• 臨床統計開発論

    [Biostatistics and Clinical Drug Development]

    開講情報
    • 3年次後期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授矢野 義孝

      教授藤原 洋一

      講師石川 誠司

      助教地嵜 悠吾

    備考  

    概要

    医薬研究や薬剤師業務においては得られるデータを正しく解釈することが大切であり、統計学に基づいた解析手法を理解することが重要である。この講義では、1、2年で学んだ微分積分学や統計学の知識、またEXCEL操作等のIT技能をもとに、特に生物統計・医療統計に関する実践的なデータ解析の技能を修得する。また、治験などの臨床試験に関する基本的知識を特に統計学的観点から学ぶ。

    授業の一般目標

    医薬品開発や薬剤師業務における医薬品の統計的評価を正しく行うために、確率・統計論、データ分析論に関する基礎的な知識・技能を修得する。具体的に主な統計解析手法の基礎理論と利用法について事例を挙げながら学ぶ。また、医薬品開発臨床試験や臨床研究の概要と統計学の役割について学び、さらに臨床試験英語論文を読むための基礎知識を修得する。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2

    準備学習(予習・復習)

    予習では教科書にあらかじめ目を通し、復習では授業で学んだことをその回ごとに整理・理解する学習方法が望ましい。毎回の予習・復習をあわせて150分程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 統計分布と要約統計量 矢野 正規分布などの統計分布と要約統計量について説明できる。 E3-(1)-⑤-1
    2 正規分布 矢野 正規分布の性質について説明し、検定に活用できる。 E3-(1)-⑤-1,3
    3 検定と検出力、信頼区間、二群間平均値比較 矢野 検定の概念を理解し、検出力、信頼区間について説明できる。t分布などの代表的な分布について概説でき、主な二群間平均値比較法を実践できる。 E3-(1)-⑤-1,2,3,4,5
    4 回帰分析、相関解析 矢野 回帰分析及び相関解析の原理を理解し、実践できる。 E3-(1)-⑤-6
    5 数学モデルの構築と解析、多変量解析 矢野 条件にあった数学モデルを微分方程式で構築できる。多変量解析の意義を説明でき、解析結果を解釈できる。
    E3-(1)-⑤-6
    6 ラプラス変換と数理モデル 矢野 ☆ラプラス変換の手法により簡単な微分方程式を解くことができる。
    7 多重比較法、分散分析 矢野 多群間比較の意義とその方法について説明できる。 E3-(1)-⑤-4,5
    8 カイ二乗検定、オッズ比などの分割表評価パラメータ 矢野 分割表データの解析について説明し、主なパラメータの計算と評価が実践できる。 E3-(1)-⑤-5
    E3-(1)-⑥-9
    9 生存時間解析 矢野 生存時間解析の基本原理を説明し、解析結果を解釈できる。 E3-(1)-⑤-7
    10 臨床試験デザインと統計的評価、医薬品開発と統計 矢野 臨床試験の種類と目的についてデータ解析の観点から説明できる。医薬品開発の流れを理解し、関連する主な統計学用語について説明できる。 E3-(1)-⑥-1,3,5,6,8
    11 英語臨床統計論文を読む 矢野 代表的な英語臨床論文を読みその概要を理解し、説明できる。
    E3-(1)-⑥-7
    12 研究に必要な法規、倫理的配慮。臨床研究、疫学研究における統計解析時の注意点、副作用因果関係の評価 矢野 特に臨床研究を行うにあたり必要な法規、倫理的配慮について説明できる。バイアスや交絡など、臨床研究や疫学研究の統計解析を行う上での注意点を説明できる。副作用判定アルゴリズムについて概説できる。 A-(2)-④-1
    G-(2)-1,2
    E3-(1)-⑥-2,4,7
    13 遺伝統計学の基礎 矢野、地嵜 基礎および臨床における遺伝統計学についてその基礎的概念と手法を説明できる。
    14 統計解析の実践 矢野、藤原、石川、地嵜 Excel等のソフトウェアを用いて基本的な統計解析が実践できる。 E3-(1)-⑤-5,6
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 統計分布と要約統計量
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 正規分布などの統計分布と要約統計量について説明できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-1

    No.2

    学習項目 正規分布
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 正規分布の性質について説明し、検定に活用できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-1,3

    No.3

    学習項目 検定と検出力、信頼区間、二群間平均値比較
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 検定の概念を理解し、検出力、信頼区間について説明できる。t分布などの代表的な分布について概説でき、主な二群間平均値比較法を実践できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-1,2,3,4,5

    No.4

    学習項目 回帰分析、相関解析
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 回帰分析及び相関解析の原理を理解し、実践できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-6

    No.5

    学習項目 数学モデルの構築と解析、多変量解析
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 条件にあった数学モデルを微分方程式で構築できる。多変量解析の意義を説明でき、解析結果を解釈できる。
    SBOコード
    E3-(1)-⑤-6

    No.6

    学習項目 ラプラス変換と数理モデル
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 ☆ラプラス変換の手法により簡単な微分方程式を解くことができる。
    SBOコード

    No.7

    学習項目 多重比較法、分散分析
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 多群間比較の意義とその方法について説明できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-4,5

    No.8

    学習項目 カイ二乗検定、オッズ比などの分割表評価パラメータ
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 分割表データの解析について説明し、主なパラメータの計算と評価が実践できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-5
    E3-(1)-⑥-9

    No.9

    学習項目 生存時間解析
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 生存時間解析の基本原理を説明し、解析結果を解釈できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-7

    No.10

    学習項目 臨床試験デザインと統計的評価、医薬品開発と統計
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 臨床試験の種類と目的についてデータ解析の観点から説明できる。医薬品開発の流れを理解し、関連する主な統計学用語について説明できる。
    SBOコード E3-(1)-⑥-1,3,5,6,8

    No.11

    学習項目 英語臨床統計論文を読む
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 代表的な英語臨床論文を読みその概要を理解し、説明できる。
    SBOコード
    E3-(1)-⑥-7

    No.12

    学習項目 研究に必要な法規、倫理的配慮。臨床研究、疫学研究における統計解析時の注意点、副作用因果関係の評価
    担当教員 矢野
    学生の到達目標 特に臨床研究を行うにあたり必要な法規、倫理的配慮について説明できる。バイアスや交絡など、臨床研究や疫学研究の統計解析を行う上での注意点を説明できる。副作用判定アルゴリズムについて概説できる。
    SBOコード A-(2)-④-1
    G-(2)-1,2
    E3-(1)-⑥-2,4,7

    No.13

    学習項目 遺伝統計学の基礎
    担当教員 矢野、地嵜
    学生の到達目標 基礎および臨床における遺伝統計学についてその基礎的概念と手法を説明できる。
    SBOコード

    No.14

    学習項目 統計解析の実践
    担当教員 矢野、藤原、石川、地嵜
    学生の到達目標 Excel等のソフトウェアを用いて基本的な統計解析が実践できる。
    SBOコード E3-(1)-⑤-5,6

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    実務経験

    矢野義孝
    業種:製薬企業

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    3-5、7-12 16年間製薬企業の臨床薬理部門に在籍し、新薬開発に係る臨床試験デザインの立案や薬物動態/薬効データ等の統計解析、申請資料の作成などを実施してきた。これらの経験を生かし、受講者には医薬品開発への統計手法の適用例を具体的にあげながら実践的な内容を伝える。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    薬学数理統計 矢野義孝 京都廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    授業で適宜紹介する

    成績評価方法・基準

     定期試験(90%)、レポート(10%) (レポートはコンピュータ計算を中心とした内容とし授業中に指示する)。

    評価のフィードバック

     定期試験後に、解説等を掲示にて公開する。