[Health Economics]
| 開講情報 |
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|---|---|
| 担当教員 |
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| 備考 |
経済とは、人々の欲求に対して、それを充足する財・サービスを提供するために、社会全体として資源配分を行なうことである(『現代倫理学辞典』(弘文堂)より)。医療も当然、人々の欲求や必要に対して提供される財・サービスであり、経済の重要な一部をなす。本講義では、医療に関する財・サービスの需要・供給メカニズムの特徴について解説するとともに、医療資源配分をめぐる「効率」と「公平」についても講義する。
経済学の基礎的な考え方について理解すること。また、医療に関する財・サービスは、一般的な財・サービスとは異なるため、医療分野への経済学の単純な応用は困難である、ということも理解すること。
毎回冒頭に、前回授業に関する確認小テストを実施するので、復習しておくこと。また期末テストの穴埋め問題はすべてこの小テストから出題し、期末テストの論述問題(選択式)もすべて、数回に分けて授業中に発表する。したがって期末テスト対策として、小テストの解答発表後に授業内容を復習することや、論述問題の提示の都度、授業内容を整理して論述問題の解答準備をしておくことを強く推奨する。こうした復習・期末テスト対策勉強のために、平均して最低週1時間程度必要になると考えている。
| No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 |
|---|---|---|---|
| 1 | イントロダクション | 角崎 | 授業概要・到達目標・成績評価方法について理解する。 |
| 2 | 資源配分の学としての経済学 | 角崎 | 1)資源配分の在り方を考える学問として経済学を理解する。 2)なぜ資源配分について考えなければならないか理解する。 |
| 3 | 市場メカニズム① | 角崎 | 1)供給者(製薬企業含む)の行動と供給曲線の特徴について理解する。 2)生産者(供給者)余剰について理解する。 |
| 4 | 市場メカニズム② | 角崎 | 1)消費者(患者含む)の行動と需要曲線の特徴について理解する。 2)消費者余剰について理解する。 |
| 5 | 市場メカニズム③ | 角崎 | 1)価格の需給調節機能について理解する。 2)市場の総余剰と市場介入政策の問題点について理解する。 |
| 6 | 市場の限界① | 角崎 | 1)市場では公共財は取引できないということを理解する。 2)「医療は公共財か」について考察を深める。 |
| 7 | 市場の限界② | 角崎 | 1)市場における独占や寡占が医療にどのような影響を与えるか理解する。 2)「情報の非対称性」が医療にどのような影響を与えるのか理解する。 |
| 8 | 市場の限界③ 公平な資源配分① |
角崎 | 1)市場は「公平性」について適切に扱えないことを理解する。 2)医療資源配分を市場に任せると誰が不公平な不利益を被るか理解する。 |
| 9 | 公平な資源配分② | 角崎 | 1)功利主義とその政策的含意を理解する。 2)QOL・QALYを用いた医療資源配分方法とその問題について理解する。 |
| 10 | 公平な資源配分③ | 角崎 | 1)ジョン・ロールズの民主主義的平等論とその政策的含意を理解する。 2)ロールズ平等論に基づき,なぜ社会保障制度が必要なのか理解する。 |
| 11 | 公平な資源配分④ | 角崎 | 1)運(と責任)の平等主義とその政策的含意について理解する。 2)「自己責任で病気になった人は自費で治療費払え」について考察する。 |
| 12 | 医療需要を支える仕組み | 角崎 | 1)民間保険と社会保険の違いについて理解する。 2)日本の医療保険制度について理解する。 |
| 13 | 医療供給を支える仕組み | 角崎 | 1)日本の診療報酬制度について理解する。 2)混合診療をめぐる論点について理解する。 |
| 14 | 医療資源配分をめぐる今日的課題 | 角崎 | 1)医療財政危機の原因について適切に理解する。 2)人々の健康は医療制度だけでは決まらないということを理解する。 |
| 15 | 総括・まとめ |
No.1
| 学習項目 | イントロダクション |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 授業概要・到達目標・成績評価方法について理解する。 |
No.2
| 学習項目 | 資源配分の学としての経済学 |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)資源配分の在り方を考える学問として経済学を理解する。 2)なぜ資源配分について考えなければならないか理解する。 |
No.3
| 学習項目 | 市場メカニズム① |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)供給者(製薬企業含む)の行動と供給曲線の特徴について理解する。 2)生産者(供給者)余剰について理解する。 |
No.4
| 学習項目 | 市場メカニズム② |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)消費者(患者含む)の行動と需要曲線の特徴について理解する。 2)消費者余剰について理解する。 |
No.5
| 学習項目 | 市場メカニズム③ |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)価格の需給調節機能について理解する。 2)市場の総余剰と市場介入政策の問題点について理解する。 |
No.6
| 学習項目 | 市場の限界① |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)市場では公共財は取引できないということを理解する。 2)「医療は公共財か」について考察を深める。 |
No.7
| 学習項目 | 市場の限界② |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)市場における独占や寡占が医療にどのような影響を与えるか理解する。 2)「情報の非対称性」が医療にどのような影響を与えるのか理解する。 |
No.8
| 学習項目 | 市場の限界③ 公平な資源配分① |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)市場は「公平性」について適切に扱えないことを理解する。 2)医療資源配分を市場に任せると誰が不公平な不利益を被るか理解する。 |
No.9
| 学習項目 | 公平な資源配分② |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)功利主義とその政策的含意を理解する。 2)QOL・QALYを用いた医療資源配分方法とその問題について理解する。 |
No.10
| 学習項目 | 公平な資源配分③ |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)ジョン・ロールズの民主主義的平等論とその政策的含意を理解する。 2)ロールズ平等論に基づき,なぜ社会保障制度が必要なのか理解する。 |
No.11
| 学習項目 | 公平な資源配分④ |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)運(と責任)の平等主義とその政策的含意について理解する。 2)「自己責任で病気になった人は自費で治療費払え」について考察する。 |
No.12
| 学習項目 | 医療需要を支える仕組み |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)民間保険と社会保険の違いについて理解する。 2)日本の医療保険制度について理解する。 |
No.13
| 学習項目 | 医療供給を支える仕組み |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)日本の診療報酬制度について理解する。 2)混合診療をめぐる論点について理解する。 |
No.14
| 学習項目 | 医療資源配分をめぐる今日的課題 |
|---|---|
| 担当教員 | 角崎 |
| 学生の到達目標 | 1)医療財政危機の原因について適切に理解する。 2)人々の健康は医療制度だけでは決まらないということを理解する。 |
No.15
| 学習項目 | 総括・まとめ |
|---|---|
| 担当教員 | |
| 学生の到達目標 |
| 書名 | 著者名 | 出版社名 |
|---|---|---|
| 使用しない(毎回パワーポイント資料を配布) | ||
| 書名 | 著者名 | 出版社名 |
|---|---|---|
| スティグリッツ 入門経済学 | J.E.スティグリッツ | 東洋経済新報社 |
| 医療経済学の基礎理論と論点 | 西村周三、田中滋、遠藤久夫編 | 勁草書房 |
| 医療政策を問い直す | 島崎健治 | ちくま新書 |
期末テスト(80点、うち穴埋め30点、論述50点(5問×10点))と毎回の授業冒頭に行う確認小テスト(20点)の合計で評価する。詳しくは初回授業で説明する。
講評は掲示もしくはwebで公開する(詳細は受講生と相談して決定する)。
授業終了後に質問を受け付けます。