• 特別講義 地球の贈り物:クスリ (Gifts from Nature:Medicine)

    開講情報
    • 1年次前期・後期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 非常勤講師藤多 哲朗

    備考  

    概要

     人類は如何にして薬をみつけてきたのであろうか。アフリカのチンパンジーは病気になったとき、ふだんは食べない植物を食べ病気を治すといわれている。人類も生きるための糧を探索している間に、薬に適する物を長時間かけてみつけてきたのであろう。
    約2200年前、秦の始皇帝は徐福に不老不死の仙薬、妙薬を探すことを命じて東海に旅立たせた。徐福はそのとき、不死の島・蓬莱の島にその妙薬のあることを予言し、わが国にたどり着いたと伝えられている。現在、日本は世界最長寿国であり、世界にも例がない速いスピードで高齢化が進んでいる。すべての高齢者が生き甲斐のある幸せな生活を送ることが出来るならば日本は蓬莱の島となるだろう。
     古代から人々は、長い経験によって、様々な病気や怪我を治してきた。そこで病気を治す力をもつ「地球の贈り物」天然産物に「クスリ」と名付けた。近代科学の発展にともない、その天然産物から病気を治すに有効な成分を純粋に分離し、さらに化学構造を明らかにするとともに化学的に合成してきた。また、これらのクスリは、病気の治療に貢献するにとどまらず、病気の原因や体の中で行われている生理的反応の機構も明らかにしてきた。しかし、クスリには治療のための主作用と副作用があり、害のある副作用は薬害としてあらわれ、益のある副作用は新しい薬効を持つクスリの開発をもたらすこともある。
     講義ではクスリの発見の歴史を振り返り、クスリがもつ生体との関係に言及し、世の中へクスリとして送り出される開発の過程について解説する。
     受講生は自分の身近に存在する市販のクスリあるいは医師から処方されたクスリの性質や現在話題、問題となっている医療・食品・健康・環境について調べる。
     さらに5月以降に各自が選んだテーマについて発表する。
            (書 名)          (著者・編者) (発行所)
    参考書「国際薬学史-東と西の医薬文明史-」   山川浩司    南江堂
       「歴史の中の化合物-くすりと医療の歩みをたどる-」山崎幹夫 東京化学同人  

    【成績評価方法・基準】
      出席数、小テスト、レポートおよび発表