• 薬品合成化学B

    [Synthetic Organic Chemistry B]

    開講情報
    • 3年次後期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授南部 寿則

      准教授小林 祐輔

      講師服部 恭尚

      講師友原 啓介

    備考  

    概要

     薬品合成化学Aに引き続き、ターゲット分子を合成するための種々の反応について学ぶ。特に、炭素-炭素骨格の構築、転位、官能基・位置・立体選択的合成、保護基、光学活性化合物を得る手法について学ぶ。また、医薬品の構造中に多く含まれる複素環について、その構造、性質、反応性について学ぶ。
     講義は対面講義6回(第1~6回)、およびオンデマンド型授業8回(第7~14回)で構成する。

    授業の一般目標

     ターゲット分子を合成するための炭素-炭素骨格構築反応、官能基、位置および立体選択的な反応、転位反応、Diels-Alder反応、ペリ環状反応、保護基の利用、光学活性化合物の合成法について理解する。また、複素環化学を理解する。 
     これまで学んだ有機化学が医薬品の合成にどのように利用されているかを理解する。

    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2

    準備学習(予習・復習)

     有機化学A~D及び薬品合成化学Aで学習した内容が基礎となるので、よく理解しておくこと。
    予習:授業でどのようなことを学ぶか知るために、その範囲に目を通してから授業に出席すること(30~60分)。復習:単に暗記するのではなく、反応機構などを考えながら復習すること(60~90分)。立体的な構造を考えるために分子模型は役立つ。分子模型を組み立て、見ながら勉強する癖をつけること(面倒臭いは禁句)。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(Ⅰ) 南部 官能基選択性を理解し、説明できる。 C3-(3)-④-1~3
    2 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(Ⅱ) 南部 位置選択的反応を理解し、説明できる。 C3-(2)-③-3
    3 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(Ⅲ) 南部 立体選択的反応について理解し、説明できる。 C3-(3)-④-1

    4 ターゲット分子の合成:光学活性化合物 南部 光学活性化合物を得るための手法を理解し、説明できる。
    5 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅰ) 友原 転位反応を用いた炭素骨格の構築法を理解し、説明できる。
    6 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅱ) 友原 転位反応を用いた炭素骨格の構築法を理解し、説明できる。
    7 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅲ) 小林(祐) Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。 C3-(2)-②-1
    C3-(3)-⑥-1
    ☆ 
    8 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅳ) 小林(祐) Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。 C3-(2)-②-1
    C3-(3)-⑥-1
    ☆ 
    9 ターゲット分子の合成:保護基 小林(祐) 官能基ごとの保護基を理解し、説明できる。 C3-(3)-③-1
    C3-(3)-④-1,2
    C3-(3)-⑤-1
    10 医薬品に含まれる複素環(Ⅰ) 服部 脂肪族複素環、芳香族複素環化合物を指摘し、分類できる。
    芳香族複素環の性質を芳香族性と関連付けて説明できる。
    C3-(3)-⑦-2
    C3-(2)-③-4
    C4-(3)-②-1
    C4-(3)-③-3
    11 医薬品に含まれる複素環(Ⅱ) 服部 代表的な芳香族複素環化合物の合成・反応性・配向性について説明できる。 C3-(2)-③-5
    12 医薬品に含まれる複素環(Ⅲ) 服部 代表的な芳香族複素環化合物の合成・反応性・配向性について説明できる。 C3-(2)-③-5
    13 医薬品の合成(Ⅰ) 小林(祐) 医薬品の合成について説明できる。
    C4-(3)-②-1
    14 医薬品の合成(Ⅱ)
    小林(祐) 医薬品の合成について説明できる。
    C4-(3)-②-1
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(Ⅰ)
    担当教員 南部
    学生の到達目標 官能基選択性を理解し、説明できる。
    SBOコード C3-(3)-④-1~3

    No.2

    学習項目 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(Ⅱ)
    担当教員 南部
    学生の到達目標 位置選択的反応を理解し、説明できる。
    SBOコード C3-(2)-③-3

    No.3

    学習項目 ターゲット分子の合成:官能基、位置および立体選択性(Ⅲ)
    担当教員 南部
    学生の到達目標 立体選択的反応について理解し、説明できる。
    SBOコード C3-(3)-④-1

    No.4

    学習項目 ターゲット分子の合成:光学活性化合物
    担当教員 南部
    学生の到達目標 光学活性化合物を得るための手法を理解し、説明できる。
    SBOコード

    No.5

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅰ)
    担当教員 友原
    学生の到達目標 転位反応を用いた炭素骨格の構築法を理解し、説明できる。
    SBOコード

    No.6

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅱ)
    担当教員 友原
    学生の到達目標 転位反応を用いた炭素骨格の構築法を理解し、説明できる。
    SBOコード

    No.7

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅲ)
    担当教員 小林(祐)
    学生の到達目標 Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。
    SBOコード C3-(2)-②-1
    C3-(3)-⑥-1
    ☆ 

    No.8

    学習項目 ターゲット分子の合成:炭素骨格の構築法(Ⅳ)
    担当教員 小林(祐)
    学生の到達目標 Diels-Alder反応を含むペリ環状反応を理解し、説明できる。
    SBOコード C3-(2)-②-1
    C3-(3)-⑥-1
    ☆ 

    No.9

    学習項目 ターゲット分子の合成:保護基
    担当教員 小林(祐)
    学生の到達目標 官能基ごとの保護基を理解し、説明できる。
    SBOコード C3-(3)-③-1
    C3-(3)-④-1,2
    C3-(3)-⑤-1

    No.10

    学習項目 医薬品に含まれる複素環(Ⅰ)
    担当教員 服部
    学生の到達目標 脂肪族複素環、芳香族複素環化合物を指摘し、分類できる。
    芳香族複素環の性質を芳香族性と関連付けて説明できる。
    SBOコード C3-(3)-⑦-2
    C3-(2)-③-4
    C4-(3)-②-1
    C4-(3)-③-3

    No.11

    学習項目 医薬品に含まれる複素環(Ⅱ)
    担当教員 服部
    学生の到達目標 代表的な芳香族複素環化合物の合成・反応性・配向性について説明できる。
    SBOコード C3-(2)-③-5

    No.12

    学習項目 医薬品に含まれる複素環(Ⅲ)
    担当教員 服部
    学生の到達目標 代表的な芳香族複素環化合物の合成・反応性・配向性について説明できる。
    SBOコード C3-(2)-③-5

    No.13

    学習項目 医薬品の合成(Ⅰ)
    担当教員 小林(祐)
    学生の到達目標 医薬品の合成について説明できる。
    SBOコード
    C4-(3)-②-1

    No.14

    学習項目 医薬品の合成(Ⅱ)
    担当教員 小林(祐)
    学生の到達目標 医薬品の合成について説明できる。
    SBOコード
    C4-(3)-②-1

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    実務経験

    友原 啓介
    業種:化学企業

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    5-6 医薬品原体の製造、及び製造プロセスの合理化研究に携わった経験を踏まえて、医薬品合成における各種炭素骨格構築法の役割と有用性を教授する。

    服部 恭尚
    業種:化学企業、その他(研究所)

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    10-12 化合物の構造的特徴に基づく性質や反応性は薬に関わる職種は当然のことながら、それ以外の分野でも利用されることがあることを教授する。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    有機医薬品合成化学-ターゲット分子の合成- 西出、前﨑 廣川書店
    プリント配布

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    スミス有機化学(上・下) 山本、大嶌、高井、忍久保、依光 化学同人
    ソロモンの新有機化学(Ⅰ・Ⅱ) 池田、上西、奥山、花房 廣川書店
    化学構造と薬理作用-医薬品を化学的に読む- 西出、佐々木、栄田 廣川書店

    成績評価方法・基準

     定期試験(90%)、小テスト(10%)

    評価のフィードバック

     manabaに掲載する。

  • 分析化学

    [Analytical Chemistry]

    開講情報
    • 1年次後期

      講義

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授安井 裕之

      助教内藤 行喜

    備考  

    概要

     分析とは「ある事象を分解してそれを構成する成分・要素・側面を明らかにする」ことを意味する。薬学において、医薬品や生体分子を含めた種々の物質の性質を理解するための最初のステップは、分析化学から始まる。この講義では、学生が「分析とは何か?」「分析化学は薬学や医療にどのように役立つのか?」を説明するために、分析化学の中で最も基本的な位置を占める溶液内の化学反応について理解し、実際の医薬品開発や薬剤師の職務に活かされていることを具体的に述べることができるようになる。これに並行して、学生が薬学領域の分析に関する初級から上級の演習問題に取り組み、解決のプロセスを自身で学ぶことで分析化学の理解を深める。
     この授業は、全て対面授業で実施する。

    授業の一般目標

     学生が薬学領域における分析化学の基本的な考え方を身につけ、その考え方を応用できる能力を養う。
    [関連する卒業認定・学位授与方針]DP1・DP2

    準備学習(予習・復習)

     学生は、事前に学習項目に対応する教科書や参考書の該当箇所に目を通すなど、予習をした上で講義に臨むこと。復習については、講義・板書内容に関する教科書の該当箇所を再読し、ノートにまとめる工夫をすること。予習復習を合わせて1週あたり150分程度の学修が必要である。
     講義毎に、課題に関するレポートの作成を実施する予定である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標
    1 分析化学の基礎 安井 分析化学の全体像を概説できる。
    日本薬局方収載の代表的な試験法を説明できる。
    2 溶液の作成、濃度計算、および実験データの取扱い方 安井 物質量、溶解度、溶液濃度の関係を理解して、溶液の濃度計算や溶液の作成ができる。分析結果の統計的処理法を説明できる。
    3 酸と塩基の概念 安井 酸・塩基の定義と意味を説明できる。
    4 化合物の酸・塩基解離 安井 化合物の酸・塩基解離現象と酸・塩基解離定数の意味を説明できる。
    5 緩衝溶液と多塩基酸 安井 緩衝液の作成法とpHを説明できる。多塩基酸の解離機構を説明できる。
    6 中和滴定および非水滴定 安井 中和滴定法の原理と技術を説明できる。非水滴定法の原理・医薬品定量への応用を説明できる。
    7 医薬品の酸・塩基平衡と演習 安井 医薬品の酸・塩基平衡に関する計算問題や演習問題を説明できる。
    8 薬剤師業務と分析化学 安井 臨床現場での薬剤師業務に活きている分析化学の概念を説明できる。
    9 キレート滴定の基礎 内藤 金属-配位子結合、錯体の安定度定数、キレート滴定法の原理を説明できる。
    10 キレート滴定の応用 内藤 キレート滴定法の応用を説明できる。
    11 酸化と還元の概念 内藤 酸化と還元の考え方を説明できる。
    12 酸化還元滴定 内藤 酸化還元滴定の原理と技術を説明できる。
    13 沈殿平衡と沈殿滴定 内藤 沈殿平衡の原理と応用を説明できる。
    14 医薬品のキレート滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定と演習 内藤 各滴定法を用いる計算問題や演習問題を説明できる。
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 分析化学の基礎
    担当教員 安井
    学生の到達目標 分析化学の全体像を概説できる。
    日本薬局方収載の代表的な試験法を説明できる。

    No.2

    学習項目 溶液の作成、濃度計算、および実験データの取扱い方
    担当教員 安井
    学生の到達目標 物質量、溶解度、溶液濃度の関係を理解して、溶液の濃度計算や溶液の作成ができる。分析結果の統計的処理法を説明できる。

    No.3

    学習項目 酸と塩基の概念
    担当教員 安井
    学生の到達目標 酸・塩基の定義と意味を説明できる。

    No.4

    学習項目 化合物の酸・塩基解離
    担当教員 安井
    学生の到達目標 化合物の酸・塩基解離現象と酸・塩基解離定数の意味を説明できる。

    No.5

    学習項目 緩衝溶液と多塩基酸
    担当教員 安井
    学生の到達目標 緩衝液の作成法とpHを説明できる。多塩基酸の解離機構を説明できる。

    No.6

    学習項目 中和滴定および非水滴定
    担当教員 安井
    学生の到達目標 中和滴定法の原理と技術を説明できる。非水滴定法の原理・医薬品定量への応用を説明できる。

    No.7

    学習項目 医薬品の酸・塩基平衡と演習
    担当教員 安井
    学生の到達目標 医薬品の酸・塩基平衡に関する計算問題や演習問題を説明できる。

    No.8

    学習項目 薬剤師業務と分析化学
    担当教員 安井
    学生の到達目標 臨床現場での薬剤師業務に活きている分析化学の概念を説明できる。

    No.9

    学習項目 キレート滴定の基礎
    担当教員 内藤
    学生の到達目標 金属-配位子結合、錯体の安定度定数、キレート滴定法の原理を説明できる。

    No.10

    学習項目 キレート滴定の応用
    担当教員 内藤
    学生の到達目標 キレート滴定法の応用を説明できる。

    No.11

    学習項目 酸化と還元の概念
    担当教員 内藤
    学生の到達目標 酸化と還元の考え方を説明できる。

    No.12

    学習項目 酸化還元滴定
    担当教員 内藤
    学生の到達目標 酸化還元滴定の原理と技術を説明できる。

    No.13

    学習項目 沈殿平衡と沈殿滴定
    担当教員 内藤
    学生の到達目標 沈殿平衡の原理と応用を説明できる。

    No.14

    学習項目 医薬品のキレート滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定と演習
    担当教員 内藤
    学生の到達目標 各滴定法を用いる計算問題や演習問題を説明できる。

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    医薬品分析化学第3版 安井裕之、吉川 豊、黒田幸弘、木村寛之 著 京都廣川書店

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    分析化学プラクティス第2版 安井裕之、吉川 豊 著 京都廣川書店

    成績評価方法・基準

     定期試験(90%)およびレポート(10%)の成績で評価する。

    評価のフィードバック

     定期試験の講評は、合格発表日にmanabaにて公開する。再試験の受験者数が一定数以上の場合は、補講を実施する場合もある。