• コミュニケーション論

    [Communication Studies]

    開講情報
    • 1年次後期

      講義

      1.5単位選択

    担当教員
    • 教授實川 眞理子

    備考  

    概要

    新入生が大学在学中に取り組みたいこととして「コミュニケーション能力」向上が上位に挙げられることが多い。学生が望む「コミュニケーション能力」とは何か、そもそもコミュニケーションとは何であろうか?しばしば道徳や倫理として語られるコミュニケーションを、行動科学の観点から学生と一緒に考えていきたい。

    授業の一般目標

    ・コミュニケーションを可視化し、考察の対象とすることができる。
    ・自らのコミュニケーション行為をメタ認知し、プロセスの問題個所を変数として検討し、修正する基礎知識をもつ。
    ・森羅万象をコミュニケーション研究の対象とできることを理解する。
    ・認知科学、心理学、社会学、言語学といったコミュニケーションを理解するのに必要な諸々の実証的行動科学の研究方法に触れる。

    準備学習(予習・復習)

    ・予習よりも復習が大切です。
    ・教員の一言一句を漏らさずノートに記録して試験準備として丸暗記する勉強方法は、この授業には向いていません。
    ・この授業では、何と何のどのような関係について、それをどのように立証して理論化しようと試みられたのか、コミュニケーション論が発達するなかで大切な諸理論と実証研究の基本的な概要を学ぶので、授業後から次の週までに、学んだ理論を応用してそれまで説明できなかったことが説明できるかどうか試し、理論の応用の記録を自分なりにまとめてノートしてください。授業の冒頭で、応用して得た新しい理解やものの見方について尋ねるので、いつ当てられても大丈夫なように準備しておいてください。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標
    1 コミュニケーションとは何だろう ① 實川 コミュニケーションを科学的研究の対象と考えることができる。
    科学的研究とは何かを考えることができる。
    2 コミュニケーションとは何だろう ② 實川 自らが経験したり観察した不適切なコミュニケーション、コミュニケーションの失敗や副作用から、理想のコミュニケーションのモデルを考案する。
    3 コミュニケーションとは何だろう ③ 實川 コミュニケーション研究の歴史を通して、人々がコミュニケーションをどのように理解し、何をしようとしていたのかを理解する。
    4 コミュニケーションとは何だろう ④ 實川 コミュニケーション研究で使用される複数のモデルの、それぞれの長所・短所を踏まえて、選択的に使い分けることができる。
    5 コミュニケーションのプロセス ① 實川 たとえ、とくに隠喩(メタファー)を、理解する。ICT情報通信・情報処理の隠喩を使って、人間の知覚と情報処理を語ることができる。
    6 コミュニケーションのプロセス ② 實川 記憶研究史を概観し、記憶研究の基本枠組が理解できる。
    「五感」(知覚)と「記憶」がコミュニケーションで果たす役割を理解する。
    7 コミュニケーションのプロセス ③ 實川 ・「注意」が、五感と記憶に与える影響を理解する。
    ・「意味づける」・「解釈する」行為をコミュニケーション過程の重要な部分として理解する。
    8 コミュニケーションのプロセス ④ 實川 スキーマ理論を学び、スキーマ理論から記憶研究を再検討できる。
    9 コミュニケーションのプロセス ⑤ 實川 人のコミュニケーションにおいて「事実」とは何かを考察する。
    10 コミュニケーションのプロセス ⑥ 實川 スキーマ理論の展開と下位概念の諸理論と実証研究を学ぶ。
    11 役割 實川 人が社会でもつ多重な役割とそれぞれの役割スキーマ、それらがコミュニケーションではどのように働くかを考える。
    12 記号、言語 實川 個々の文化のなかで、諸集団がそれぞれ独自に記号表現(シニフィアン)と記号内容(シニフィエ)を結び付けている「恣意性」について学ぶ。
    13 言語、解釈、定義 實川 一つの物理的事実についての無限に可能な多様な解釈を、参加者の複次的なやり取りを通して一つの解釈、一つの定義に収斂させ、それを維持し、補強していくコミュニケーションを考える。
    14 文化 實川 集団の文化とコミュニケーションについて、自分の経験について、授業で学んだ理論・概念を用いて議論できる。
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 コミュニケーションとは何だろう ①
    担当教員 實川
    学生の到達目標 コミュニケーションを科学的研究の対象と考えることができる。
    科学的研究とは何かを考えることができる。

    No.2

    学習項目 コミュニケーションとは何だろう ②
    担当教員 實川
    学生の到達目標 自らが経験したり観察した不適切なコミュニケーション、コミュニケーションの失敗や副作用から、理想のコミュニケーションのモデルを考案する。

    No.3

    学習項目 コミュニケーションとは何だろう ③
    担当教員 實川
    学生の到達目標 コミュニケーション研究の歴史を通して、人々がコミュニケーションをどのように理解し、何をしようとしていたのかを理解する。

    No.4

    学習項目 コミュニケーションとは何だろう ④
    担当教員 實川
    学生の到達目標 コミュニケーション研究で使用される複数のモデルの、それぞれの長所・短所を踏まえて、選択的に使い分けることができる。

    No.5

    学習項目 コミュニケーションのプロセス ①
    担当教員 實川
    学生の到達目標 たとえ、とくに隠喩(メタファー)を、理解する。ICT情報通信・情報処理の隠喩を使って、人間の知覚と情報処理を語ることができる。

    No.6

    学習項目 コミュニケーションのプロセス ②
    担当教員 實川
    学生の到達目標 記憶研究史を概観し、記憶研究の基本枠組が理解できる。
    「五感」(知覚)と「記憶」がコミュニケーションで果たす役割を理解する。

    No.7

    学習項目 コミュニケーションのプロセス ③
    担当教員 實川
    学生の到達目標 ・「注意」が、五感と記憶に与える影響を理解する。
    ・「意味づける」・「解釈する」行為をコミュニケーション過程の重要な部分として理解する。

    No.8

    学習項目 コミュニケーションのプロセス ④
    担当教員 實川
    学生の到達目標 スキーマ理論を学び、スキーマ理論から記憶研究を再検討できる。

    No.9

    学習項目 コミュニケーションのプロセス ⑤
    担当教員 實川
    学生の到達目標 人のコミュニケーションにおいて「事実」とは何かを考察する。

    No.10

    学習項目 コミュニケーションのプロセス ⑥
    担当教員 實川
    学生の到達目標 スキーマ理論の展開と下位概念の諸理論と実証研究を学ぶ。

    No.11

    学習項目 役割
    担当教員 實川
    学生の到達目標 人が社会でもつ多重な役割とそれぞれの役割スキーマ、それらがコミュニケーションではどのように働くかを考える。

    No.12

    学習項目 記号、言語
    担当教員 實川
    学生の到達目標 個々の文化のなかで、諸集団がそれぞれ独自に記号表現(シニフィアン)と記号内容(シニフィエ)を結び付けている「恣意性」について学ぶ。

    No.13

    学習項目 言語、解釈、定義
    担当教員 實川
    学生の到達目標 一つの物理的事実についての無限に可能な多様な解釈を、参加者の複次的なやり取りを通して一つの解釈、一つの定義に収斂させ、それを維持し、補強していくコミュニケーションを考える。

    No.14

    学習項目 文化
    担当教員 實川
    学生の到達目標 集団の文化とコミュニケーションについて、自分の経験について、授業で学んだ理論・概念を用いて議論できる。

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    適宜、プリントを配布する

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    特に指定しないが、心理学、文化記号論、社会学、言語学など幅広く挑戦してください。授業に関係がないことでも、議論がしたければいつでも気軽に研究室に遊びにきてください。そうした多分野横断的・複眼的な思考がコミュニケーションとは何かの理解をより深めるのに役立ちます。

    成績評価方法・基準

    定期試験 70%、提出物 30%

    評価のフィードバック

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