[Introduction to Advanced Analytical and Bioinorganic Chemistry]
開講情報 |
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担当教員 |
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備考 |
最近、生命と鉱物(金属を含む無機元素)の共進化に関する科学的な興味が熱を帯びている。すなわち、無機元素がどのように生命の進化に影響を及ぼしたか、また、生体内で金属元素はどのような役割を果たしているのか、地球の誕生史からメタロミクス研究までを網羅するような研究が注目を集めている。
一方、現在のわが国は、未曾有の大震災から端を発した原子力発電所の事故により、放射性同位体元素による広範な放射能汚染に曝されている。まさに今が、元素の科学(化学と生物学)について私達は深く学ぶべき時だと言えるのである。
そこで、先端生物無機化学概論では、2年次生で学んだ生命錯体化学をベースにして、それらの知識を発展させた最新の生命元素に関する話題、特に、生体微量金属(バイオメタル)の生物無機化学・分子生物学・生理学に関する先端情報、金属元素を検出する高感度化学分析と装置開発、体内元素の可視化を目指したガンマ線イメージング、そして金属元素を利用した無機医薬品の創薬戦略に関する講義を行う。また、上述した元素に関する時事問題についても可能な限り紹介したいと思う。
薬学領域における最新の生体微量金属(バイオメタル)学とその分析技術・生体計測法に関する先端の方法論(メタロミクス)を身につけ、獲得した知識や思考法を研究や業務に応用できる能力を涵養する。
事前に学習項目に対応する参考書の該当箇所に目を通すなど、簡単な予習をした上で講義に臨んで下さい。復習については、講義・板書内容に関する配布プリントの該当箇所を再読し、ノートにまとめる工夫をして下さい。
No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 |
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1 | 最新の生体微量金属学① | 安井 | 遷移金属元素の生命錯体化学を基盤とした無機医薬品研究の全貌を理解し、説明できる。 |
2 | 最新の生体金属分析学① | 安井 | 電子スピン共鳴(ESR)法によるリアルタイム金属動態計測法について原理と応用を理解し、説明できる。 |
3 | 最新の生体金属分析学② | 安井 | 化学発光法によるリアルタイムROSイメージング、およびガンマ線イメージング(GREI)について原理と応用を理解し、説明できる。 |
4 | 最新の生体微量金属学② | 吉川豊 | ドライケミストリーの現状と最新の生物無機化学のトピックスを概説できる。 |
5 | 最新の生体微量金属学③ | 吉川豊 | バイオメタルに関する最新の生理学と分子細胞生物学を説明できる。 |
6 | 最新の生体微量金属学④ | 吉川豊 | バイオメタルを用いた糖尿病治療薬の開発戦略を説明できる。 |
7 | 最新の生体微量金属学⑤ | 安井 | バイオメタルを含む輸液による最新の栄養補給法、およびキレーション療法による重金属解毒治療法を説明できる。 |
8 | 総括・まとめ |
No.1
学習項目 | 最新の生体微量金属学① |
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担当教員 | 安井 |
学生の到達目標 | 遷移金属元素の生命錯体化学を基盤とした無機医薬品研究の全貌を理解し、説明できる。 |
No.2
学習項目 | 最新の生体金属分析学① |
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担当教員 | 安井 |
学生の到達目標 | 電子スピン共鳴(ESR)法によるリアルタイム金属動態計測法について原理と応用を理解し、説明できる。 |
No.3
学習項目 | 最新の生体金属分析学② |
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担当教員 | 安井 |
学生の到達目標 | 化学発光法によるリアルタイムROSイメージング、およびガンマ線イメージング(GREI)について原理と応用を理解し、説明できる。 |
No.4
学習項目 | 最新の生体微量金属学② |
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担当教員 | 吉川豊 |
学生の到達目標 | ドライケミストリーの現状と最新の生物無機化学のトピックスを概説できる。 |
No.5
学習項目 | 最新の生体微量金属学③ |
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担当教員 | 吉川豊 |
学生の到達目標 | バイオメタルに関する最新の生理学と分子細胞生物学を説明できる。 |
No.6
学習項目 | 最新の生体微量金属学④ |
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担当教員 | 吉川豊 |
学生の到達目標 | バイオメタルを用いた糖尿病治療薬の開発戦略を説明できる。 |
No.7
学習項目 | 最新の生体微量金属学⑤ |
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担当教員 | 安井 |
学生の到達目標 | バイオメタルを含む輸液による最新の栄養補給法、およびキレーション療法による重金属解毒治療法を説明できる。 |
No.8
学習項目 | 総括・まとめ |
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担当教員 | |
学生の到達目標 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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プリントを配布する。 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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生命錯体無機化学のサブノート | 廣田 俊、安井裕之 共著 | 京都廣川書店 |
臨床分析学のサブノート | 安井裕之、吉川 豊 共著 | 京都廣川書店 |
毎回の受講態度、および定期試験で総合的に評価する。
代謝分析学分野の研究室(愛学館5階)まで来て下さい。