• 医療の担い手としてのこころ構えC

    [Attitude foward medical care C]

    開講情報
    • 3年次前期

      講義SGD

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授藤室 雅弘

      進路支援部 進路支援課

    備考  

    概要

     科学の進歩や医療制度の変遷に伴って医療の在り方は変化する。今後もCOVID-19のような私たちの生活様式や価値観など社会全体を大きく変える出来事が起これば、医療人に求められる役割もまた変化する。
     医療を中心とした社会のさまざまな専門領域においてこうした変化に対処し、社会に真に貢献するためには、薬学に関する高度の専門性や、薬学が依って立つ科学的な知見が非常に重要である。
     本科目では、社会の様々な領域において薬剤師あるいは薬学部出身者として活躍する専門家から、大学で学ぶ薬学の専門知識や能力、科学の素養がそれぞれの現場でどのように活かされているのかについて学ぶ。
     なお「医療の担い手としてのこころ構えA」で学んだ基本的事項、「医療の担い手としてのこころ構えB」で学んだ具体的な場面を想定した実践的な取り組み方を踏まえ、本科目では、医療をはじめとする様々な領域における薬剤師あるいは薬学出身者の心構えを学ぶ。
     講義は対面講義7回、中継講義7回で実施します。

    授業の一般目標

     ファーマシスト・サイエンティストが果たしている社会的役割の多様性を理解する。また、各講義回に招く講師が日々現場で向き合う課題やそこで求められている能力、職業倫理について理解する。そして、各回の講義を通して理解したことを自分の言葉で他者に伝わるように説明することができる。その際、入学してからこれまでの薬学の学びに対する、自分なりの意味づけができる。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP2・DP3・DP4・DP5

    準備学習(予習・復習)

     次回の学習項目に該当する内容に関して、予習した上で講義に臨むこと。受講後は、講義内容や配付物等を見直し、要点をまとめるなど復習すること。予習・復習あわせて1週あたり150分程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 オリエンテーション
    アカデミアでの活躍
    藤室
    戸田
    常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動することについて自らの考えを述べることができる。
    薬学が総合科学であることを認識し、薬剤師の役割と学習内容を関連づけることができる。
    ☆学習の目的および全体の受講について理解する。
    A-(1)-①-1
    A-(5)-②-2
    2 薬学部卒業生の国家公務員の仕事 太田
    吉岡
    かかりつけ薬局・薬剤師による薬学的管理の意義および医療費の適正化に薬局が果たす役割について説明できる。
    地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア)およびその意義について説明できる。
    ☆国家公務員としての薬学出身者の役割について理解する。
    B-(4)-①-3,6
    F-(4)-②-1
    3 薬学部卒業生の地方公務員の仕事 石橋 地域の保健、医療、福祉において利用可能な社会資源について概説できる。
    ☆地方公務員としての薬剤師の業務と役割について理解する。
    B-(4)-②-4
    4 製薬企業におけるPV職の業務と役割 水谷 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業におけるPV職の業務や役割を理解する。
    A-(5)-④-1,2
    5 製薬企業における研究職の業務と役割 西尾 医薬品の創製(研究開発等)における薬剤師の役割について説明できる。
    医薬品の開発から承認までのプロセスと法規範について概説できる。
    ☆製薬企業における研究職の業務や役割を理解する。
    A-(1)-②-5
    B-(2)-②-2
    6 製薬企業におけるMR職の役割と業務内容 小池 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業における営業・マーケティング部門の業務や役割を理解する。
    A-(5)-④-1,2
    7 製薬企業におけるMSL職の業務と役割 平田 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業におけるMSLの業務や役割を理解する。
    A-(5)-④-1,2
    8 製薬企業における生産技術職の業務と役割 置田 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業における生産技術職の業務や役割を理解する。
    A-(5)-④-1,2
    9 大学病院における薬剤師の活動と役割 村川 「ヒトを対象とする研究において遵守すべき倫理指針」について概説できる。
    生涯にわたって自ら学習する重要性を認識し、その意義について説明できる。
    病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    病院薬剤部門を構成する各セクションの業務を列挙し、その内容と関連を概説できる。
    ☆大学病院での高度先進的な医療と地域医療における薬剤師の役割を理解する。
    A-(2)-④-2
    A-(5)-③-1
    F-(1)-③-1,3
    10 中規模病院における薬剤師の活動と役割 土手 病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    現代社会が抱える課題に対して、薬剤師が果たすべき役割を提案できる。
    病院薬剤部門を構成する各セクションの業務を列挙し、その内容と関連を概説できる。
    保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
    チーム医療における薬剤師の役割と重要性について説明できる。
    地域から求められる医療提供施設、福祉施設及び行政との連携について説明できる。
    ☆中規模病院における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    A-(4)-1
    A-(1)-②-8
    F-(1)-③-1,3
    F-(4)-①-1
    B-(4)-②-5
    11 薬局薬剤師として地域に出来ること 古田能 地域における薬局の機能と業務について説明できる。
    医薬分業の意義と動向を説明できる。
    健康管理、疾病予防、セルフメディケーション及び公衆衛生における薬剤師の役割について説明できる。
    在宅医療及び居宅介護における薬局と薬剤師の役割について理解し、在宅医療・介護の目的や支援内容、患者の特色や背景を理解し、それらに関わる薬剤師の役割とその重要性について説明できる。
    地域における医療機関と薬局薬剤師の連携の重要性を討議できる。
    災害時医療について説明できる。
    災害時の薬局の役割について説明できる。
    学校薬剤師の役割について説明できる。
    ☆薬剤師の現状と、地域医療における次世代の薬剤師の活動や役割を理解する。
    A-(1)-②-6
    B-(4)-①-1,2,4,5
    B-(4)-②-2,3
    F-(4)-②-2
    F-(5)-①-1,2,3
    F-(5)-④-1
    12 患者が望む薬剤師像 患者等の心身に及ぼす病気やケアの影響について理解し、健康の回復と維持に積極的に貢献することへの責任感を持つことができる。
    患者等のために薬剤師が果たすべき役割を自覚することができる。
    患者等の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識し、多様な価値観に配慮して行動できる。
    ☆次世代の薬剤師に患者が期待する活動や役割を理解する。
    A-(1)-①-2
    A-(1)-②-1
    A-(2)-③-1
    A-(3)-②-1,2
    13 研究能力を生かしたメディカルライターの役割 重見
    黒田
    薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆研究能力を生かしたメディカルライターの役割を理解する。
    A-(5)-④-1,2
    14 主体的なキャリア選択
    ―製薬ベンチャーの社会貢献―
    浦田 薬剤師の活動分野(医療機関、薬局、製薬企業、衛生行政等)と社会における役割について説明できる。
    医療・福祉・医薬品に関わる問題、社会的動向、科学の進歩に常に目を向け、自ら課題を見出し、解決に向けて努力することができる。
    「薬剤師として求められる基本的な資質」について具体例を挙げて説明できる。
    ☆薬学出身者の活動分野と社会における役割について討議し、説明できる。社会で活躍する薬学部出身者の活動を概説できる。
    A-(1)-②-2
    A-(5)-①-1
    A-(5)-②-1
    F-(1)-②-3
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 オリエンテーション
    アカデミアでの活躍
    担当教員 藤室
    戸田
    学生の到達目標 常に患者・生活者の視点に立ち、医療の担い手としてふさわしい態度で行動することについて自らの考えを述べることができる。
    薬学が総合科学であることを認識し、薬剤師の役割と学習内容を関連づけることができる。
    ☆学習の目的および全体の受講について理解する。
    SBOコード A-(1)-①-1
    A-(5)-②-2

    No.2

    学習項目 薬学部卒業生の国家公務員の仕事
    担当教員 太田
    吉岡
    学生の到達目標 かかりつけ薬局・薬剤師による薬学的管理の意義および医療費の適正化に薬局が果たす役割について説明できる。
    地域の保健、医療、福祉に関わる職種とその連携体制(地域包括ケア)およびその意義について説明できる。
    ☆国家公務員としての薬学出身者の役割について理解する。
    SBOコード B-(4)-①-3,6
    F-(4)-②-1

    No.3

    学習項目 薬学部卒業生の地方公務員の仕事
    担当教員 石橋
    学生の到達目標 地域の保健、医療、福祉において利用可能な社会資源について概説できる。
    ☆地方公務員としての薬剤師の業務と役割について理解する。
    SBOコード B-(4)-②-4

    No.4

    学習項目 製薬企業におけるPV職の業務と役割
    担当教員 水谷
    学生の到達目標 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業におけるPV職の業務や役割を理解する。
    SBOコード A-(5)-④-1,2

    No.5

    学習項目 製薬企業における研究職の業務と役割
    担当教員 西尾
    学生の到達目標 医薬品の創製(研究開発等)における薬剤師の役割について説明できる。
    医薬品の開発から承認までのプロセスと法規範について概説できる。
    ☆製薬企業における研究職の業務や役割を理解する。
    SBOコード A-(1)-②-5
    B-(2)-②-2

    No.6

    学習項目 製薬企業におけるMR職の役割と業務内容
    担当教員 小池
    学生の到達目標 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業における営業・マーケティング部門の業務や役割を理解する。
    SBOコード A-(5)-④-1,2

    No.7

    学習項目 製薬企業におけるMSL職の業務と役割
    担当教員 平田
    学生の到達目標 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業におけるMSLの業務や役割を理解する。
    SBOコード A-(5)-④-1,2

    No.8

    学習項目 製薬企業における生産技術職の業務と役割
    担当教員 置田
    学生の到達目標 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆製薬企業における生産技術職の業務や役割を理解する。
    SBOコード A-(5)-④-1,2

    No.9

    学習項目 大学病院における薬剤師の活動と役割
    担当教員 村川
    学生の到達目標 「ヒトを対象とする研究において遵守すべき倫理指針」について概説できる。
    生涯にわたって自ら学習する重要性を認識し、その意義について説明できる。
    病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    病院薬剤部門を構成する各セクションの業務を列挙し、その内容と関連を概説できる。
    ☆大学病院での高度先進的な医療と地域医療における薬剤師の役割を理解する。
    SBOコード A-(2)-④-2
    A-(5)-③-1
    F-(1)-③-1,3

    No.10

    学習項目 中規模病院における薬剤師の活動と役割
    担当教員 土手
    学生の到達目標 病院・薬局における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    現代社会が抱える課題に対して、薬剤師が果たすべき役割を提案できる。
    病院薬剤部門を構成する各セクションの業務を列挙し、その内容と関連を概説できる。
    保健、医療、福祉、介護における多職種連携協働及びチーム医療の意義について説明できる。
    チーム医療における薬剤師の役割と重要性について説明できる。
    地域から求められる医療提供施設、福祉施設及び行政との連携について説明できる。
    ☆中規模病院における薬剤師業務全体の流れを概説できる。
    SBOコード A-(4)-1
    A-(1)-②-8
    F-(1)-③-1,3
    F-(4)-①-1
    B-(4)-②-5

    No.11

    学習項目 薬局薬剤師として地域に出来ること
    担当教員 古田能
    学生の到達目標 地域における薬局の機能と業務について説明できる。
    医薬分業の意義と動向を説明できる。
    健康管理、疾病予防、セルフメディケーション及び公衆衛生における薬剤師の役割について説明できる。
    在宅医療及び居宅介護における薬局と薬剤師の役割について理解し、在宅医療・介護の目的や支援内容、患者の特色や背景を理解し、それらに関わる薬剤師の役割とその重要性について説明できる。
    地域における医療機関と薬局薬剤師の連携の重要性を討議できる。
    災害時医療について説明できる。
    災害時の薬局の役割について説明できる。
    学校薬剤師の役割について説明できる。
    ☆薬剤師の現状と、地域医療における次世代の薬剤師の活動や役割を理解する。
    SBOコード A-(1)-②-6
    B-(4)-①-1,2,4,5
    B-(4)-②-2,3
    F-(4)-②-2
    F-(5)-①-1,2,3
    F-(5)-④-1

    No.12

    学習項目 患者が望む薬剤師像
    担当教員
    学生の到達目標 患者等の心身に及ぼす病気やケアの影響について理解し、健康の回復と維持に積極的に貢献することへの責任感を持つことができる。
    患者等のために薬剤師が果たすべき役割を自覚することができる。
    患者等の価値観、人間性に配慮することの重要性を認識し、多様な価値観に配慮して行動できる。
    ☆次世代の薬剤師に患者が期待する活動や役割を理解する。
    SBOコード A-(1)-①-2
    A-(1)-②-1
    A-(2)-③-1
    A-(3)-②-1,2

    No.13

    学習項目 研究能力を生かしたメディカルライターの役割
    担当教員 重見
    黒田
    学生の到達目標 薬剤師の使命に後輩等の育成が含まれることを認識し、後輩等への適切な指導の必要性を理解し、自らの考えを述べることができる。
    ☆研究能力を生かしたメディカルライターの役割を理解する。
    SBOコード A-(5)-④-1,2

    No.14

    学習項目 主体的なキャリア選択
    ―製薬ベンチャーの社会貢献―
    担当教員 浦田
    学生の到達目標 薬剤師の活動分野(医療機関、薬局、製薬企業、衛生行政等)と社会における役割について説明できる。
    医療・福祉・医薬品に関わる問題、社会的動向、科学の進歩に常に目を向け、自ら課題を見出し、解決に向けて努力することができる。
    「薬剤師として求められる基本的な資質」について具体例を挙げて説明できる。
    ☆薬学出身者の活動分野と社会における役割について討議し、説明できる。社会で活躍する薬学部出身者の活動を概説できる。
    SBOコード A-(1)-②-2
    A-(5)-①-1
    A-(5)-②-1
    F-(1)-②-3

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    プリントを適宜配布する。

    成績評価方法・基準

     講義内で提示する課題への取り組み(30%)、および講義内容の理解度を問うレポート(70%)により評価する。
     なお、各回の課題に取り組むにあたっては、シラバスに記載されている「学習項目」や「学生の到達目標」を参考にして自分なりに事前に調べ、その職種にはどのような専門性や能力が特に求められるのかについて自分の言葉で説明できるよう意識すること。
     講義中の挙手、質問など積極的な取り組みを歓迎する。
     上記のことについて、具体的なことは第1回目のオリエンテーションで説明する。

    評価のフィードバック

     合格発表日以後、Web上(manaba)に公開する。

    非常勤講師

    太田 美紀(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 安全性情報・企画管理部長)
    吉岡 希恵(厚生労働省 大臣官房国際課 国際労働・協力室)
    石橋 真理子(大阪府 健康医療部 生活衛生室 薬務課 課長)
    水谷 寛人(小野薬品工業株式会社 信頼性保証本部 PVシステム部 PV管理室)
    西尾 光(EAファーマ株式会社 統合戦略本部 事業開発部)
    小池 晃広(中外製薬株式会社 中国第二支部 鳥取島根 オンコロジー1室)
    平田 拓也(アステラス製薬株式会社 メディカルアフェアーズ本部 メディカルサイエンスリエゾン部)
    置田 康典(扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 製薬技術研究部 透析剤開発課)
    村川 公央(岡山大学病院 薬剤部 副薬剤部長)
    土手 賢史(京都桂病院 薬剤科 係長)
    古田 能裕(株式会社 J.みらいメディカル)
    森 幸子(一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 理事)
    重見 善平(株式会社インフロント・メディカル・パブリケーションズ)
    黒田 絵莉子(株式会社インフロント・メディカル・パブリケーションズ)
    浦田 泰生(オンコリスバイオファーマ株式会社 代表取締役社長)

    備考(担当教員に対する質問等の連絡方法)

    非常勤講師への質問等はできるだけ授業時間内に行うこととし、後日の場合は進路支援課まで申し出ること。