[Foreign Literature B]
開講情報 |
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担当教員 |
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備考 |
近年、世界的にファンタジーの価値が再認識されつつあるようである。『ハリー・ポッター』シリーズが世界中で愛読され、『ナルニア国物語』や『指輪物語』、『ホビットの冒険』など古典的名作の映画化が依然として続いていることからもそれが窺える。なぜファンタジーは人の心を惹きつけるのだろうか。それは、単に読者が非現実的世界の中で空想の愉悦を経験できるからというだけではなく、現実のより深い次元における普遍的真実を読み取ることが可能であるからだろう。受講生の皆さんには、ファンタジー=子供っぽい、あるいは荒唐無稽な物語という固定観念にとらわれず、その中に描出された人間、社会、文化の在りようの根本について考えてもらいたいと思う。
本講義では西洋の作品について、日本の作品とも比較しつつ、多角的に考察していきたい。
実際にファンタジー作品を取り上げてストーリーを辿りながら、それぞれの物語の深層に存在する意味を考察する。また、大学生にふさわしい教養として、西洋(主にイギリス)の文化、地理、歴史、宗教等に関する知識の獲得を目指す。
講義で扱う作品については事前に(翻訳で構わないので)一読し、ストーリーをよく理解しておくこと。また、参考文献を紹介した場合は、それも読んでおくこと。これらの読書に要する時間は概ね一週当り150分程度を想定している。
No. | 学習項目 | 担当教員 | 学生の到達目標 |
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1 | ファンタジーとは(1) | 今井 | 物語を作る(語る)ことの歴史や意義が理解できる。ファンタジーの一般的な特徴について説明できる。 |
2 | ファンタジーとは(2) |
今井 | 民話、お伽噺、『千と千尋の神隠し』などを基に、日本的ファンタジーの特徴を説明できる。 |
3 | The Lion, the Witch and the Wardrobe 『ナルニア国物語』第1巻 | 今井 | 作者が理想とする世界とイギリス社会との関係について説明できる。LucyのストーリーとEdmundのストーリーとを比較し、Edmundの存在意義について説明できる。 |
4 | The Lion, the Witch and the Wardrobe | 今井 | 作品の聖書的意味を認識できる。二項対立的作品世界について考察することができる。 |
5 | The Silver Chair 『ナルニア国物語』第4巻 | 今井 | 特に、ナルニアにおける父性/母性、善/悪、光/影の関係について説明できる。 |
6 | Harry Potter and the Philosopher's Stone | 今井 | Harry Potterシリーズが、伝統的な文学のジャンルを融合させた作品であることを認識できる。作品を通してイギリスの風景や文化を知ることができる。 |
7 | Harry Potter and the Philosopher's Stone | 今井 | Harryのアイデンティティーの確立過程について理解できる。 |
8 | Harry Potter and the Prisoner of Azkaban | 今井 | 登場人物が内包する曖昧さを通して、善悪のテーマに対する作者の姿勢を理解することができる。 |
9 | A Wizard of Earthsea『ゲド戦記』第1巻 |
今井 | 魔法(界)の描き方についてHarry Potterシリーズとの類似点・相違点を認識できる。作品の東洋的な色彩を理解できる。 |
10 | Paddington Bear |
今井 | 英文学史における動物物語というジャンルの意味が理解できる。文学解釈の自由さを認識できる。 |
11 | Gulliver's Travels 『ガリヴァー旅行記』 |
今井 | 主人公が訪れる奇妙な国々の二項対立的構造を理解できる。 |
12 | Gulliver's Travels | 今井 | 作中で主人公の寄港先として描かれる「日本」の意味について考察できる。 |
13 | Gulliver's Travels | 今井 | 4度の航海を経験した主人公のアイデンティティーの構築と崩壊の過程を理解することができる。 |
14 | Le Ptit Prince『星の王子さま』 | 今井 | 王子さまと語り手、キツネ、バラ、ヘビとの微妙な関係の中に、作者のメッセージを読み取ることができる。王子さまのアイデンティティーの問題について考察することができる。 |
15 | 総括・まとめ |
No.1
学習項目 | ファンタジーとは(1) |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 物語を作る(語る)ことの歴史や意義が理解できる。ファンタジーの一般的な特徴について説明できる。 |
No.2
学習項目 | ファンタジーとは(2) |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 民話、お伽噺、『千と千尋の神隠し』などを基に、日本的ファンタジーの特徴を説明できる。 |
No.3
学習項目 | The Lion, the Witch and the Wardrobe 『ナルニア国物語』第1巻 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 作者が理想とする世界とイギリス社会との関係について説明できる。LucyのストーリーとEdmundのストーリーとを比較し、Edmundの存在意義について説明できる。 |
No.4
学習項目 | The Lion, the Witch and the Wardrobe |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 作品の聖書的意味を認識できる。二項対立的作品世界について考察することができる。 |
No.5
学習項目 | The Silver Chair 『ナルニア国物語』第4巻 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 特に、ナルニアにおける父性/母性、善/悪、光/影の関係について説明できる。 |
No.6
学習項目 | Harry Potter and the Philosopher's Stone |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | Harry Potterシリーズが、伝統的な文学のジャンルを融合させた作品であることを認識できる。作品を通してイギリスの風景や文化を知ることができる。 |
No.7
学習項目 | Harry Potter and the Philosopher's Stone |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | Harryのアイデンティティーの確立過程について理解できる。 |
No.8
学習項目 | Harry Potter and the Prisoner of Azkaban |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 登場人物が内包する曖昧さを通して、善悪のテーマに対する作者の姿勢を理解することができる。 |
No.9
学習項目 | A Wizard of Earthsea『ゲド戦記』第1巻 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 魔法(界)の描き方についてHarry Potterシリーズとの類似点・相違点を認識できる。作品の東洋的な色彩を理解できる。 |
No.10
学習項目 | Paddington Bear |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 英文学史における動物物語というジャンルの意味が理解できる。文学解釈の自由さを認識できる。 |
No.11
学習項目 | Gulliver's Travels 『ガリヴァー旅行記』 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 主人公が訪れる奇妙な国々の二項対立的構造を理解できる。 |
No.12
学習項目 | Gulliver's Travels |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 作中で主人公の寄港先として描かれる「日本」の意味について考察できる。 |
No.13
学習項目 | Gulliver's Travels |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 4度の航海を経験した主人公のアイデンティティーの構築と崩壊の過程を理解することができる。 |
No.14
学習項目 | Le Ptit Prince『星の王子さま』 |
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担当教員 | 今井 |
学生の到達目標 | 王子さまと語り手、キツネ、バラ、ヘビとの微妙な関係の中に、作者のメッセージを読み取ることができる。王子さまのアイデンティティーの問題について考察することができる。 |
No.15
学習項目 | 総括・まとめ |
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担当教員 | |
学生の到達目標 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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適宜資料を配布する。 |
書名 | 著者名 | 出版社名 |
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講義中に指示する。 |
定期試験(100%)により評価する。
講評は、合格発表以降掲示にて公開する。
オフィスアワーは火曜15:00~17:00(育心館4F)