• 医療の担い手としてのこころ構えC

    [Attitude foward medical care C]

    開講情報
    • 3年次前期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授西口 工司

      教授村木 優一

      講師今西 孝至

    備考  

    概要

     高度化・多様化が進む医療環境の中で、真に社会に貢献する薬の専門家である質の高い薬剤師として、Science(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)をバランス良く有し、高度の専門的能力を兼ね備えたファーマシスト・サイエンティストが望まれている。本講義では、薬剤師あるいは薬学研究者として活躍する様々な領域の専門家から社会におけるそれぞれの役割に加えて、また専門性に応じた倫理観などについて学ぶ。
    なお「同名科目A」で学んだ基本的事項、「同名科目B」で学んだ具体的な局面を想定した実践的取り組み方を踏まえ、本講義では、社会的役割を担う総合的能力を備えた医療の担い手としての心構えを学ぶ。

    授業の一般目標

     多岐に活躍しているファーマシスト・サイエンティストの社会的役割の多様性を理解し、職種ごとに求められる実践的な専門的課題や倫理的問題が異なる点や、問題解決に向けた適切な実践的態度について理解する。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP2・DP3・DP4・DP5

    準備学習(予習・復習)

     次回の学習項目に該当する内容に関して、インターネットなどを介して予習した上で講義に臨むこと。受講後は、配付されたプリント等を見直し、要点をまとめるなど復習すること。予習と復習を合わせて1週あたり150分程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 超高齢社会の薬剤師 松村 患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度を理解する。
    現代社会が抱える課題(少子・超高齢社会等)に対して、薬剤師が果たすべき役割を提案できる。
    ☆今後の医療における薬剤師の役割を理解する。
    A-(1)-①-1
    A-(1)-②-8
    2 患者が望む薬剤師像 山口 患者等の心身に及ぼす病気やケアの影響について理解し、健康の回復と維持に積極的に貢献することへの責任感を持つことができる。
    患者等の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識し、多様な価値観に配慮して行動できる。
    ☆次世代の薬剤師に患者が期待する活動や役割を理解する。
    A-(1)-①-2
    A-(2)-③-1
    A-(3)-②-1,2
    3 医療報道と薬剤師 北澤 患者・生活者のために薬剤師が果たすべき役割を自覚できる。
    ☆次世代の薬剤師や薬学研究者に社会が期待する活動や役割を理解する。
    A-(1)-②-1
    4 薬学部卒業生の国家公務員の仕事 安川 かかりつけ薬局・薬剤師による薬学的管理の意義および医療費の適正化に薬局が果たす役割について説明できる。
    地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア)およびその意義について説明できる。
    ☆国家公務員としての薬学出身者の役割について理解する。
    B-(4)-①-3,6
    F-(4)-②-1
    5 薬局薬剤師として地域に出来ること 松岡 地域における薬局の機能と業務について説明できる。
    ☆地域医療における次世代の薬剤師の活動や役割を理解する。
    B-(4)-①-1,2
    B-(4)-②-2,3
    6 三方よしと病院薬剤師 寺田 「ヒトを対象とする研究において遵守すべき倫理指針」について概説できる。
    生涯にわたって自ら学習する重要性を認識し、その意義について説明できる。
    ☆大学病院における薬剤師の活動や役割を理解する。
    A-(2)-④-2
    A-(5)-③-1
    F-(1)-③-1,3
    7 地域医療における次世代の薬剤師像 今西 健康管理、疾病予防、セルフメディケーション及び公衆衛生における薬剤師の役割について説明できる。
    在宅医療・介護に関わる薬剤師の役割とその重要性について説明できる。
    災害時医療および災害時の薬局の役割について概説できる。
    ☆薬剤師の現状と次世代の薬剤師があるべき姿を理解する。
    A-(1)-②-6
    A-(5)-②-1
    B-(4)-①-4,5
    F-(5)-①-1,2,3
    F-(5)-④-1
    8 薬学生の卒後(製薬会社、アカデミア経験を経て見えること)
    -先輩研究者からの京薬生へのメッセージ-
    片山 医薬品の創製(研究開発、生産等)における薬剤師の役割について説明できる。
    ☆製薬企業およびアカデミアにおける研究開発を理解する。
    A-(1)-②-5
    9 医薬品開発を通じての社会貢献 中森 ☆医薬品開発に必要な業務を理解する。
    ☆医薬品の開発が社会に与える影響について説明できる。
    10 製薬企業(営業・学術部門)の業務と役割 山村 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解する。
    ☆製薬企業におけるMRや学術部門の業務や役割を理解する。
    A-(5)-④-1,2
    11 医療の担い手としてのこころ構え―地方公務員として― 大崎 地域の保健、医療、福祉において利用可能な社会資源について概説できる。
    ☆地方公務員としての薬剤師の業務と役割について理解する。
    B-(4)-②-4
    12 “病院薬剤師”
    医療現場で起こっていること
    三上 病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    災害時医療について概説できる。
    ☆地域中核病院における薬剤師の活動や役割を理解する。
    F-(1)-③-1,3
    F-(5)-④-1
    13 (独)医薬品医療機器総合機構について 長谷部 医薬品の開発から承認までのプロセスと法規範について概説できる。
    レギュラトリーサイエンスの必要性と意義について説明できる。
    ☆医薬品医療機器総合機構における業務と薬学出身者の役割について理解する。
    B-(2)-②-2,11
    14 社会における薬剤師の活動 西口・村木 薬剤師の活動分野(医療機関、薬局、製薬企業、衛生行政等)と社会における役割について討議し、説明できる。
    ☆社会で活躍する薬剤師や薬学研究者の活動を概説できる。
    A-(1)-②-2
    B-(4)-②-5
    F-(1)-②-3
    F-(4)-②-2
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 超高齢社会の薬剤師
    担当教員 松村
    学生の到達目標 患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度を理解する。
    現代社会が抱える課題(少子・超高齢社会等)に対して、薬剤師が果たすべき役割を提案できる。
    ☆今後の医療における薬剤師の役割を理解する。
    SBOコード A-(1)-①-1
    A-(1)-②-8

    No.2

    学習項目 患者が望む薬剤師像
    担当教員 山口
    学生の到達目標 患者等の心身に及ぼす病気やケアの影響について理解し、健康の回復と維持に積極的に貢献することへの責任感を持つことができる。
    患者等の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識し、多様な価値観に配慮して行動できる。
    ☆次世代の薬剤師に患者が期待する活動や役割を理解する。
    SBOコード A-(1)-①-2
    A-(2)-③-1
    A-(3)-②-1,2

    No.3

    学習項目 医療報道と薬剤師
    担当教員 北澤
    学生の到達目標 患者・生活者のために薬剤師が果たすべき役割を自覚できる。
    ☆次世代の薬剤師や薬学研究者に社会が期待する活動や役割を理解する。
    SBOコード A-(1)-②-1

    No.4

    学習項目 薬学部卒業生の国家公務員の仕事
    担当教員 安川
    学生の到達目標 かかりつけ薬局・薬剤師による薬学的管理の意義および医療費の適正化に薬局が果たす役割について説明できる。
    地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア)およびその意義について説明できる。
    ☆国家公務員としての薬学出身者の役割について理解する。
    SBOコード B-(4)-①-3,6
    F-(4)-②-1

    No.5

    学習項目 薬局薬剤師として地域に出来ること
    担当教員 松岡
    学生の到達目標 地域における薬局の機能と業務について説明できる。
    ☆地域医療における次世代の薬剤師の活動や役割を理解する。
    SBOコード B-(4)-①-1,2
    B-(4)-②-2,3

    No.6

    学習項目 三方よしと病院薬剤師
    担当教員 寺田
    学生の到達目標 「ヒトを対象とする研究において遵守すべき倫理指針」について概説できる。
    生涯にわたって自ら学習する重要性を認識し、その意義について説明できる。
    ☆大学病院における薬剤師の活動や役割を理解する。
    SBOコード A-(2)-④-2
    A-(5)-③-1
    F-(1)-③-1,3

    No.7

    学習項目 地域医療における次世代の薬剤師像
    担当教員 今西
    学生の到達目標 健康管理、疾病予防、セルフメディケーション及び公衆衛生における薬剤師の役割について説明できる。
    在宅医療・介護に関わる薬剤師の役割とその重要性について説明できる。
    災害時医療および災害時の薬局の役割について概説できる。
    ☆薬剤師の現状と次世代の薬剤師があるべき姿を理解する。
    SBOコード A-(1)-②-6
    A-(5)-②-1
    B-(4)-①-4,5
    F-(5)-①-1,2,3
    F-(5)-④-1

    No.8

    学習項目 薬学生の卒後(製薬会社、アカデミア経験を経て見えること)
    -先輩研究者からの京薬生へのメッセージ-
    担当教員 片山
    学生の到達目標 医薬品の創製(研究開発、生産等)における薬剤師の役割について説明できる。
    ☆製薬企業およびアカデミアにおける研究開発を理解する。
    SBOコード A-(1)-②-5

    No.9

    学習項目 医薬品開発を通じての社会貢献
    担当教員 中森
    学生の到達目標 ☆医薬品開発に必要な業務を理解する。
    ☆医薬品の開発が社会に与える影響について説明できる。
    SBOコード

    No.10

    学習項目 製薬企業(営業・学術部門)の業務と役割
    担当教員 山村
    学生の到達目標 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解する。
    ☆製薬企業におけるMRや学術部門の業務や役割を理解する。
    SBOコード A-(5)-④-1,2

    No.11

    学習項目 医療の担い手としてのこころ構え―地方公務員として―
    担当教員 大崎
    学生の到達目標 地域の保健、医療、福祉において利用可能な社会資源について概説できる。
    ☆地方公務員としての薬剤師の業務と役割について理解する。
    SBOコード B-(4)-②-4

    No.12

    学習項目 “病院薬剤師”
    医療現場で起こっていること
    担当教員 三上
    学生の到達目標 病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    災害時医療について概説できる。
    ☆地域中核病院における薬剤師の活動や役割を理解する。
    SBOコード F-(1)-③-1,3
    F-(5)-④-1

    No.13

    学習項目 (独)医薬品医療機器総合機構について
    担当教員 長谷部
    学生の到達目標 医薬品の開発から承認までのプロセスと法規範について概説できる。
    レギュラトリーサイエンスの必要性と意義について説明できる。
    ☆医薬品医療機器総合機構における業務と薬学出身者の役割について理解する。
    SBOコード B-(2)-②-2,11

    No.14

    学習項目 社会における薬剤師の活動
    担当教員 西口・村木
    学生の到達目標 薬剤師の活動分野(医療機関、薬局、製薬企業、衛生行政等)と社会における役割について討議し、説明できる。
    ☆社会で活躍する薬剤師や薬学研究者の活動を概説できる。
    SBOコード A-(1)-②-2
    B-(4)-②-5
    F-(1)-②-3
    F-(4)-②-2

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    プリントを適宜配布する。

    成績評価方法・基準

     定期試験による講義内容についての知識の理解度(90%)、および講義内で提示した実践的課題への取組みとそれを踏まえた定期試験の論述(10%)により総合的に評価する。
     なお、実践課題への取り組みについては、講義内容を参考とし、医療の担い手として、あるいは職種ごとにどのようなこころ構えを必要とするかについてのSGDによる検討の経過とまとめ、必要に応じた発表及び提出プロダクトの内容を踏まえ評価する。具体的な取り組み方については、講義内で説明する。

    評価のフィードバック

     合格発表日以後、Web上に公開する。

    非常勤講師

    松村理司(医療法人社団 洛和会 洛和会ヘルスケアシステム総長)
    山口育子(NPO法人ささえあい医療人権センター(COML) 理事長)
    北澤京子(医療ジャーナリスト、本学客員教授)
    安川孝志(厚生労働省医薬・生活衛生局総務課)
    松岡洋平(株式会社ぼうしや薬局 取締役)
    寺田智祐(滋賀医科大学医学部附属病院 薬剤部長・教授)
    片山泰一(大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達障害学研究科・研究科長補佐、同 分子生物遺伝学研究領域 教授)
    中森省吾(パレクセル・インターナショナル株式会社 代表取締役)
    山村博一(大日本住友製薬株式会社 CNS企画部 CNS第2プロダクトグループ グループマネージャー)
    大崎祥子(滋賀県立成人病センター 前薬剤部長、本学特命教授)
    三上 正(京都第二赤十字病院 院長補佐・前薬剤部長)
    長谷部和久(独立行政法人医薬品医療機器総合機構 レギュラトリーサイエンス推進部 部長)

    備考(担当教員に対する質問等の連絡方法)

     オフィスアワー(西口、村木、今西):木曜日 12時30分~13時30分
     なお、出張等で不在の場合があるので、事前にメール等で日時を確認することが望ましい。
     西口:臨床薬学分野 教授室(愛学館5階)、村木:臨床薬剤疫学分野 教授室(育心館3階)、今西:臨床薬学教育研究センター 情報処理室(3階)
     非常勤講師への質問等は、できるだけ授業時間内に行うこととし、後日の場合は西口まで申し出ること。