[Bioinorganic Chemistry and Radiochemistry]
開講情報 |
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担当教員 |
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備考 |
20世紀になり科学技術、特に分析技術が急速に進歩し、生物の体内に微量に存在する元素が検出・定量されるようになり、これらは生命の本質に関わる重要な役割をしていることが明らかにされた。そして、タンパク質化学、分子生物学あるいは錯体化学などの境界領域に位置する「生物無機化学」という新しい学問が誕生した。生物の生存や健康と医療を考えるためには、生体微量元素の化学を学ぶことなく通りすぎることは出来ない。本講義の前半ではわれわれの日常生活にもすでに入りこんでいる「生体微量元素=ミネラル」について、基礎から応用までを学ぶこととする。
一方、19世紀末の1898年に、キュリー夫妻は天然から放射性元素ラジウムとポロニウムを発見した。放射能の発見と天然放射性元素の存在は、多くの人々に感動を与えると共に20世紀の物理学と化学の世界に大変革をもたらした。原子核崩壊の現象は「放射化学」という新しい学問を生み出し、やがて医療領域にまで応用されるようになると、診断と治療を目指して「放射性医薬品」が開発されるまでに成長をとげた。本講義の後半では、「放射化学と放射薬品学」の基礎から応用までを学ぶこととする。
出席、ミニテスト、受講態度および定期試験で評価する。
なし
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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薬学のための無機化学 | 桜井 弘 編著 | 化学同人 |
NEW放射化学・放射薬品学 | 佐治英郎・関 興一 編集 | 廣川書店 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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生物無機化学 | 桜井 弘・田中 久 編著 | 廣川書店 |
ミネラルの事典 | 糸川嘉則 編著 | 朝倉書店 |
放射薬品学概論 | 桜井 弘・横山 陽 編著 | 廣川書店 |
新放射化学・放射性医薬品 | 佐治英郎・前田 稔・小嶋周二 編著 | 南江堂 |
放射化学・放射薬品学 | 馬場茂雄 監修、五郎丸毅・ 堀江正信 編集 | 廣川書店 |
回 | 項目 | 授業内容 |
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1 | 生物無機化学概論 | なぜ生物無機化学を学ぶのか? |
2 | 元素の化学と周期表 | 典型元素、還移元素、希土類元素、貴金属元素および周期表の利用のしかた |
3 | 生体必須元素と毒性元素 | 生体元素の定義・意味・生理作用、有毒元素、元素間相互作用の重要性 |
4 | 金属を含むタンパク質・酵素 | 酸素運搬・貯蔵、酸化、抗酸化、電子伝達、金属の輸送と貯蔵を担うタンパク質 |
5 | 生体内酸化還元 | 生体内の酸化還元系、ミトコンドリアの電子伝達系、ミクロソームの薬物代謝系 |
6 | 金属を含む医薬品と生物無機化学の未来像 | 病気と金属、金属錯体による医薬品の開発、21世紀を担う生物無機化学 |
7 | 原子核と放射能 | 原子と原子核、放射性壊変、放射平衡、放射能の単位 |
8 | 放射線と物質との相互作用 | α, β, γ線の作用、中性子の作用、放射線量を表す単位 |
9 | 放射線測定法 | 測定の原理とシステム |
10 | 放射性同位元素の製造と利用 | 天然および人工核種、ミルキング、トレーサ法、標識化合物の合成、放射化分析、ラジオアッセイ、オートラジオグラフィ |
11 | 放射線と生体 | 放射線の生体への作用、内部および外部被曝、安全取扱い |
12 | 放射性医薬品 | 放射性医薬品の定義、分類と特徴、インビボ診断用および治療用放射性医薬品、インビトロ診断用放射性医薬品 |
13 | 物理的画像診断法 | X線、MRI(磁気共鳴イメージング)、超音波など |
第1回
項目 | 生物無機化学概論 |
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授業内容 | なぜ生物無機化学を学ぶのか? |
第2回
項目 | 元素の化学と周期表 |
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授業内容 | 典型元素、還移元素、希土類元素、貴金属元素および周期表の利用のしかた |
第3回
項目 | 生体必須元素と毒性元素 |
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授業内容 | 生体元素の定義・意味・生理作用、有毒元素、元素間相互作用の重要性 |
第4回
項目 | 金属を含むタンパク質・酵素 |
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授業内容 | 酸素運搬・貯蔵、酸化、抗酸化、電子伝達、金属の輸送と貯蔵を担うタンパク質 |
第5回
項目 | 生体内酸化還元 |
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授業内容 | 生体内の酸化還元系、ミトコンドリアの電子伝達系、ミクロソームの薬物代謝系 |
第6回
項目 | 金属を含む医薬品と生物無機化学の未来像 |
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授業内容 | 病気と金属、金属錯体による医薬品の開発、21世紀を担う生物無機化学 |
第7回
項目 | 原子核と放射能 |
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授業内容 | 原子と原子核、放射性壊変、放射平衡、放射能の単位 |
第8回
項目 | 放射線と物質との相互作用 |
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授業内容 | α, β, γ線の作用、中性子の作用、放射線量を表す単位 |
第9回
項目 | 放射線測定法 |
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授業内容 | 測定の原理とシステム |
第10回
項目 | 放射性同位元素の製造と利用 |
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授業内容 | 天然および人工核種、ミルキング、トレーサ法、標識化合物の合成、放射化分析、ラジオアッセイ、オートラジオグラフィ |
第11回
項目 | 放射線と生体 |
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授業内容 | 放射線の生体への作用、内部および外部被曝、安全取扱い |
第12回
項目 | 放射性医薬品 |
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授業内容 | 放射性医薬品の定義、分類と特徴、インビボ診断用および治療用放射性医薬品、インビトロ診断用放射性医薬品 |
第13回
項目 | 物理的画像診断法 |
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授業内容 | X線、MRI(磁気共鳴イメージング)、超音波など |