• 生体分析化学

    [Analysis of Biomedical and Clinical Chemistry]

    開講情報
    • 2年次前期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授安井 裕之

      非常勤講師吉川 豊

    備考  

    概要

     生体分析化学は、医薬品の溶解や分配を含む定性・定量分析、生体内に存在する金属イオン・錯体の機能を理解するための生命錯体分析、病因の診断ならびに病態解明を目的としたヒトの体内物質に関する臨床化学分析により構成される。
     臨床化学分析における分析試料は、血液・尿・唾液などの体液、赤血球・白血球などの細胞、肝臓・腎臓・筋肉などの生検組織と多岐にわたる。測定対象は、前者では病気により増減する内因性物質や血中薬物濃度、後者では病変部位である。種々の生体試料から目的物質だけを高感度・高選択的に分析する技術やその原理について基本的知識を講義する。

    授業の一般目標

     前半では、医薬品の溶解性やpH分配理論、日本薬局方の定性・定量分析の内容を理解する。次に、金属錯体や金属含有生体分子の構造や物性、無機医薬品への応用、および活性酸素・窒素種の生体内における役割を理解するために、それらの基本的知識を習得する。後半は、医療薬学研究において、生体試料から目的物質だけを高感度・高選択的に分析する技術を適切に応用するために、代表的な臨床化学分析法の基本的知識を習得する。

    準備学習(予習・復習)

     事前に学習項目に対応する教科書や参考書の該当箇所に目を通すなど、簡単な予習をした上で講義に臨んで下さい。復習については、講義・板書内容に関する教科書の該当箇所を再読し、ノートにまとめる工夫をして下さい。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 医薬品の溶解性と分配平衡 安井 医薬品の溶解性および分配平衡・pH分配理論を説明できる。 C2-(1)-②-5
    2 日本薬局方の定性および定量分析 安井 日本薬局方収載の定性・定量分析を説明できる。 C2-(2)-①-1,2,3
    3 金属錯体の基礎、理論、および物性 安井 錯体の名称、構造、基本的性質、代表的な理論、安定性、反応性について説明できる C4-(1)-④-1,2,3,4,5,6
    4 金属元素を含む無機医薬品 安井 代表的な無機医薬品の特徴について説明できる。
    金属元素を含む画像診断薬について説明できる。
    C4-(1)-③-5
    C4-(1)-④-7
    5 無機化合物の生体内酸化還元反応と活性酸素・窒素種 安井 生体内の代表的な酸化還元反応を説明できる。
    活性酸素・窒素種の化学的性質と生体反応を説明できる。
    C6-(1)-③-1,2,3
    6 無機生体分子の構造特性と磁気共鳴分析 安井 電子スピン共鳴(ESR)スペクトル測定法の原理と、金属元素に関連する生体分子の解析への応用例について説明できる。 C3-(1)-①-4
    7 無機生体物質の定性・定量分析 吉川豊 原子吸光光度法および誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)の原理、操作法および応用例を説明できる。 C2-(2)-④-1
    8 臨床分析学序論
    生体試料の取扱いと前処理
    吉川豊 医療薬学における臨床分析学の重要性を説明できる。
    検査試料の扱い方、保存方法、前処理を説明できる。
    C2-(3)-①-1
    C2-(3)-②-1
    9 測定データの解釈と精度管理 吉川豊 測定値に影響する要因や精度管理手法を説明できる。 C2-(3)-①-2
    10 酵素を用いる分析法 吉川豊 酵素を用いた分析法の原理と実用例を概説できる。 C2-(3)-②-3
    11 ドライケミストリー① 吉川豊 各方式のドライケミストリーの原理を概説できる。 C2-(3)-②-6
    12 ドライケミストリー②とセンサー 吉川豊 各方式のドライケミストリーの実用例を概説できる。
    各種センサーの原理および応用例を概説できる。
    C2-(3)-②-5
    C2-(3)-②-6
    13 免疫測定法と薬物治療モニタリング(TDM) 安井 免疫反応を用いた分析法の原理と実用例を概説できる。
    TDMの対象である医薬品の血中薬物測定法を概説できる。
    C2-(2)-②-5
    C2-(3)-②-2
    14 薬毒物分析と遺伝子分析 安井 代表的な中毒物質の分析とヒトの遺伝子分析を概説できる。 C2-(3)-③-1,2
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 医薬品の溶解性と分配平衡
    担当教員 安井
    学生の到達目標 医薬品の溶解性および分配平衡・pH分配理論を説明できる。
    SBOコード C2-(1)-②-5

    No.2

    学習項目 日本薬局方の定性および定量分析
    担当教員 安井
    学生の到達目標 日本薬局方収載の定性・定量分析を説明できる。
    SBOコード C2-(2)-①-1,2,3

    No.3

    学習項目 金属錯体の基礎、理論、および物性
    担当教員 安井
    学生の到達目標 錯体の名称、構造、基本的性質、代表的な理論、安定性、反応性について説明できる
    SBOコード C4-(1)-④-1,2,3,4,5,6

    No.4

    学習項目 金属元素を含む無機医薬品
    担当教員 安井
    学生の到達目標 代表的な無機医薬品の特徴について説明できる。
    金属元素を含む画像診断薬について説明できる。
    SBOコード C4-(1)-③-5
    C4-(1)-④-7

    No.5

    学習項目 無機化合物の生体内酸化還元反応と活性酸素・窒素種
    担当教員 安井
    学生の到達目標 生体内の代表的な酸化還元反応を説明できる。
    活性酸素・窒素種の化学的性質と生体反応を説明できる。
    SBOコード C6-(1)-③-1,2,3

    No.6

    学習項目 無機生体分子の構造特性と磁気共鳴分析
    担当教員 安井
    学生の到達目標 電子スピン共鳴(ESR)スペクトル測定法の原理と、金属元素に関連する生体分子の解析への応用例について説明できる。
    SBOコード C3-(1)-①-4

    No.7

    学習項目 無機生体物質の定性・定量分析
    担当教員 吉川豊
    学生の到達目標 原子吸光光度法および誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)の原理、操作法および応用例を説明できる。
    SBOコード C2-(2)-④-1

    No.8

    学習項目 臨床分析学序論
    生体試料の取扱いと前処理
    担当教員 吉川豊
    学生の到達目標 医療薬学における臨床分析学の重要性を説明できる。
    検査試料の扱い方、保存方法、前処理を説明できる。
    SBOコード C2-(3)-①-1
    C2-(3)-②-1

    No.9

    学習項目 測定データの解釈と精度管理
    担当教員 吉川豊
    学生の到達目標 測定値に影響する要因や精度管理手法を説明できる。
    SBOコード C2-(3)-①-2

    No.10

    学習項目 酵素を用いる分析法
    担当教員 吉川豊
    学生の到達目標 酵素を用いた分析法の原理と実用例を概説できる。
    SBOコード C2-(3)-②-3

    No.11

    学習項目 ドライケミストリー①
    担当教員 吉川豊
    学生の到達目標 各方式のドライケミストリーの原理を概説できる。
    SBOコード C2-(3)-②-6

    No.12

    学習項目 ドライケミストリー②とセンサー
    担当教員 吉川豊
    学生の到達目標 各方式のドライケミストリーの実用例を概説できる。
    各種センサーの原理および応用例を概説できる。
    SBOコード C2-(3)-②-5
    C2-(3)-②-6

    No.13

    学習項目 免疫測定法と薬物治療モニタリング(TDM)
    担当教員 安井
    学生の到達目標 免疫反応を用いた分析法の原理と実用例を概説できる。
    TDMの対象である医薬品の血中薬物測定法を概説できる。
    SBOコード C2-(2)-②-5
    C2-(3)-②-2

    No.14

    学習項目 薬毒物分析と遺伝子分析
    担当教員 安井
    学生の到達目標 代表的な中毒物質の分析とヒトの遺伝子分析を概説できる。
    SBOコード C2-(3)-③-1,2

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    臨床分析学のサブノート 安井裕之、吉川 豊 京都廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    医薬品分析化学(9月刊行予定) 安井裕之、吉川 豊、黒田幸弘 京都廣川書店
    分析化学プラクティス 安井裕之、吉川 豊 京都廣川書店
    生命錯体無機化学のサブノート 安井裕之、廣田 俊 京都廣川書店

    成績評価方法・基準

    毎回の受講態度、および定期試験で総合的に評価する。

    オフィスアワーなど担当教員に対する質問等の方法

    代謝分析学分野の研究室(愛学館5階)まで来て下さい。