[Health Economics]
開講情報 |
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担当教員 |
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備考 |
経済学とは、社会が希少な資源をいかに管理するのかを研究する学問であり(『マンキュー入門経済学 第2版』より)、トレードオフ、機会費用、インセンティブといった概念にを重視する(同)。本講義では、経済学の考え方を医療制度に応用することの意義と限界について解説する。具体的なテーマとしては、公的医療保険制度を中心に、介護保険制度など、関連する制度や概念についても解説する。
1.経済学の基礎的な考え方(市場メカニズムの利点と限界、需要と供給など)について理解する。
2.わが国の公的医療保険制度について理解し、経済学的な観点から説明できるようになる。
3.医療制度にかかわる諸問題(介護保険制度、生活習慣と健康寿命、健康格差)について理解することで、公的医療保険制度に関する理解や見識を深める。
毎回、manabaにて復習問題を出すので、それを使って復習しておくこと。復習問題には、毎回およそ1時間程度を要する。期末試験では、復習問題と似た形式で出題する予定である。また、参考書等に目を通すことによる予習が毎回30分程度、講義後に自分が取ったノートや講義資料を読み直すことに1時間程度の学習が必要になる。
No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 |
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1 | 国民医療費について | 上村 | 1.授業概要・到達目標・成績評価方法について理解する。 2.医療費・介護費の動向や内訳を理解する。 3.医療保険・介護保険の財政について理解する。 |
2 | 市場メカニズムについて |
上村 | 1.需要・供給の決まり方について理解する。 2.資源の希少性、市場の効率性、機会費用といった概念を理解する。 |
3 | 医療と市場メカニズム |
上村 | 1.医療における情報の非対称性について理解する。 2.医療における不完全競争問題を理解する。 3.医療における外部性の問題を理解する。 |
4 | 医療保険制度に関する諸問題 |
上村 | 1.医療における逆選択の問題を理解する。 2.医療におけるモラルハザードの問題を理解する。 3.民間医療保険の何が問題なのかを理解する。 |
5 | 公的医療保健制度 |
上村 | 1.公的医療保険制度の種別について理解する。 2.公的医療保険からのさまざまな給付について理解する。 3.保険者機能強化の動きについて理解する。 |
6 | 高齢者医療制度 |
上村 | 1.後期高齢者医療制度の成り立ちについて理解する。 2.他の公的医療保険との関連について理解する。 |
7 | 介護保険制度 |
上村 | 1.介護保険制度が誕生した経緯を理解する。 2.介護保険制度の給付の仕組みを理解する。 |
8 | 医療保険の適用範囲について |
上村 | 1.混合診療とは何か、混合診療の問題点は何かを理解する。 2.患者申出療養について理解する。 |
9 | 医療制度における様々な規制 |
上村 | 1.医療制度における数量規制・広告規制・資格制について理解する。 2.医療制度における価格規制(診療報酬制度・薬価制度)について理解する。 |
10 | 診療報酬制度 |
上村 | 1.診療報酬制度の全体像について理解する。 2.定額支払い制度(DPC/PDPS)の導入など、近年の制度変更について理解する。 |
11 | 薬価制度 |
上村 | 1.日本における薬価基準の決定方法とその変遷について理解する。 2.薬価決定における経済的評価の必要性について理解する。 3.薬価決定における経済的評価の考え方について理解する。 |
12 | 医師の供給 |
上村 | 1.医師のキャリアと医局制度について理解する。 2.医師不足問題について理解する。 |
13 | 生活習慣と健康寿命 |
上村 | 1.健康寿命という概念について理解する。 2.どうすれば生活習慣を変容させることができるのかを理解する。 |
14 | 健康格差 |
上村 | 1.健康格差という概念について理解する。 2.健康格差がなぜ発生しているのかを理解する。 |
15 | 総括・まとめ |
No.1
学習項目 | 国民医療費について |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.授業概要・到達目標・成績評価方法について理解する。 2.医療費・介護費の動向や内訳を理解する。 3.医療保険・介護保険の財政について理解する。 |
No.2
学習項目 | 市場メカニズムについて |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.需要・供給の決まり方について理解する。 2.資源の希少性、市場の効率性、機会費用といった概念を理解する。 |
No.3
学習項目 | 医療と市場メカニズム |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.医療における情報の非対称性について理解する。 2.医療における不完全競争問題を理解する。 3.医療における外部性の問題を理解する。 |
No.4
学習項目 | 医療保険制度に関する諸問題 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.医療における逆選択の問題を理解する。 2.医療におけるモラルハザードの問題を理解する。 3.民間医療保険の何が問題なのかを理解する。 |
No.5
学習項目 | 公的医療保健制度 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.公的医療保険制度の種別について理解する。 2.公的医療保険からのさまざまな給付について理解する。 3.保険者機能強化の動きについて理解する。 |
No.6
学習項目 | 高齢者医療制度 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.後期高齢者医療制度の成り立ちについて理解する。 2.他の公的医療保険との関連について理解する。 |
No.7
学習項目 | 介護保険制度 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.介護保険制度が誕生した経緯を理解する。 2.介護保険制度の給付の仕組みを理解する。 |
No.8
学習項目 | 医療保険の適用範囲について |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.混合診療とは何か、混合診療の問題点は何かを理解する。 2.患者申出療養について理解する。 |
No.9
学習項目 | 医療制度における様々な規制 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.医療制度における数量規制・広告規制・資格制について理解する。 2.医療制度における価格規制(診療報酬制度・薬価制度)について理解する。 |
No.10
学習項目 | 診療報酬制度 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.診療報酬制度の全体像について理解する。 2.定額支払い制度(DPC/PDPS)の導入など、近年の制度変更について理解する。 |
No.11
学習項目 | 薬価制度 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.日本における薬価基準の決定方法とその変遷について理解する。 2.薬価決定における経済的評価の必要性について理解する。 3.薬価決定における経済的評価の考え方について理解する。 |
No.12
学習項目 | 医師の供給 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.医師のキャリアと医局制度について理解する。 2.医師不足問題について理解する。 |
No.13
学習項目 | 生活習慣と健康寿命 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.健康寿命という概念について理解する。 2.どうすれば生活習慣を変容させることができるのかを理解する。 |
No.14
学習項目 | 健康格差 |
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担当教員 | 上村 |
学生の到達目標 | 1.健康格差という概念について理解する。 2.健康格差がなぜ発生しているのかを理解する。 |
No.15
学習項目 | 総括・まとめ |
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担当教員 | |
学生の到達目標 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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使用しない |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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医療経済学の基礎理論と論点 [講座 医療経済・政策学] | 遠藤 久夫・田中 滋・西村 周三 編著 | 勁草書房 |
医療保険・診療報酬制度 [講座 医療経済・政策学] | 遠藤 久夫・池上 直己 編著 | 勁草書房 |
福祉の総合政策 [新訂五版] | 島崎健治 | 創成社 |
医療経済学講義 補訂版 | 橋本 英樹・泉田 信行 編 | 東京大学出版会 |
医療経済学 | 漆 博雄編 | 東京大学出版会 |
はじめての社会保障 第15版 | 椋野 美智子・田中 耕太郎著 | 有斐閣 |
その他の参考資料については講義資料の中で紹介する。 |
毎回の復習問題(20%)と期末試験(80%)の合計で評価する。
原則的には、webで公開する。
1.毎回の授業終了後に直接質問してください。
2.それでも時間が足りない、直後の時間にも授業が入っているなどの場合には、kamimura@cc.kyoto-su.ac.jpまでご一報ください。