀕死の探偵』『悪魔の足』『緋色の研究』『四つの署名』『白面の兵士』他 |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | ホームズ作品に登場する毒や病気について考察し、併せて19世紀の医療について理解できる。 |
No.7
学習項目 | 『空き家の冒険』『踊る人形』『四つの署名』『ノーウッドの建築業者』他 |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | ホームズ作品に登場する暗号やトリック、奇想天外なアイデア等について説明できる。 |
No.8
学習項目 | 『まだらの紐』『ボスコム谷の惨劇』『グロリア・スコット号』』『緋色の研究』他 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 作品におけるインド、アメリカ、オーストラリアの描かれ方に注目し、大英帝国の植民地支配の一端について知識を得る。 |
No.9
学習項目 | 『黄色い顔』『4つの署名』『踊る人形』『まだらの紐』他 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 作品に読み取れるゼノフォビアについて考察し、海外に対するイギリス人の意識について理解できる。 |
No.10
学習項目 | 『バスカヴィル家の犬』『三人ガリデブ』『高名な依頼人』他 |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 19世紀社会に広く流行した博物(学)趣味について考察できる。ジャポニズムの影響についても併せて理解できる。 |
No.11
学習項目 | 『ボスコム谷の惨劇』『花婿失踪事件』『ボール箱』他 |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 作者コナン・ドイルの伝記的側面について学び、それが作品にどのように反映されているか理解する。 |
No.12
学習項目 | 『緋色の研究』『高名な依頼人』『青いガーネット』他 |
---|---|
担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | イギリスの階級制度の特殊性について理解できる。 |
No.13
学習項目 | 『ライオンの鬣』『覆面の下宿人』『這う男』『最後の挨拶』他 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 19世紀末~20世紀初頭の社会状況を知り、後期の作品に著しいホームズの変化との関連性がわかる。 |
No.14
学習項目 | 試験 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 13回講義までの学修内容について整理・復習し、設問に的確に解答することができる。 |
No.15
学習項目 | 総括・まとめ |
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担当教員 | |
学生の到達目標 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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特に指定しない。詳細については第1回授業時に説明する。 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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講義中に指示する。 |
平常点(授業中のグループワーク、課題提出を含む)(30%)、講義中に実施する期末試験(70%)
講評は、合格発表以降manabaにて公開する。