• 医薬開発論

    [Pharmaceutical Development Theory]

    開講情報
    • 4年次後期

      講義PBL

      1.5単位必修

    担当教員
    • 教授加藤 伸一

      教授異島 優

      教授大石 真也

      教授栄田 敏之

      教授村木 優一

      非常勤講師甲斐 俊哉

      非常勤講師佐藤 善弘

    備考  

    概要

     新薬の創製では、コンセプト、デザインならびに具体的な攻略法を策定し、基礎研究、創薬研究、非臨床試験から臨床試験を経て製造販売承認申請が達成される。薬学生(将来の薬剤師、基礎・創薬研究者あるいは臨床開発担当者)はこれらのプロセスの基礎知識を身につけている必要がある。本講義では、医薬品創製の歴史と教訓、基礎・創薬研究、治験の倫理ならびに情報公開、GMP、GLPあるいはGCP等の法規制の理解、治験の流れ、製造販売承認申請のプロセス及び市販後の安全対策について講義する。
     この講義は初回はオンデマンド配信を行い、それ以降は対面と同時配信型(隔週で対面と同時配信型を交互に受講)で実施する。

    授業の一般目標

     医薬品の創製に関する基礎知識、医薬品の製造販売承認を取得するために必要な非臨床試験並びに臨床試験のプロセス及び法規制、治験の倫理、情報公開ならびに個人情報保護に関する基礎知識を習得する。

    [関連する卒業認定・学位授与方針] DP1,DP2

    準備学習(予習・復習)

    学習目標および到達目標の内容を確認し、事前に配布された資料で予習した上で講義に出席すること。また、授業後は、授業の内容および配布資料をもとに復習すること。予習復習を合わせて1週あたり150分程度の学修が必要である。

    学習項目・学生の到達目標

    No. 学習項目 担当教員 学生の到達目標 SBOコード
    1 医薬品開発の概要 加藤 医薬品開発の全体の流れと医薬品創製における薬剤師の役割について説明できる。薬剤師の誕生から現在までの役割の変遷の歴史(医薬分業を含む)について説明できる。 A-(1)-②-5
    A-(1)-④-3
    2 医薬品創製史 加藤 薬学の歴史的な流れと医療において薬学が果たしてきた役割について説明できる。薬物療法の歴史と、人類に与えてきた影響について説明できる。 A-(1)-④-1,2
    3 医薬品候補化合物の探索・創製(創薬研究) 大石 医薬品の創製(研究開発)における薬剤師の役割を説明できる。
    医薬品ならびに化学物質の特許の概念ならびにその意義について説明できる。
    代表的なスクリーニング法や薬物動態を考慮したドラッグデザインについて説明できる。
    薬害の原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。
    A-(1)-②-5
    A-(1)-③-6
    4 医薬品の製造・品質管理 大石 医薬品のリスクを認識し、患者を守る責任と義務を自覚する。
    医薬品の創製(生産)における薬剤師の役割を説明できる
    医薬品等の製造販売及び製造に係る法規範について説明できる。
    A-(1)-②-1
    A-(1)-②-5
    B-(2)-②-4
    5 非臨床試験 佐藤 医薬品開発における非臨床試験の種類と目的、GLPの基礎、非臨床試験に関する薬事法規等について概説できる。 E3-(1)-①-3
    6 臨床試験
    (臨床試験の概要と基本概念)
    佐藤 臨床試験のフェーズと各フェーズの目的、品質管理、臨床試験に関連する指針及び法令とコンプライアンスについて概説できる。 E3-(1)-①-3
    B-(2)-②-1,2,3
    7 臨床試験
    (臨床試験の計画と実施)
    佐藤 質の高い臨床試験の計画と実施に関して、臨床試験プロトコルの作成、インフォームド・コンセントの重要性、モニタリングと監査の役割、データ管理と記録の重要性等について概説できる。 E3-(1)-①-3
    E3-(1)-⑥-1,2,3,4,5,6,7,8,9
    8 臨床試験
    (薬剤師の重要な業務領域)
    佐藤 質の高い臨床試験の実施への薬剤師による貢献に関して、薬剤師の重要な業務領域、臨床チームとの連携とコミュニケーション、倫理的な課題と対処法、被験者の安全管理、不正行為の予防と対応等について概説できる。 E3-(1)-①-3
    F(1)-②-1,2,3
    9 新薬の承認申請・審査 栄田 新薬の承認申請と審査のプロセス、並びに新薬に求められる要素を説明できる。 B-(2)-②-2
    10 製造販売後臨床試験 栄田 製造販売後臨床試験と治験との共通点・相違点、製造販売後臨床試験に関する法規範等を説明できる。 B-(2)-②-4
    11 製造販売後の安全管理 村木 医療現場における製造販売後の安全管理について説明できる。 B-(2)-2-5
    12 後発医薬品の開発 甲斐 後発医薬品とその役割について説明できる。医薬品(後発医薬品等を含む)の開発過程で行われる試験(非臨床試験、臨床試験、安定性試験等)と得られる医薬品情報について概説できる。 B-(3)-②-3
    E3-(1)-①-3
    13 バイオ医薬品とバイオシミラーの開発 異島 医薬品としてのタンパク質、細胞等を適正に利用するための基本的な特色と有用性を説明できる。 E2-(8)-①-1
    E2-(8)-①-2
    E2-(8)-①-3
    14 DDS 製剤の開発 異島 DDS製剤としてのタンパク質、リポソームなどのDDSキャリアの特色とターゲティングの有用性を説明できる。 E5-(3)-①-1
    E5-(3)-③-1
    15 総括・まとめ

    No.1

    学習項目 医薬品開発の概要
    担当教員 加藤
    学生の到達目標 医薬品開発の全体の流れと医薬品創製における薬剤師の役割について説明できる。薬剤師の誕生から現在までの役割の変遷の歴史(医薬分業を含む)について説明できる。
    SBOコード A-(1)-②-5
    A-(1)-④-3

    No.2

    学習項目 医薬品創製史
    担当教員 加藤
    学生の到達目標 薬学の歴史的な流れと医療において薬学が果たしてきた役割について説明できる。薬物療法の歴史と、人類に与えてきた影響について説明できる。
    SBOコード A-(1)-④-1,2

    No.3

    学習項目 医薬品候補化合物の探索・創製(創薬研究)
    担当教員 大石
    学生の到達目標 医薬品の創製(研究開発)における薬剤師の役割を説明できる。
    医薬品ならびに化学物質の特許の概念ならびにその意義について説明できる。
    代表的なスクリーニング法や薬物動態を考慮したドラッグデザインについて説明できる。
    薬害の原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。
    SBOコード A-(1)-②-5
    A-(1)-③-6

    No.4

    学習項目 医薬品の製造・品質管理
    担当教員 大石
    学生の到達目標 医薬品のリスクを認識し、患者を守る責任と義務を自覚する。
    医薬品の創製(生産)における薬剤師の役割を説明できる
    医薬品等の製造販売及び製造に係る法規範について説明できる。
    SBOコード A-(1)-②-1
    A-(1)-②-5
    B-(2)-②-4

    No.5

    学習項目 非臨床試験
    担当教員 佐藤
    学生の到達目標 医薬品開発における非臨床試験の種類と目的、GLPの基礎、非臨床試験に関する薬事法規等について概説できる。
    SBOコード E3-(1)-①-3

    No.6

    学習項目 臨床試験
    (臨床試験の概要と基本概念)
    担当教員 佐藤
    学生の到達目標 臨床試験のフェーズと各フェーズの目的、品質管理、臨床試験に関連する指針及び法令とコンプライアンスについて概説できる。
    SBOコード E3-(1)-①-3
    B-(2)-②-1,2,3

    No.7

    学習項目 臨床試験
    (臨床試験の計画と実施)
    担当教員 佐藤
    学生の到達目標 質の高い臨床試験の計画と実施に関して、臨床試験プロトコルの作成、インフォームド・コンセントの重要性、モニタリングと監査の役割、データ管理と記録の重要性等について概説できる。
    SBOコード E3-(1)-①-3
    E3-(1)-⑥-1,2,3,4,5,6,7,8,9

    No.8

    学習項目 臨床試験
    (薬剤師の重要な業務領域)
    担当教員 佐藤
    学生の到達目標 質の高い臨床試験の実施への薬剤師による貢献に関して、薬剤師の重要な業務領域、臨床チームとの連携とコミュニケーション、倫理的な課題と対処法、被験者の安全管理、不正行為の予防と対応等について概説できる。
    SBOコード E3-(1)-①-3
    F(1)-②-1,2,3

    No.9

    学習項目 新薬の承認申請・審査
    担当教員 栄田
    学生の到達目標 新薬の承認申請と審査のプロセス、並びに新薬に求められる要素を説明できる。
    SBOコード B-(2)-②-2

    No.10

    学習項目 製造販売後臨床試験
    担当教員 栄田
    学生の到達目標 製造販売後臨床試験と治験との共通点・相違点、製造販売後臨床試験に関する法規範等を説明できる。
    SBOコード B-(2)-②-4

    No.11

    学習項目 製造販売後の安全管理
    担当教員 村木
    学生の到達目標 医療現場における製造販売後の安全管理について説明できる。
    SBOコード B-(2)-2-5

    No.12

    学習項目 後発医薬品の開発
    担当教員 甲斐
    学生の到達目標 後発医薬品とその役割について説明できる。医薬品(後発医薬品等を含む)の開発過程で行われる試験(非臨床試験、臨床試験、安定性試験等)と得られる医薬品情報について概説できる。
    SBOコード B-(3)-②-3
    E3-(1)-①-3

    No.13

    学習項目 バイオ医薬品とバイオシミラーの開発
    担当教員 異島
    学生の到達目標 医薬品としてのタンパク質、細胞等を適正に利用するための基本的な特色と有用性を説明できる。
    SBOコード E2-(8)-①-1
    E2-(8)-①-2
    E2-(8)-①-3

    No.14

    学習項目 DDS 製剤の開発
    担当教員 異島
    学生の到達目標 DDS製剤としてのタンパク質、リポソームなどのDDSキャリアの特色とターゲティングの有用性を説明できる。
    SBOコード E5-(3)-①-1
    E5-(3)-③-1

    No.15

    学習項目 総括・まとめ
    担当教員
    学生の到達目標
    SBOコード

    実務経験

    佐藤 善弘
    業種:製薬企業(開発)、大学病院(新医療開発センター)

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    5,6,7,8 臨床開発及び教育研修の経験から、臨床研究・治験の質の確保、医薬品開発の現状を講義する。

    甲斐 俊哉
    業種:製薬企業(研究)

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    12 企業での製剤研究及び後発医薬品の研究開発の経験から、後発医薬品の開発の現状を講義する。

    栄田 敏之
    業種:製薬企業(研究)、大学病院(薬剤部、治験管理センター)

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    9,10 製薬会社及び医療現場における実務経験を活かし、新薬の承認申請・審査、製造販売後臨床試験について講義する。

    村木 優一
    業種:大学病院(薬剤部)

    学習項目No. その経験を生かして、どのような教育を行なうのか。
    11 医療現場における実務経験を活かし、製造販売後における安全管理について講義する。

    教科書

    書名 著者名 出版社名
    (なし)適宜プリントを配布する

    参考書

    書名 著者名 出版社名
    製薬医学入門 くすりの価値最大化をめざして 内田一郎、芹生卓(編集) メディカルサイエンスインターナショナル
    医薬品開発入門 第4版 古澤康秀、大室弘美、児玉庸夫、成川衛 じほう
    プロセス化学 第2版: 医薬品合成から製造まで 村瀨徳晃(監訳) 丸善出版
    学際的創薬科学論 -有機化学・薬理・構造生物学・薬物動態・安全性から創薬を考察する- 石川智久他 京都廣川書店

    成績評価方法・基準

    定期試験(後期試験100%)で評価する。

    評価のフィードバック

    成績評価の講評については、合格発表以降個別に対応する。