• 特別講義 やさしい身の回りの化学(Understandable daily chemistry)

    開講情報
    • 1年次前期・後期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 名誉教授舟崎 紀昭

    備考  

    概要

     身の回りには多種、多様な物質があり、人々の生活に役立っている。これらの物質や製品の化学的性質を理解することは、生活の質を向上させ、有害な物質を避けるために必須である。また、最近の製品開発では、消費者の好みや使いやすさを重視するために、人文・社会科学系学部の出身者も開発の一翼を担っている。本科目は、下記の教科書(800円)を基礎として、新聞やテレビでも話題になる化学物質の効用と有害性について述べる。100種以上の元素はそれぞれ固有の特性をもっている。水は生活と生命にとって最も重要な物質であるが、同時に不思議な化学的性質をもつ物質でもある。洗剤、電池、冷蔵庫、ボールペン、液晶など身の回りにある物質や製品は化学的性質を巧みに利用したものである。味と匂いおよびその調節は、食品、くすり、化粧品、冷蔵庫からの悪臭の除去など日常生活に関わりが深い。きのこは食品にもなるが、猛毒にもなる。くすりは病気の治療を目的とするが、過剰に服用すると副作用を生じる。また、これらに添加される物質はアレルギーなどの障害を引き起こすこともある。より快適で、便利な生活を追及するために利用された化学物質による酸性雨、オゾン層破壊、地球温暖化、環境ホルモンなどの有害性が社会問題になっている。身の回りの化学物質の効用と有害性について、人文・社会科学系学部生にもわかるように、図と写真を利用してやさしく解説する。

               (書 名)       (著者・編者) (発行所)
    教科書(要購入)   「化学図録」               数研出版
    参考書    「面白いほどよくわかる化学」   大宮信光   日本文芸社
           「化学の不思議がわかる本」    満田深雪   成美堂出版       「CMをにぎわしたヒット商品」         化学同人

    【成績評価方法・基準】
      出席およびレポート

  • 特別講義 地球の贈り物:クスリ (Gifts from Nature:Medicine)

    開講情報
    • 1年次前期・後期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 非常勤講師藤多 哲朗

    備考  

    概要

     人類は如何にして薬をみつけてきたのであろうか。アフリカのチンパンジーは病気になったとき、ふだんは食べない植物を食べ病気を治すといわれている。人類も生きるための糧を探索している間に、薬に適する物を長時間かけてみつけてきたのであろう。
    約2200年前、秦の始皇帝は徐福に不老不死の仙薬、妙薬を探すことを命じて東海に旅立たせた。徐福はそのとき、不死の島・蓬莱の島にその妙薬のあることを予言し、わが国にたどり着いたと伝えられている。現在、日本は世界最長寿国であり、世界にも例がない速いスピードで高齢化が進んでいる。すべての高齢者が生き甲斐のある幸せな生活を送ることが出来るならば日本は蓬莱の島となるだろう。
     古代から人々は、長い経験によって、様々な病気や怪我を治してきた。そこで病気を治す力をもつ「地球の贈り物」天然産物に「クスリ」と名付けた。近代科学の発展にともない、その天然産物から病気を治すに有効な成分を純粋に分離し、さらに化学構造を明らかにするとともに化学的に合成してきた。また、これらのクスリは、病気の治療に貢献するにとどまらず、病気の原因や体の中で行われている生理的反応の機構も明らかにしてきた。しかし、クスリには治療のための主作用と副作用があり、害のある副作用は薬害としてあらわれ、益のある副作用は新しい薬効を持つクスリの開発をもたらすこともある。
     講義ではクスリの発見の歴史を振り返り、クスリがもつ生体との関係に言及し、世の中へクスリとして送り出される開発の過程について解説する。
     受講生は自分の身近に存在する市販のクスリあるいは医師から処方されたクスリの性質や現在話題、問題となっている医療・食品・健康・環境について調べる。
     さらに5月以降に各自が選んだテーマについて発表する。
            (書 名)          (著者・編者) (発行所)
    参考書「国際薬学史-東と西の医薬文明史-」   山川浩司    南江堂
       「歴史の中の化合物-くすりと医療の歩みをたどる-」山崎幹夫 東京化学同人  

    【成績評価方法・基準】
      出席数、小テスト、レポートおよび発表

  • 特別講義 やさしい薬の科学I-基礎- (Comprehensible science of medicine I.. Base)

    開講情報
    • 1年次前期・後期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 名誉教授村西 昌三

    備考  

    概要

     ヒトの生体と関わりをもつ化合物の科学の中で、くすり(薬)の科学に関する領域は今日急速な進歩を遂げ、またすばらしい新薬が生まれつつある。高度に発達し高齢化社会で暮らす現代人は健康と病気を常に意識し質の高い生活を送らねばならない。歴史的にみてくすりは必ずしも順調な歩みを続けてきたとは言えず、いくつかの薬害事件にも遭遇し変遷を経てきた。我々が病気の治療に用いるくすりは、病気、活性化合物、投与剤形等の種類によって大変種類の多いことも事実である。本授業では、くすりの発見や歴史を振り返り、くすりが持つ生体との関係、生体内での運命に言及し、世の中へ生み出されるくすりの開発の経緯、副作用を防ぎ薬効を追求する正しいくすりの開発研究、医療におけるくすりの使い方等の問題を取り扱う。くすりをめぐる最新の進歩や時事問題についても解説する。広く、化学の苦手な人にも理解できるよう分かり易く講述する。

            (書 名)          (著者・編者) (発行所)
    参考書『薬学概論』              高畑英伍著  廣川書店
       『現代医学の基礎13巻 薬物動態と薬効』 加藤隆一・水島裕編 岩波書店  『免疫と健康』             野本亀久雄     講談社

    【成績評価方法・基準】
      出席数およびレポート

  • 特別講義 やさしい薬の科学II-病とくすり- (Comprehensible science of medicine II.. Disease and drugs)

    開講情報
    • 1年次前期・後期

      1.5単位選択

    担当教員
    • 名誉教授村西 昌三

    備考  

    概要

     今日の高度に発達した現代社会や高齢化社会において、一生のうちのどこかでわれわれは必ずくすりの世話になっている。また病気の質や病気そのものも昔に比べれば少なからず変化してきたとも言っても過言ではない。くすりも進歩し画期的な新薬が創製され、人々の寿命の延長に貢献してきた。今や数え切れない医薬品が開発され使用される中で、それらの効き方を科学的な根拠をもって知ることは、医療関係者のみならず消費者(患者)にとって少なからず恩恵となる。本講では、痛み、不眠、生活習慣病、心の病、がん等の個々の病気に対する「くすりの効き方のメカニズム」をできるだけわかり易く説明する。さらに、くすりが時折起こす副作用についても述べ、くすりの用い方によって克服する方法にも触れたいと思う。それによって患者はくすりを正しくそして安心して使えるようになるのではないかと考える。臓器移植とかゲノム創薬といった今日的な話題も提供したいと思う。

    備考)やさしい薬の科学Iを受講した後に、IIを受講した方が理解容易である。

            (書 名)      (著者・編者)    (発行所)
    参考書『薬は何故効くか』        田中正敏著      講談社
       『生活習慣病を防ぐ』       香川靖雄       岩波新書 

    【成績評価方法・基準】
      出席数およびレポート