• テーラーメイド薬物治療学

    [Tailor-made Pharmacotherapeutics]

    開講情報
    • 3年次前期

      講義SGD

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授西口 工司

      教授栄田 敏之

      講師辻本 雅之

      講師伊藤 由佳子

      助教峯垣 哲也

      助教河渕 真治

    備考  

    概要

     患者の生理的状態や疾患の状態などを考慮して、患者個々に投与設計を行うことをテーラーメイド薬物治療という。患者の遺伝的素因に基づく薬物治療の個別化を指すことが多いが、一方で、年齢、性別、体重、腎機能などを考慮した投与設計も、テーラーメイド薬物治療の一手法といえる。
     本講義では、患者個々に合理的な薬物療法を行うために、少し複雑な系における薬物動態と投与計画の基本を理解した上で、合併症、遺伝的素因、年齢的要因、生理的要因を考慮した薬物治療の個別化に関して学習する。

    授業の一般目標

     個々の患者に応じた投与計画を立案できるようになるために、薬物治療の個別化に関する基本的知識と技能を修得する。

    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2

    準備学習(予習・復習)

     事前に教科書や配布したプリントに目を通すなど、予習した上で講義に臨むこと。受講後は、必ず講義当日のうちに講義内容を見直し、練習問題を使用するなどして復習すること。予習と復習を合わせて1週間あたり150分程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 テーラーメイド薬物治療とは 栄田 テーラーメイド薬物治療の概念を理解する。 E4-(2)-②-3
    2 非線形薬物動態 栄田 非線形薬物動態を理解する。 E4-(2)-①-3
    3 線形2-コンパートメントモデル解析 栄田 線形2-コンパートメントモデルを理解し、薬物動態パラメータを算出する。 E4-(2)-①-1
    4 投与計画の基本 (1) 伊藤 投与計画に関する基本的な考え方を理解する。 E4-(2)-①-2
    5 投与計画の基本 (2) 伊藤 蓄積率、負荷投与量の考え方を理解する。非線形薬物動態時の投与計画を理解する。 E2-(5)-③-1, E2-(6)-④-1,
    E4-(2)-②-3
    6 合併症を考慮した薬物治療 (1) 辻本 腎機能低下時における薬物動態と、薬物治療・投与設計について注意すべき点を説明できる。 E3-(3)-③-1、F-(3)-③-1, 2
    7 合併症を考慮した薬物治療 (2) 辻本 肝機能低下、心機能低下、低アルブミン血症などの患者における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。 E3-(3)-③-2,3、E3-(3)-④-3、F-(3)-③-1, 2
    8 ポピュレーションファーマコキネティクス 河渕 ポピュレーションファーマコキネティクスを理解する。 E4-(2)-②-4
    9 血中濃度測定による薬物治療の個別化 辻本 治療薬物モニタリング(TDM)の意義を理解する。また、TDMが必要とされる代表的薬物を列挙し、それぞれの特徴を理解する。 E2-(1)-④-1、E2-(2)-④-1、E2-(3)-④-1、E2-(4)-③-1、E2-(7)-⑩-1、 E4-(2)-②-1,2,3、
    F-(3)-④-5
    10 遺伝的素因を考慮した薬物治療(1) 西口 薬物の作用発現に及ぼす代表的な遺伝的素因について、例を挙げて説明できる。 E3-(3)-①-1,3、E3-(3)-⑤-2
    11 遺伝的素因を考慮した薬物治療(2) 西口 薬物動態に及ぼす代表的な遺伝的素因について、例を挙げて説明できる。 E3-(3)-①-2、3
    12 年齢的要因を考慮した薬物治療 西口 新生児、乳児、幼児、小児、高齢者に対する薬物治療で注意すべき点を説明できる。 E3-(3)-②-1、2
    13 生理的要因を考慮した薬物治療 峯垣 妊娠・授乳期における薬物動態と、生殖・妊娠・授乳期の薬物治療で注意すべき点を理解する。 E3-(3)-④-1, 2, 3
    14 テーラーメイド薬物治療の意義と薬剤師の役割 西口、辻本、峯垣 テーラーメイド薬物治療における薬剤師の役割を理解する。
    模擬症例に対する患者の問題点を抽出できる。
    適切な薬物治療を行うために必要な処方提案について討議する。
    E3-(3)-⑤-1
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 テーラーメイド薬物治療とは
    担当教員 栄田
    学生の到達目標 テーラーメイド薬物治療の概念を理解する。
    SBOコード E4-(2)-②-3

    No.2

    学習項目 非線形薬物動態
    担当教員 栄田
    学生の到達目標 非線形薬物動態を理解する。
    SBOコード E4-(2)-①-3

    No.3

    学習項目 線形2-コンパートメントモデル解析
    担当教員 栄田
    学生の到達目標 線形2-コンパートメントモデルを理解し、薬物動態パラメータを算出する。
    SBOコード E4-(2)-①-1

    No.4

    学習項目 投与計画の基本 (1)
    担当教員 伊藤
    学生の到達目標 投与計画に関する基本的な考え方を理解する。
    SBOコード E4-(2)-①-2

    No.5

    学習項目 投与計画の基本 (2)
    担当教員 伊藤
    学生の到達目標 蓄積率、負荷投与量の考え方を理解する。非線形薬物動態時の投与計画を理解する。
    SBOコード E2-(5)-③-1, E2-(6)-④-1,
    E4-(2)-②-3

    No.6

    学習項目 合併症を考慮した薬物治療 (1)
    担当教員 辻本
    学生の到達目標 腎機能低下時における薬物動態と、薬物治療・投与設計について注意すべき点を説明できる。
    SBOコード E3-(3)-③-1、F-(3)-③-1, 2

    No.7

    学習項目 合併症を考慮した薬物治療 (2)
    担当教員 辻本
    学生の到達目標 肝機能低下、心機能低下、低アルブミン血症などの患者における薬物動態と、薬物治療・投与設計において注意すべき点を説明できる。
    SBOコード E3-(3)-③-2,3、E3-(3)-④-3、F-(3)-③-1, 2

    No.8

    学習項目 ポピュレーションファーマコキネティクス
    担当教員 河渕
    学生の到達目標 ポピュレーションファーマコキネティクスを理解する。
    SBOコード E4-(2)-②-4

    No.9

    学習項目 血中濃度測定による薬物治療の個別化
    担当教員 辻本
    学生の到達目標 治療薬物モニタリング(TDM)の意義を理解する。また、TDMが必要とされる代表的薬物を列挙し、それぞれの特徴を理解する。
    SBOコード E2-(1)-④-1、E2-(2)-④-1、E2-(3)-④-1、E2-(4)-③-1、E2-(7)-⑩-1、 E4-(2)-②-1,2,3、
    F-(3)-④-5

    No.10

    学習項目 遺伝的素因を考慮した薬物治療(1)
    担当教員 西口
    学生の到達目標 薬物の作用発現に及ぼす代表的な遺伝的素因について、例を挙げて説明できる。
    SBOコード E3-(3)-①-1,3、E3-(3)-⑤-2

    No.11

    学習項目 遺伝的素因を考慮した薬物治療(2)
    担当教員 西口
    学生の到達目標 薬物動態に及ぼす代表的な遺伝的素因について、例を挙げて説明できる。
    SBOコード E3-(3)-①-2、3

    No.12

    学習項目 年齢的要因を考慮した薬物治療
    担当教員 西口
    学生の到達目標 新生児、乳児、幼児、小児、高齢者に対する薬物治療で注意すべき点を説明できる。
    SBOコード E3-(3)-②-1、2

    No.13

    学習項目 生理的要因を考慮した薬物治療
    担当教員 峯垣
    学生の到達目標 妊娠・授乳期における薬物動態と、生殖・妊娠・授乳期の薬物治療で注意すべき点を理解する。
    SBOコード E3-(3)-④-1, 2, 3

    No.14

    学習項目 テーラーメイド薬物治療の意義と薬剤師の役割
    担当教員 西口、辻本、峯垣
    学生の到達目標 テーラーメイド薬物治療における薬剤師の役割を理解する。
    模擬症例に対する患者の問題点を抽出できる。
    適切な薬物治療を行うために必要な処方提案について討議する。
    SBOコード E3-(3)-⑤-1

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    実践 薬物速度論 栄田敏之、伊藤由佳子、河渕真治 京都廣川書店
    次世代型調剤論 西口工司、辻本雅之、峯垣哲也 京都廣川書店

    成績評価方法・基準

     定期試験の成績にて評価する。(100%)

    評価のフィードバック

     合格発表日以降、Web上で公開する。