• 免疫学

    [Immunology]

    開講情報
    • 2年次後期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授田中 智之

      教授藤室 雅弘

      助教渡部 匡史

    備考  

    概要

    免疫系は、病原微生物やがん細胞、ウイルス感染細胞といった生体内の恒常性を乱す要因を攻撃するシステムであるが、自己組織や共存する微生物に対してはこれを寛容する。その背景には自己と非自己を峻別するための精妙な仕組みがある。近年、感染症やがんといった疾患のみならず、様々な慢性疾患の背景に免疫系の異常があることが明らかになりつつある。また、抗体医薬のように免疫系の特徴を利用した新たな治療法も開発されている。本講義では免疫応答の基本的な機序を理解し、このシステムの破綻が様々な疾患に結びつくことを理解することを目標とする。

    授業の一般目標

    ヒトの免疫系を理解するために、免疫系を構成する細胞・器官・組織、免疫応答の仕組みと制御機構、免疫系の破綻と疾患、免疫応答に関連する医薬品、あるいは免疫反応を利用した測定法などの知識を修得する。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2

    準備学習(予習・復習)

    教科書や参考資料に目を通すなどの予習を行ったうえで講義に臨むこと。受講後は教科書、配布プリントとノートを用いて復習をすること。また、理解できなかった点は(講義終了後に)質問すること。予習復習を合わせ、各講義あたり概ね150分の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 免疫学概論 藤室 免疫反応の特徴(自然免疫、獲得免疫、自己と非自己、特異性、記憶、関与する細胞および組織)を説明できる。 C8-(1)-①-1~4
    C8-(1)-②-1~3
    2 自然免疫(1) 藤室 生体バリアと補体を説明できる。
    食細胞(ファゴサイト)、樹状細胞、NK細胞を説明できる。
    C8-(1)-①-1
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(2)-①-6
    3 自然免疫(2) 藤室 自然免疫シグナル(Toll様受容体、インフラマソーム)を説明できる。 C8-(1)-①-1~4
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(1)-③-1
    4 獲得免疫(1) 渡部 獲得免疫系の概要をとらえる。抗原提示細胞による抗原捕捉と抗原提示、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の構造と機能、抗原のプロセッシングについて説明できる。 C8-(1)-①-3,4
    C8-(1)-②-1~3
    C8-(1)-③-1,2
    5 獲得免疫(2) 渡部 獲得免疫系における抗原認識:T細胞およびB細胞の初期分化、T細胞受容体(TCR)およびB細胞受容体(BCR)の多様性獲得機構、抗体の機能と構造を説明できる。 C8-(1)-①-2
    C8-(1)-②-2
    C8-(1)-③-3,4
    6 獲得免疫(3) 渡部 細胞性免疫におけるT細胞の役割や活性化機構を説明できる。また、各T細胞サブセットそれぞれの活性化機構、サイトカイン産生・作用を含めた機能を説明できる。 C8-(1)-①-2,4
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(1)-③-1,3,5
    7 獲得免疫(4) 渡部 液性免疫におけるB細胞の役割、活性化・分化機構、免疫記憶の成立を説明できる。 C8-(1)-①-2,4
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(1)-③-4
    8 免疫寛容 渡部 免疫寛容の機構を説明できる。 C8-(1)-①-2
    C8-(1)-②-3
    9 感染応答(免疫応答のまとめ) 田中 病原微生物の感染に対する免疫応答の流れを説明できる。 C8-(1)-①-3
    C8-(1)-②-3
    C8-(1)-③-2,5
    C8-(2)-①-5
    10 腫瘍免疫 田中 キラーT細胞の活性化、腫瘍抗原、免疫監視のメカニズムを説明できる。 C8-(2)-①-6
    11 炎症応答 田中 炎症反応、即時型アレルギーを説明できる。 C8-(2)-①-1,2
    12 自己免疫疾患・免疫不全症候群 田中 免疫寛容の破綻、自己免疫疾患、免疫不全症候群を説明できる。 C8-(2)-①-3
    13 移植免疫 田中 MHCの多型、GVHD、移植免疫、免疫抑制剤を説明できる。 C8-(2)-①-4
    14 抗体の応用 田中 抗体を用いた測定法、ワクチン、血清療法、抗体医薬を説明できる。 C8-(2)-②-1〜4
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 免疫学概論
    担当教員 藤室
    学生の到達目標 免疫反応の特徴(自然免疫、獲得免疫、自己と非自己、特異性、記憶、関与する細胞および組織)を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-1~4
    C8-(1)-②-1~3

    No.2

    学習項目 自然免疫(1)
    担当教員 藤室
    学生の到達目標 生体バリアと補体を説明できる。
    食細胞(ファゴサイト)、樹状細胞、NK細胞を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-1
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(2)-①-6

    No.3

    学習項目 自然免疫(2)
    担当教員 藤室
    学生の到達目標 自然免疫シグナル(Toll様受容体、インフラマソーム)を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-1~4
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(1)-③-1

    No.4

    学習項目 獲得免疫(1)
    担当教員 渡部
    学生の到達目標 獲得免疫系の概要をとらえる。抗原提示細胞による抗原捕捉と抗原提示、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の構造と機能、抗原のプロセッシングについて説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-3,4
    C8-(1)-②-1~3
    C8-(1)-③-1,2

    No.5

    学習項目 獲得免疫(2)
    担当教員 渡部
    学生の到達目標 獲得免疫系における抗原認識:T細胞およびB細胞の初期分化、T細胞受容体(TCR)およびB細胞受容体(BCR)の多様性獲得機構、抗体の機能と構造を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-2
    C8-(1)-②-2
    C8-(1)-③-3,4

    No.6

    学習項目 獲得免疫(3)
    担当教員 渡部
    学生の到達目標 細胞性免疫におけるT細胞の役割や活性化機構を説明できる。また、各T細胞サブセットそれぞれの活性化機構、サイトカイン産生・作用を含めた機能を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-2,4
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(1)-③-1,3,5

    No.7

    学習項目 獲得免疫(4)
    担当教員 渡部
    学生の到達目標 液性免疫におけるB細胞の役割、活性化・分化機構、免疫記憶の成立を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-2,4
    C8-(1)-②-2,3
    C8-(1)-③-4

    No.8

    学習項目 免疫寛容
    担当教員 渡部
    学生の到達目標 免疫寛容の機構を説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-2
    C8-(1)-②-3

    No.9

    学習項目 感染応答(免疫応答のまとめ)
    担当教員 田中
    学生の到達目標 病原微生物の感染に対する免疫応答の流れを説明できる。
    SBOコード C8-(1)-①-3
    C8-(1)-②-3
    C8-(1)-③-2,5
    C8-(2)-①-5

    No.10

    学習項目 腫瘍免疫
    担当教員 田中
    学生の到達目標 キラーT細胞の活性化、腫瘍抗原、免疫監視のメカニズムを説明できる。
    SBOコード C8-(2)-①-6

    No.11

    学習項目 炎症応答
    担当教員 田中
    学生の到達目標 炎症反応、即時型アレルギーを説明できる。
    SBOコード C8-(2)-①-1,2

    No.12

    学習項目 自己免疫疾患・免疫不全症候群
    担当教員 田中
    学生の到達目標 免疫寛容の破綻、自己免疫疾患、免疫不全症候群を説明できる。
    SBOコード C8-(2)-①-3

    No.13

    学習項目 移植免疫
    担当教員 田中
    学生の到達目標 MHCの多型、GVHD、移植免疫、免疫抑制剤を説明できる。
    SBOコード C8-(2)-①-4

    No.14

    学習項目 抗体の応用
    担当教員 田中
    学生の到達目標 抗体を用いた測定法、ワクチン、血清療法、抗体医薬を説明できる。
    SBOコード C8-(2)-②-1〜4

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    基礎免疫学 アバス-リックマン-ピレ 原著第5版 電子書籍(日本語版・英語版)付 A.K. Abbas, A.H. Lichtman, S. Pillai(訳 松島網治 山田幸宏)  Elsevier

    成績評価方法・基準

    定期試験の成績(100%)で評価する。

    評価のフィードバック

    試験の講評を掲示する。