[Environmental Studies]
| 開講情報 | 
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| 担当教員 | 
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| 備考 | 
環境問題は近代の様々なシステム(社会、経済、学問等)が不可避的に内包する問題であると考えられます。したがって環境問題を考えるさいに、そうしたシステムについて考察することが必要になるでしょう。また環境は、研究の対象や投資の対象であると同時に、自分自身が生きていく地盤でもあります。それゆえ環境を考えるときには、同時に自分自身の生活や行為を振り返ってみる必要もあるでしょう。つまり環境問題はグローバルな問題であると同時にローカルな問題であるといえます。この授業では、具体的な環境問題をとおして、それがどのような背景をもって発生してきたのかということを明らかにしていきたいと思います。
この授業では、(1)環境問題が複合的な問題であるということ、そしてそれが(2)近代的なシステムと密接に関わっていることを理解したうえで、(3)環境問題を回避するためにどのようなことに配慮すべきかを考えるということを目標にします。
(1)授業などで紹介する参考書をできる限り読むこと。また、事前資料を配布する場合もありますので、それは必ず読んでください。(2)テレビ、新聞などをとおして環境問題に関心を持つ。(3)授業後は配付資料を見直して、基本的な概念の意味を理解しておくようにして下さい。
| No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 | 
|---|---|---|---|
| 1 | イントロダクション:環境問題とは | 紀平 | 「環境」の多義性を理解する。また地球環境問題と公害問題の性格について理解する。 | 
| 2 | 人間中心主義と人間非中心主義(1):動物裁判 | 紀平 | ヨーロッパ中世の動物裁判を取り上げ、動物裁判がどのように始まり、またなぜ衰退していったのかということをキリスト教や自然科学との関わりから理解する。 | 
| 3 | 人間中心主義と人間非中心主義(2):動物実験と工業的畜産 | 紀平 | 現代における動物の扱いの状況を理解し、動物解放論、動物の権利論について説明することができる。 | 
| 4 | 人間中心主義と人間非中心主義(3):土地倫理 | 紀平 | 生態系がひとつの全体として成立しているということを理解したうえで、土地倫理という概念について説明することができる。 | 
| 5 | 環境と経済 (1):自然の価値 | 紀平 | 自然の道具的価値、内在的価値の違いを説明することができる。また自然の経済的価値の評価手法を説明することができる。 | 
| 6 | 環境と経済 (2):生物多様性サービス | 紀平 | 生物多様性の重要性を知り、その経済的価値について説明することができる。また生物多様性条約の成立の背景、条約の概要について説明できる。 | 
| 7 | 環境と経済 (3):持続可能な開発 | 紀平 | 持続可能な開発という理念に含まれる様々な要素(世代間倫理、成長と発展の相違、ニード等)を知り、強い持続性概念と弱い持続性概念について説明することができる。 | 
| 8 | 環境の管理 (1):共有地の悲劇 | 紀平 | ハーディンの「共有地の悲劇」という思考実験を通して、環境問題と個人の自由の関わりについて説明できる。 | 
| 9 | 環境の管理 (2):共有地と所有の理論 | 紀平 | 「小繋事件」をとおして、共有地の分類を説明することができる。また近代社会における所有権の理論について説明することができる。 | 
| 10 | 環境の管理 (3):社会的共通資本としての環境 | 紀平 | 私的資本と社会的共通資本の相違を知り、その管理方法について考える。 | 
| 11 | 環境の管理 (4):順応的管理 | 紀平 | 自然管理の手法としての順応的管理の理念やその具体的なあり方について説明することができる。 | 
| 12 | 環境と正義 (1):公害問題と薬害問題 | 紀平 | 水俣病や薬害エイズ事件をとおし、その被害の広がり方に関する特徴を理解し、そうした問題への対応として環境正義や予防原則という考え方の必要性を学ぶ。 | 
| 13 | 環境と正義 (2):リスク社会と専門家 | 紀平 | リスク、安心/安全という概念について説明することができる。またベックの指摘するサブ政治における専門家の役割について知る。 | 
| 14 | 環境と正義 (3):環境問題と合意形成 | 紀平 | 環境問題の解決のための合意形成の手法について学ぶ。また科学におけるモード1からモード2への移行について説明することができる。 | 
| 15 | 総括・まとめ | 
No.1
| 学習項目 | イントロダクション:環境問題とは | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 「環境」の多義性を理解する。また地球環境問題と公害問題の性格について理解する。 | 
No.2
| 学習項目 | 人間中心主義と人間非中心主義(1):動物裁判 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | ヨーロッパ中世の動物裁判を取り上げ、動物裁判がどのように始まり、またなぜ衰退していったのかということをキリスト教や自然科学との関わりから理解する。 | 
No.3
| 学習項目 | 人間中心主義と人間非中心主義(2):動物実験と工業的畜産 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 現代における動物の扱いの状況を理解し、動物解放論、動物の権利論について説明することができる。 | 
No.4
| 学習項目 | 人間中心主義と人間非中心主義(3):土地倫理 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 生態系がひとつの全体として成立しているということを理解したうえで、土地倫理という概念について説明することができる。 | 
No.5
| 学習項目 | 環境と経済 (1):自然の価値 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 自然の道具的価値、内在的価値の違いを説明することができる。また自然の経済的価値の評価手法を説明することができる。 | 
No.6
| 学習項目 | 環境と経済 (2):生物多様性サービス | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 生物多様性の重要性を知り、その経済的価値について説明することができる。また生物多様性条約の成立の背景、条約の概要について説明できる。 | 
No.7
| 学習項目 | 環境と経済 (3):持続可能な開発 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 持続可能な開発という理念に含まれる様々な要素(世代間倫理、成長と発展の相違、ニード等)を知り、強い持続性概念と弱い持続性概念について説明することができる。 | 
No.8
| 学習項目 | 環境の管理 (1):共有地の悲劇 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | ハーディンの「共有地の悲劇」という思考実験を通して、環境問題と個人の自由の関わりについて説明できる。 | 
No.9
| 学習項目 | 環境の管理 (2):共有地と所有の理論 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 「小繋事件」をとおして、共有地の分類を説明することができる。また近代社会における所有権の理論について説明することができる。 | 
No.10
| 学習項目 | 環境の管理 (3):社会的共通資本としての環境 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 私的資本と社会的共通資本の相違を知り、その管理方法について考える。 | 
No.11
| 学習項目 | 環境の管理 (4):順応的管理 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 自然管理の手法としての順応的管理の理念やその具体的なあり方について説明することができる。 | 
No.12
| 学習項目 | 環境と正義 (1):公害問題と薬害問題 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 水俣病や薬害エイズ事件をとおし、その被害の広がり方に関する特徴を理解し、そうした問題への対応として環境正義や予防原則という考え方の必要性を学ぶ。 | 
No.13
| 学習項目 | 環境と正義 (2):リスク社会と専門家 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | リスク、安心/安全という概念について説明することができる。またベックの指摘するサブ政治における専門家の役割について知る。 | 
No.14
| 学習項目 | 環境と正義 (3):環境問題と合意形成 | 
|---|---|
| 担当教員 | 紀平 | 
| 学生の到達目標 | 環境問題の解決のための合意形成の手法について学ぶ。また科学におけるモード1からモード2への移行について説明することができる。 | 
No.15
| 学習項目 | 総括・まとめ | 
|---|---|
| 担当教員 | |
| 学生の到達目標 | 
| 書名 | 著者名 | 出版社名 | 
|---|---|---|
| 使用しない(随時、プリントにて配布) | ||
| 書名 | 著者名 | 出版社名 | 
|---|---|---|
| 新・環境倫理学のすすめ | 加藤尚武 | 丸善(新書) | 
| 環境倫理学 | 鬼頭秀一 | 東京大学出版会 | 
定期試験60%、小レポート30%、受講態度10%
基本的に、授業の前後の時間に教室で質問を受け付けます。