• 特別講義 環境と化学物質 (Chemicals and Environment)

    開講情報
    • 1年次前期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 名誉教授福井 昭三

    備考  

    概要

    身の周りには、様々の化学物質が存在している。そのうちには環境を破壊するもの、健康の障害になるものなどがあり、知らずに接している事もあり得る。
    (1)化学物質が引き起こした社会問題
       環境ホルモン、ダイオキシン、農薬、重金属、アスベスト、シックハウス症候群など。
    (2)食品と化学物質
       食品添加物、食中毒、アレルギー、食品中の発ガン物質など
    (3)地球規模の環境汚染
       オゾン層の破壊、地球温暖化、酸性雨
    (4)活性酸素とフリーラジカル
       がん、成人病、老化現象などと関連する化学物質及び活性酸素

    【成績評価方法・基準】出席時間数、レポート

  • 特別講義 地球の贈り物:クスリ (Gifts from Nature:Medicine)

    開講情報
    • 1年次前期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 非常勤講師藤多 哲朗

    備考  

    概要

    人類は如何にして薬をみつけてきたのであろうか。アフリカのチンパンジーは病気になったとき、ふだんは食べない植物を食べ病気を治すといわれている。人類も生きるための糧を探索している間に、薬に適する物を長時間かけてみつけてきたのであろう。
    約2200年前、秦の始皇帝は徐福に不老不死の仙薬、妙薬を探すことを命じて東海に旅立たせた。徐福はそのとき、不死の島・蓬莱の島にその妙薬のあることを予言し、わが国にたどり着いたと伝えられている。現在、日本は世界最長寿国であり、世界にも例がない速いスピードで高齢化が進んでいる。すべての高齢者が生き甲斐のある幸せな生活を送ることが出来るならば日本は蓬莱の島となるだろう。
     古代から人々は、長い経験によって、様々な病気や怪我を治してきた。そこで病気を治す力をもつ「地球の贈り物」天然産物に「クスリ」と名付けた。近代科学の発展にともない、その天然産物から病気を治すに有効な成分を純粋に分離し、さらに化学構造を明らかにするとともに化学的に合成してきた。また、これらのクスリは、病気の治療に貢献するにとどまらず、病気の原因や体の中で行われている生理的反応の機構も明らかにしてきた。しかし、クスリには治療のための主作用と副作用があり、害のある副作用は薬害としてあらわれ、益のある副作用は新しい薬効を持つクスリの開発をもたらすこともある。
     講義ではクスリの発見の歴史を振り返り、クスリがもつ生体との関係に言及し、世の中へクスリとして送り出される開発の過程について解説する。
     受講生は自分の身近に存在する市販のクスリあるいは医師から処方されたクスリの性質や現在話題、問題となっている医療・食品・健康・環境について調べる。
     さらに5月以降に各自が選んだテーマについて発表する。
     参考書:山川浩司「国際薬学史-東と西の医薬文明史-」南江堂
         山崎幹夫「歴史の中の化合物-くすりと医療の歩みをたどる-」東京化学同人

    【成績評価方法・基準】出席数、小テスト、レポートおよび発表

  • 特別講義 やさしい薬の科学I-基礎- (Comprehensible science of Medicine I.. Base)

    開講情報
    • 1年次前期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 名誉教授村西 昌三

    備考  

    概要

    ヒトの生体と関わりをもつ化合物の科学の中で、くすり(薬)の科学に関する領域は今日急速な進歩を遂げ、またすばらしい新薬が生まれつつある。高度に発達し高齢化社会で暮らす現代人は健康と病気を常に意識し質の高い生活を送らねばならない。歴史的にみてくすりは必ずしも順調な歩みを続けてきたとは言えず、いくつかの薬害事件にも遭遇し変遷を経てきた。我々が病気の治療に用いるくすりは、病気、活性化合物、投与剤形等の種類によって大変種類の多いことも事実である。本授業では、くすりの発見や歴史を振り返り、くすりが持つ生体との関係、生体内での運命に言及し、世の中へ生み出されるくすりの開発の経緯、副作用を防ぎ薬効を追求する正しいくすりの開発研究、医療におけるくすりの使い方等の問題を取り扱う。くすりをめぐる最新の進歩や時事問題についても解説する。広く、化学の苦手な人にも理解できるよう分かり易く講述する。
    参考書:高畑英伍著『薬学概論』廣川書店、加藤隆一・水島裕編『現代医学の基礎13巻 薬物動態と薬効』岩波書店

    【成績評価方法・基準】出席数およびレポート

  • 特別講義 やさしい薬の科学II-病とくすり- (Comprehensible science of medicine II.. Disease and drugs)

    開講情報
    • 1年次前期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 名誉教授村西 昌三

    備考  

    概要

    今日の高度に発達した現代社会や高齢化社会において、一生のうちのどこかでわれわれは必ずくすりの世話になっている。また病気の質や病気そのものも昔に比べれば少なからず変化してきたとも言っても過言ではない。くすりも進歩し画期的な新薬が創製され、人々の寿命の延長に貢献してきた。今や数え切れない医薬品が開発され使用される中で、それらの効き方を科学的な根拠をもって知ることは、医療関係者のみならず消費者(患者)にとって少なからず恩恵となる。本講では、痛み、不眠、生活習慣病、心の病、がん等の個々の病気に対する「くすりの効き方のメカニズム」をできるだけわかり易く説明する。さらに、くすりが時折起こす副作用についても述べ、くすりの用い方によって克服する方法にも触れたいと思う。それによって患者はくすりを正しくそして安心して使えるようになるのではないかと考える。臓器移植とかゲノム創薬といった今日的な話題も提供したいと思う。

    参考書:田中正敏著『薬は何故効くか』講談社
    備考)やさしい薬の科学Iを受講した後に、IIを受講した方が理解容易である。

    【成績評価方法・基準】出席数およびレポート